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ラクチン、キレイ、設備が豪華、便利な上にコスパ良し。そんなウワサが方々から聞こえてくるバス・VIPライナー。中でもとりわけ気になる「電動バックシェル型シート」搭載の「VIPライナー5便(グランシア)」へ乗車してきましたよ!
しかし、いくらリラックスできそうなシートとは言え、4列シートでトイレなし。そして始発・埼玉から終点・神戸まで20:55~8:20と約11時間35分の長旅。しかも、車内はほぼ満席とのこと。これ、下手すればリラックスどころか苦行バスになりかねない条件が揃っちゃってますけど。VIPライナー、ほんとにくつろげるの?
少々疑ってしまいつつも、今回の乗車バス停「さいたま新都心駅東口」へ。
さいたま新都心駅は、実は初めて降りる駅。降りる前の心配は2つあり「バス停まで迷わないか」と「カフェとか待合室とか、何かしら丁度良くバスを待てる場所は近くにあるか」でした。
下車してみると、2つともすぐにクリア! 「さいたま新都心駅東口」バス停のVIPライナー乗り場は、駅直結の歩道から階段を1つ降りるだけのわかりやすい場所。そしてバス停はショッピングモール「コクーン」の前なので、カフェやレストランがいくつもあるのです。
ほど良く近場で時間を調整し、それでも少し早めにバス停に到着。バスが来たのは20:45頃、発車予定の10分前頃でした。大きなハイビスカスの描かれたバスは遠目にも優雅で、ターミナルに入ってくるとすぐわかります!
バスの扉がさっと開くと、そこにはVIPライナーネーム入りのウェルカムマット。バス車体と同じハイビスカスや犬の足跡のデザインが愛らしく、ワクワク感がこみ上げてきます。「ここからはVIPライナーです。さあくつろいでね!」という感じ。
そして、それよりもワクワクするのがバス車内。4列シートで狭いんじゃないかと心配していたのですが、座席はたったの9列だったのです。しかも、リクライニングが後ろ座席を邪魔しないバッグシェル型シートなので、前後のシート間隔が狭まることはなし。
これならリラックスできるかも……!と期待が高まります。
グランシアの座席は全て電動式のバックシェル型シート。背もたれを倒しても、後ろの席側に倒れていくことがありません。
つまり、夜行バスでちょっとだけ勇気がいる「リクライニング時の後ろの人への声掛け」が要らないということ。操作する時の機械音もほとんどなく、シートの布地がかすかにこすれる音の方がしっかり聞こえるくらいです。
グランシアのバックシェル型シートのリクライニングは、135度。最近の夜行バス座席からすると、やや浅めかと思っていたのですが、さて電動スイッチを入れてみると……。座席は前面にスライドしつつ背もたれが倒れていくので、ちょうど揺りかごを傾けるような形で寝転がれるのです。これは予想以上のリラックス効果!
さらに座席にはリラックス効果を高める三種のグッズを完備。ずばり、枕・ブランケット・腰ピローです。腰ピローはリクライニングした座面が身体によりフィットする嬉しいアイテム。あるとないとではリラックス度が断然違います!
座席には一人一つずつプライベートモニターつき。バスの設備説明や案内映像のほか、映画やオーディオブック、ゲームも全て無料で楽しめます。映画は、洋画も邦画もかなりの充実っぷり。これは見始めたら眠る時間がない予感がします!
また、その他の設備もかなり充実。細かな気配りが感じられますね。
さらには、VIPライナーの乗客は全国6カ所にある「VIPラウンジ」を無料で利用可能! 乗車中だけでなく、乗車前から乗車後までくつろげるのです。
今回乗車した「VIPライナー5便(グランシア)」は座席が全9列、シート間隔は約105cmというゆったり加減。ですが実は、グランシアにはさらなるゆったりさを備えた上級クラスがあるのです。
上級クラス「グランシア」「グランシアファースト」では、バックシェル型シートやプライベートモニターなど、これまでご紹介してきた嬉しい設備の基本はそのままに、更にグレードアップ! その内容を簡単にご紹介しますね。
「グランシア」はUSBコネクタがないこと以外、今回乗車した「VIPライナー5便(グランシア)」とほぼ同じ。ただしシートが全8列・前後のシート間隔は約118cmとなり、「VIPライナー5便(グランシア)」より更に約13cmも広がります。足元がかなりひろびろとするので、窓側座席から下車する際、通路側の人が眠っていても安心。
運行路線
「グランシアファースト」の座席は横1+2席の3列式(最後部は独立3列)。前後も全7列となり、グランシアの中で最も広いスペースを独占できます。
シートは革張りとなり、電動リクライニングは145度へグレードアップ。リクライニング・レッグレスト・フットレストは3つそれぞれに調整できるので、自分好みに細かな座席調整が可能です。プライベートモニターは10.5インチと大画面になり、車内は無線LAN対応、預け荷物は2つまでOK。アメニティも進化し、低反発ミニ枕や使い切り歯ブラシがつきますよ。
運行路線
至れり尽くせりでリラックスできる「VIPライナー5便(グランシア)」。今回は埼玉から乗車したので、運行ルートは20:55「さいたま新都心駅」→ 21:50「バスタ新宿」→22:45「東京VIPラウンジ」→23:50「横浜駅東口バスターミナル」→(車中泊)→6:25「京都VIPラウンジ」→7:25「大阪」(降車専用)→8:20「神戸三宮」です。
車内にトイレがないため、深夜も含め3回のトイレ休憩あり。関東からだと、海老名SA、浜松SA、草津SAの順に、それぞれ15~20分ずつ停車します。停車時は寝ている乗客のために点灯やアナウンスはなし、停車して前方カーテンが開かれるのが合図になります。
ちなみに私、どこかのトイレ休憩で一度、バスを降りて手足を伸ばそうと思っていたのですが。なんと22:45の東京VIPラウンジに到着する前に、既に眠ってしまっておりました。当然SAも全て眠ったまま素通り。いや、バスが停まれば一応目だけは覚ますものの、そのまままた眠りに落ちていたのです。4列シートでここまで寝かせるとはすごい!
プライベートモニターで観たい映画もやってたのに、ゲームもやってみたかったのにー、と悔しがる頃には、もうバスは関西で朝を迎えておりましたよ……。
関西到着は、6:25「京都VIPラウンジ」、7:25「大阪」、8:20「神戸三宮」。アナウンスが流れるのは到着の約5分前です。
アナウンスが直前過ぎやしないか? と思ったものの、考えてみれば、京都VIPラウンジで降りる人は降車後にラウンジ内でゆっくり身支度ができますし、一度京都で声掛けしてあるからその後の大阪・神戸で降車予定の人は各自準備をしておけるというわけですね。
私の降車予定は神戸三宮。京都・大阪で降車する人が多かったため、神戸三宮ではずいぶんバスが空いていましたよ。
神戸三宮へ到着、お疲れ様でした!
なお身体はどうかというと、しっかり元気。朝から動く体力もあって、4列シートで約12時間のバス旅をした後とはとても思えないほど良好なコンディションでした。神戸の美味しいものを食べに行く元気も食欲もしっかり温存。VIPライナーすごい!
VIPライナー・グランシアは気配りの行き届いた夜行バスなので、女性には特に使いやすくておすすめです。皆さまもぜひ楽しんでくださいね!
(陽月よつか)