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シトロエン2CVやフィアット500のように、エアコンがないクルマの暑さ対策としては、とにかく「屋根を開けること」に尽きます。日差しの強い場合はそれも限界があるとは思いますが、今回ご紹介するクルマもその例に漏れず、太陽の下で幌を全開にして停まっていました。ドイツが誇る名車中の名車、フォルクスワーゲン・タイプ1のカブリオレです。
フォルクスワーゲン・タイプ1、と一般的に言われているクルマの正式名称は、「フォルクスワーゲン1303S」というように、フォルクスワーゲンの後ろにただ単に数字とアルファベットが付くだけのものでした。この個体の場合は「フォルクスワーゲン1302LSカブリオレ」というのが正しい呼び名なのですが、やはり英語圏で呼ばれている「ビートル」「バグ」や日本での「かぶと虫」という名前の方がやっぱり馴染みがありますよね。ドイツでの愛称は「der Käfer(ケーファー)」で、かぶと虫やてんとう虫、こがね虫などの甲虫を意味します。ちなみにタイプ1はドイツ語で「Typ eins(テュープ・アインス)」といいますが、多くの人々はもっぱら「Käfer!」と呼んでいますね。
フォルクスワーゲン・タイプ1のカブリオレモデルは、ヘブミューラー製の2座席タイプと、カルマン製の4座席タイプの2種類が生産されました。写真の個体はカルマンで生産された4座席タイプです。リアに「VW1302LS」のエンブレムが貼られていますが、それによれば1970年から1975年まで生産された当時の高級仕様「LS」モデルということになります。パワーユニットは開発当初の1.5倍以上にも拡大された1,584cc空冷水平対向4気筒エンジンで、最高出力50馬力を発生。最高速度は135km/hに達していました。