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それは、スーパーカーのディーラーが、ブランド通りにショールームを構えるようになったことを見ても明らかであり、スーパーカーメーカー自身も「自社の製品をブランド品だと見ている」のであろう。
こういった状況については「時代の流れ」としかいいようがないが、なぜそうなってしまったのか。
ボクは、その理由について主に2つある、と考えている。
まずひとつ目だが、これは「スーパーカーでしか踏み込めない領域」がほとんどなくなってしまったことだ。 クルマに関する技術が向上したおかげで、今やサルーンであってもスーパーカー並みの加速や最高速を実現できるようになった。
だから「スーパーカーを持つ意味というものが必然的に失われた」というわけだ。
もちろん、サーキットにおいてはサルーンがスーパーカーに及ぶべくもないが、一般道における加速性能だともはや両者の間に差はほとんどない。
そしてふたつ目は、上で述べたように、スーパーカーが「ブランド品化」もしくはファッションアイテム化してしまったことだ。
ただ、これについてはスーパーカーに限ったことではない。 現在「ブランド」として認知されている多くの製品がこれと同じ道をたどっている。
たとえば「ルイ・ヴィトン」は旅行者のために頑丈で壊れないトランクを作ったことがそのブランドのルーツだ。
そしてルイ・ヴィトンも当初から「ブランド化」「ファッションアイテム化」を標榜していたわけではなかったと聞く。
ただ実直に、「優れたカバン」を作ろうとしてきた結果、その姿勢や機能性、そして機能に基づいた美しいデザインが評価され、それが「ブランド」として認知されるようになり、今の地位があるようだ。
そのほかにも同様の例はたくさんあるが、スーパーカーも同様に、単一の目的を追求した結果、それが他の製品にはない「ブランド価値を備えることになった」のだろう。