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快適なシートが増えている高速バス・夜行バスですが、リクライニングはどのくらい倒せるのでしょう。 アンケートでは「座席のリクライニングを倒すときに、勇気がいる」という声も。
「運転士さんが一斉に号令をかけるバス」「初めからシートが倒れているバス」が人気になるほど、実はみんなが倒したいのにちょっと困っているリクライニング。
気になる実態についてまとめました。
一般的な格安高速バスの4列標準シートの座席は120度くらい。豪華バスだと150度前後まで倒れます。
前後の座席間隔(シートピッチ)が狭い車両ほど、リクライニングの角度は浅く設定されています。
4列標準 | 4列ゆったり | 3列(2+1) | |
---|---|---|---|
リクライニング | 120度前後 | 130~140度前後 | 130~145度前後 |
シートピッチ | 70~90センチ前後 | 92~120センチ前後 | 98~130センチ前後 |
3列独立 | 2列ひろびろ(豪華) | |
---|---|---|
リクライニング | 130~145度前後 | 140~155度前後 |
シートピッチ | 90~130センチ前後 | 140~155センチ前後 |
情報 「夜行バス比較なび」シートタイプ比較表 より
豪華バスのシートは、リクライニングが通常のバスと比べて深く倒せることが多く、シートの前後をカーテンやパーテ―ションで仕切り個室のような空間にしています。後ろの人に気兼ねなく倒せるのが特徴です。
(バス名のリンクをクリックすると、それぞれの乗車記へ移動します。)
バス名 | リクライニング 角度 |
---|---|
ドリームルリエ アドバンス(JRバス) | 148度 |
はかた号(西鉄バス) | 150度 |
マイフローラ(海部観光) | 155度 |
リボーン(ウィラー) | 156度 |
ドリームルリエ プレシャス(JRバス) | 156度 |
高速バス・夜行バスの比較サイト「夜行バス比較なび」が行なったアンケートによると、およそ半数の人が声をかけると回答しています。「後ろの人による」という回答も16%ありました。
夜行バスでは「リクライニング倒していいですか?」と言おうと思って振り向いたらもう相手は寝ていた、なんてことも。
リクライニングの機能は、倒すためにある機能。よりスムーズに快適な角度で倒せるようメーカーも工夫をしています。それでも、後ろの人にとっては前方の壁が迫ってくるようなもの。
後部座席の人が前を向いているときに
「これからシートを倒します」「今から、シートを倒します」
と伝えるだけで、後部座席の人も心の準備ができます。
4列シートの場合、座席の後ろにくっついているミニテーブルに飲み物を置いている人もいるので、テーブル付の車両の場合は、ちらっと確認することをおすすめします。
いっせいにリクライニングシートを倒す案内を流してくれるのが、平成エンタープライズの「VIPライナー」です。
VIPライナーでは、バスが高速道路に入る前に、車両前方に設置されている大型のモニターで「リクライニングをどうぞ」の案内を流したり、アナウンスで倒すように促してくれます。
自分で声がけをしなくてもリクライニングがフルで倒せるこのサービスは、乗車記ライターにも好評です。
(豪華バスに限らず、「VIPライナー」はこのアナウンスを入れてくれます)
「オリオンバス」では、はじめから全座席のリクライニングがフルに倒されています。
「シートを倒すときに気を使う」という乗客の声から、はじめからリクライニングがフルで倒すことになったそうです。オリオンバスに限らず、そのほか運転士さん独自の心遣いでやっている高速バスもあるようです。
まれに乗車前から倒れていたら「席に座りにくい」というアンケートへの返答もあるそうですが、多くの人は「気を使わなくて済む」ことでストレスが軽減されている模様。
実際の様子は乗ってみたライターの乗車記をご覧ください。
海外の長距離バスにはほぼ180度に近いスリーパー・バス(寝台バス)がありますが、日本には日本の安全基準と法律があります。救急車など特殊な車両を除いて、ベッドではなく「座席」にしてシートベルトを設置することなどが法令で決まっているのです。そのためシートベルトの着用の義務を果たさなければなりません。
メーカー側も安全基準を満たしたシートを開発しているということですね。
いかがでしたか? 実はみんなが遠慮しあって困っているリクライニング機能。
乗り慣れない人ほど悩んでしまいますが、近くの人が倒すタイミングを真似したりしながら、ご自身の快適な移動のために利用していきましょう。
(バスとりっぷ編集部)