日産シビリアンが2021年6月で生産終了。担当者のコメントと共に60年の歴史を「バスラマNo.186」で振り返る
特集 新型コロナウイルスCOVID-19のバスへの影響Ⅲ
昨年来3回目となる本特集は、全国の有力バス事業者への輸送人員アンケートを中心に、コロナ禍以降のバス事業の実態を探るもの。今回までの調査期間は1年3カ月に及ぶが、一般路線が回復傾向を打ち出しつつあるのに対し、高速路線や空港連絡はコロナ禍前の4割程度まで減少しそれは1年ほど続いている。
定期観光・貸切は昨年秋に回復傾向が見られ、特に貸切は、地域によってはコロナ禍前の200%程度まで延びたものの、現状ゼロ近くで推移している。バスをはじめ公共交通の先行きが見えない中、アンケートでは事業者の悲痛な声と、国や行政への期待なども語られた。
各地に新型車導入
電気バスの運行開始が相次ぎ、栃木県では日光国立公園のシャトルバスに、大型EVのアルファバスを導入した。また名古屋市内のイオンモール熱田は、周辺エリアからの集客に向けた無料循環バスに、小型EVのオノエンスターEVを導入した。いずれもカーボンニュートラルに寄与するとともに、静粛性などが運行現場から好評である。
そのほか、三菱ふそうのニューフェイスであるエアロエース折戸仕様が名鉄バスに、ヒュンダイユニバースの廉価仕様・ベーシックが鹿児島交通にと、新型車が導入されている。
中国製電気バス・アルファバスECITY L10
日光国立公園内のシャトルバスとして運行開始した中国製電気バス・アルファバスECITY L10。日本規格のCHAdeMO対応の充電装備、右レバーのウインカー、国内ワンマン機器が大きな改造なしに装着できるなど、日本向け設計が光るEVである。
ヒュンダイユニバース ベーシック
鹿児島交通に導入されたユニバース・ベーシック仕様。2ピースのフロントウインドーガラスが特徴的。
超長期テスト車が交代
1台の路線バスの新車登録から廃車まで、毎月の整備内容や燃費を追う、31年前のバスラマ創刊時には前代未聞の企画をアピールした「日本の路線バス超長期実用テストレポート」。今年夏には、コロナ禍による輸送人員減少を機に夜行高速バスから全面撤退した京浜急行バスの日野セレガが、車齢7年にして引退。それに代えて京成バス初の国産連節バスである日野ブルーリボンハイブリッド連節バスが新たなテスト車に選ばれた。両者の去就をレポートした。
日野ブルーリボンハイブリッド連節バス
京成バスが幕張地区で2台を運行開始した日野ブルーリボンハイブリッド連節バス。バスラマではこのうちの4001号を、京成バスの全面協力のもと、新たな超長期テストモニター車に選んだ。
日産シビリアン
国産小型バスの一翼を担ってきた日産シビリアンが、今年2月で受注を、また6月で生産を終えた。前身のエコー以来約60年にわたるライフの終焉である。この間の変遷を「シビリアンクロニクル」として紹介するとともに、生産の最終期に立ち会った日産車体、および生産子会社のオートワークス京都のご担当者に、シビリアンに投入された技術や惜別のコメントなどをお話しいただいた。60年間の歴史年表も添えた。
2代目シビリアン後期モデル
日産の小型バスはエコーで約10年、シビリアンに改称してから50年の歴史を紡いだ。写真は1993年にバスラマが初めて試乗した2代目シビリアン後期モデル。
ぽると出版「バスラマNo.186」
【税込定価】1,498円(本体1,362円+税10%)
【サイズ】A4判 96ページ
【書籍コード】978-4-89980-186-3
【概要】
・バス事業者訪問224 サポート観光
・バス事業者訪問225 アルペン交通
・バス事業者訪問226 プリンシプル自動車
・【特集】新型コロナウイルスCOVID-19の影響 III
・【特集】日産シビリアン
・【特集】2021バステクフォーラムの新技術
・【レポート】奥日光に大型電気バス・アルファバス ECITY L10が登場
・【レポート】オノエンスターEV 7m社が名古屋市内で運行開始
・【レポート】ヒュンダイユニバースの話題
・【レポート】超長期テスト車 京浜急行バス&京成バス
・【レポート】スクールバスに見るLINE利用のバスロケ「モークル」導入
・【短期連載】あの頃のバス 渡邊嘉也さんの写真帖から
・粒よりの最新レポート、連載ほか
ぽると出版HP
(バスラマインターナショナル)