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マイナーチェンジを果たしたフォレスターの最大の注目はいうまでもなくエンジンだ。従来の第二世代フラット4・EJ型から、21年ぶりに新しいボクサーユニット・FB型に換装されたのだ。
簡単におさらいしておくと、FB型は従来のショートストロークに対してロングストロークタイプのボア×ストロークとなり、燃焼室はコンパクト化。当面はNAエンジンに特化(ターボ化の可能性はゼロではないらしい)することでピストン、コンロッド類の軽量化を実施。
そして吸・排気ともに可変バルブタイミング機構・AVCSを採用。ピークパワーは従来と同じ148ps。トルクは0・5㎏︲m上乗せされて20㎏︲mに。それでいて0︲100㎞/hの加速性能はアップ。片や燃費性能は約10%向上して、従来の13・8㎞/ℓから15㎞/ℓへ引き上げられている。なお、ミッションは4速ATのままだ。
基本的に良いことづくめのプロフィールになっているワケだが、果たしてどうか。取材車は20XSプラチナセレクションだ。
走り出してすぐに従来との違いを感じる。アクセル踏み始めのスタートが心持ち軽快になっているからだ。なんでもFB型は微低回転時のトルクの立ち上がりが良く、それに適応したスロットル制御を行ったそうだが、確かに功を奏している印象だ。
そんな軽快感に任せてアクセルを踏み込んでゆくと、エンジンの吹け上がりは良好でNAユニットならではの気持ち良さが味わえる。だが、2000〜4000rpmあたりの回転域だろうか、どうも従来型ユニットの方がレスポンスが豊かだった印象がある。
また、これまでは聞かれなかった水車状の羽を指先で断続的に弾くようなビビビッビといった少々耳障りに感じるノイズも気になった。残念ながら今回確認をとることは叶わなかったのだが、これは個体だけの問題である可能性もある。
新型エンジンもさることながら乗り味の進化も見逃せない。従来からけして悪い印象はないが、より以上にバタつくような足の動きが減って足元のマナーが良くなった。突き上げ感も減少しているし、接地性、安定感などのレベルがなにげに引き上げられている。
こうした良好な乗り味と同時に、従来よりもかなり上質なテイストになった新しいメーターデザインやソフトフィール塗装が施されたインパネ周りが絶妙にマッチ。ユーザーの満足度が高められたことは間違いない。
※記事の内容、価格、スペック等は2010年10月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]