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「最善か無か」という企業スローガンが反映されたクルマはどれか?ということに関しては、クルマ好きの間でもよく議論になることですが、今回ご紹介するクルマがかつての「最善か無か」の時代の最中に生まれたことについて異論を挟む方は少ないと思います。CLのドイツ現地レポではすっかりおなじみの存在のHナンバー車ですが、この個体も例に漏れず。Hナンバーを掲げたメルセデス・ベンツ280CE(C123)です。
C123は基本のセダンタイプであるW123のバリエーションモデルとして1977年に登場しました。写真の280CEは直列6気筒2746ccDOHCにインジェクションを組み合わせ、当初は177hp、1978年に改良が加えられて185hpを発揮するようになります。クーペはセダンと比べてホイールベースが85mm短く、全高もセダンの1,440mmから1,395mmと45mm低められていて、エレガントさとスポーティさ共存した魅力的なスタイルとなっています。
W123系の総生産台数は269万6,914台で、そのうちクーペが9万9,884台。280CEはクーペモデルの中の最上位モデルとして32,138台が作られました。クーペモデルの約3分の1が280CEだったということになりますね。写真の個体はクロームメッキパーツの状態もよく、雨に濡れた姿がとても美しいです。外装に目立った傷もなく、ドイツ現地の車では珍しくきれいに洗車されており、オーナーが大切に維持していることがわかります。