- 週間ランキング
パオはK10型の初代マーチをベースにしているが、その外装はすべて入れ替えられ、レトロ風のデザインが与えられている。
そしてレトロな外観に反し、フロントフェンダーやボンネットには当時最新の技術を用いた樹脂が使用され、軽量化が図られるなど、なかなかに面白いクルマだった。
ちなみに重量は今となっては想像すらできない720kg、出力はわずか52馬力だ。
K10マーチは1982年から1992年という、日本車としては異例に長い期間にわたって製造されている。
その存命中にはモータースポーツベースの「マーチR」、それをベースにターボとスーパーチャージャーを搭載した「マーチ・スーパーターボ」なるモンスターマシンも存在し、WRCでもその勇姿を見ることができた。
そんなK10型マーチをベースにしているだけあって、パオの車体は頑丈だ。
ボクが入手したのは2006年で、その個体の製造年は1989年だったから、車齢は実に「17歳」ということになるが、それでも車体の衰えは感じなかった。
一般に、自動車は生産が終了した後、該当モデルのパーツ保管期限は10年くらいだと言われている。
走行に必要なパーツ、そうでないものによっても保管期限は異なるようで、さらにメーカーが独自に定めるルールもあるため、ここでは詳しく触れない。
ただ、ひとつだけ確かだったのは、ボクがパオを手に入れた時点で、パオのパーツはすでに日産からの供給が停止されていた、ということだ。
ボクはパオを「現状渡し」で購入している。
そのために安く購入できたワケだが、中古車販売店も「すでにパーツ供給が停止されている」パオを整備して販売することができなかったのかもしれない。