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今日はボクがじっさいに感じた、「世間の考えるスーパーカー」のイメージと、「実際のスーパーカー」とにおける乖離について述べてみたいと思う。
スーパーカーというと、「うるさい」「どこでもイキがって空ぶかしをする」というイメージがあるかもしれない。
ボクも以前はそう考えていた。
そう、スーパーカーにじっさいに乗るまで、そしてちょっと古いスーパーカーを運転するまでは。
街なかで空ぶかしをしているスーパーカーを見ると、「なぜ、わざわざ空ぶかしをするのか?」「そんなに目立ちたいのか?」と思うことだろう。
しかし、スーパーカー乗りの立場から、ボクは声を大にして言いたい。
あれは必ずしも「空ぶかしではなく、必要な場合があるのだ」と。
これについて解説してみよう。
まず、マニュアル・トランスミッション持つたいていのスーパーカーのクラッチは重い(クラッチを踏むのに大きな踏力を要する)。
スーパーカーのパワーは強大で、その出力を駆動力として路面に伝達するには、強力な圧着力を持つクラッチが不可欠だからだ。
さらには慣性重量を低減するため、一般的にフライホイールが軽い。
フライホイールが軽いとエンジンの吹け上がり、つまり回転数の上昇も軽やかになる。
しかし同時に回転数が落ちるのも早い。
一瞬で回転数が下がってくる特性を持つエンジン、そして重いクラッチをもつマニュアル・トランスミッション車で発進や車庫入れ、坂道発進をしようとなるとどうすべきか?
答えは簡単だ。
エンジン回転数を上げてクラッチをミートさせるしかない。
低速トルクが豊かなエンジンであればいいが、そうでない場合はある程度回転数を上げてクラッチを繋がないことには一瞬で「エンスト」してしまう。
そして、重いクラッチで「半クラ」を使うのは困難だ。
だから、そういったスーパーカーに乗る人びとはエンジン回転数を必要なだけ上げ、その一瞬にスパっとクラッチを繋ぐ。
これが傍から見て「空ぶかしをしている」ように見えるひとつの理由だ。