関東・東海で運行するSL(蒸気機関車)に乗ってみたい! 見どころや走行区間、乗車・撮影できるバスツアーなどを紹介
目次
SLもおか(栃木県・真岡鐵道)
運行区間・便数
SLもおかは真岡(もおか)鐵道の観光列車で、茨城県の下館駅~栃木県の茂木駅を結んでいます。
運行日は主に週末と祝日のみで、1日1往復。乗車時間は上りと下りで少々異なり、上りの茂木駅~下館駅間は約90分、下りの下館駅~茂木駅間は約91分です。始発から終点まで乗ると、SLの魅力がたっぷりと味わえますね。
見どころなど
SLもおかの見どころは、なんといっても四季折々の車窓風景!
白煙を上げながら春は桜並木を、秋にはコスモス畑、そして冬には雪原を走る様子はノスタルジーを誘うでしょう。
特に真岡駅~益子駅間は、桜・菜の花街道として人気のポイント。茂木駅方面へ向かう場合は、北真岡駅を通り過ぎたら車窓からの眺めをチェックしてみて!
また真岡鐵道本社のある真岡駅には、SLを形取った拠点施設「SLキューロク館」があります。館内・屋外には、旧型客車やD51形蒸気機関車などを展示。売店ではキューロク館ならではの、SLグッズも販売していますよ。
SLもおかに乗れるバスツアー
バスツアーではSLもおかへの乗車のほか、真岡駅にあるSLキューロク館の見学や、季節の花々を鑑賞できます。もちろん美味ランチ付き♪
SL大樹&SL大樹ふたら(栃木県・東武鉄道)
運行区間・便数
SL大樹とSL大樹ふたらは東武鉄道が運行し、栃木県日光市内の2路線を走っています。
基点となるのは下今市駅です。そこから北方向にあたる鬼怒川温泉駅間はSL大樹が、西方向の東武日光駅間はSL大樹ふたらが、それぞれ運行しています。
SL大樹とSL大樹ふたらの運行はほぼ毎日。乗車時間は下今市駅~鬼怒川温泉間は約35分、東武日光駅間は約20分です。鬼怒川温泉や日光東照宮への訪問時に乗車すると、旅の思い出がひとつ増えますね。
見どころなど
気になる車窓風景は、なんといっても日光連山! 特に鬼怒川温泉へ向かう時は、進行方向の左側の座席がおすすめです。四季が織りなす日光連山の景色が楽しめますよ。
また車内販売や写真撮影販売などのサービスのほか、SL観光アテンダントの沿線案内も。オリジナル駅弁も人気です。
下今市駅構内にある転車台も見どころのひとつです。転車台とは列車の方向を変えるターンテーブルのこと。客車を牽引するSLは機関室が先頭にあるので、方向転換の際にはどうしても必要なんです。SL運転日には可動風景が見られるかも!?
SL大樹に乗れるバスツアー
時期によっては、SL大樹に乗車できるバスツアーがあります。乗車する以外に、日光山内での自由散策や豪華ランチが味わえます。車窓からは日光連山の眺めが楽しめます。
SLパレオエクスプレス(埼玉県・秩父鉄道)
運行区間・便数
SLパレオエクスプレスは、秩父鉄道本線の熊谷駅~三峰口間を1日1往復する観光列車です。
埼玉県北部の秩父路を走っていることから、「都心から一番近いSL」と呼ばれています。運行日は祝日と週末が中心で、桜開花期・夏季・紅葉時期には金曜日にも。乗車時間は平日と土休日、上りと下りで異なり、最大で片道約2時間40分です。
見どころなど
SLパレオエクスプレスの見どころのひとつは、荒川やその支流に架かる鉄道橋を渡ること。代表的なものは長瀞渓谷の上流部に架かる荒川橋梁や、荒川の支流・安谷川に架かる安谷川橋梁です。
荒川橋梁は三峰口駅方面へ向かう場合、上長瀞駅を通り過ぎたらすぐ渡ります。安谷川橋梁は三峰口駅に近く、武州中川駅と武州日野駅の間に。鉄道橋から非日常の風景を、ぜひご覧ください。
SLの向きを変える転車台は、三峰口駅の北側にあります。
SLなどの観光列車では、車内放送も楽しみですよね。SLパレオエクスプレスの車内放送は、なんと秩父出身の落語家・林家たい平師匠! たい平師匠の軽妙な語り口で、沿線ガイドが聞けちゃいます。
車内ではお土産やSLグッズなどのほか、オリジナルジェラート「SL PALEO GELATO」も販売しています。
SLパレオエクスプレスに乗れるバスツアー
バスツアーではSLパレオエクスプレスの乗車とあわせて、長瀞ライン下りや桜などの季節の花々を鑑賞できます。ランチはもちろん、ツアーによっては買い物タイムがあることも。
SLかわね路号(静岡県・大井川鐵道)
運行区間・便数
大井川鐵道のSLかわね路号は、静岡県島田市の新金谷駅~川根本町の千頭駅間を結んでいます。
運行日は、なんとほぼ毎日。基本的には1日1往復で、春季や夏季などには増発します。乗車時間は上りと下りで多少異なりますが、平均して1時間15分ほど。昔懐かしい旧型車両の客車に座って、川根路の風景を心ゆくまで眺められます。
※SLかわね路号は車両整備のため、2022年秋まで運休中です。2022年3月現在はEL(電気機関車)が運行しています
見どころなど
SLかわね路号の見どころは、やはり車窓風景! 蛇行する大井川を数回渡ったり、短いトンネルを何度か抜けたり。その度に変わる風景が楽しめます。そうそう、トンネルに入ると窓から蒸気機関車ならではの煙が入るので、トンネル手前で窓を閉めてくださいね。
新金谷駅と千頭駅のほぼ間にある抜里駅~川根温泉笹間渡駅間では、日帰り温泉施設の入浴者がSLに向かって手を振る様子が見られるかも!? 「見てみたい!」という方は、千頭駅行きなら右側の座席を、新金谷駅行きなら左側の座席を選ぶのがポイントです。
転車台は新金谷駅構内と千頭駅構内に。前者は電気でも人力でも回せるハイブリッド式で、後者は人力のみです。
運休期間中は、3カ所で展示されているSLが見られます。
場所:新金谷駅向かいプラザ・ロコ内
時間:9:00~17:00(EL列車運転日のみ営業)
新金谷SL転車台
場所:新金谷駅構内
時間:終日(トーマス号運転日の15:40~16:00頃を除く)
KADODE OOIGAWA
場所:門出駅隣接
時間:終日
きかんしゃトーマス号も運行
大井川鐵道では、2014年から毎年「きかんしゃトーマス号」も走っています。絵本から抜け出したかのようなトーマス号は、見ているだけでもウキウキ♪ 客車内のシートカバーや内装などもトーマス号でいっぱい!
筆者はトーマス号に一度だけ乗ったことがありますが、車窓風景を見たり車内販売に心を奪われたりしていたら、あっという間に千頭駅へ到着してしまいました。SL乗車の「のんびりと非日常を楽しむもの」というイメージを、トーマス号は良い意味で覆してしまったようです。車内で食べたトーマス号オリジナルの駅弁、美味しかったなぁ。
車内販売では、ここでしか買えないオリジナルグッズもたくさん。2022年のトーマス号の運転期間は、4/29~9/25。運行日は主に金・土・日・月曜日ですが、夏休み期間などには平日運行も!
人気のSLに乗車したいならバスツアーがおすすめ
「座席から、客車を牽引する蒸気機関車部分を見た~い」という方は、列車がカーブに差しかかった時がチャンスです。最後尾の客車に乗れれば、見える確率が上がりますよ。
SLの乗車チケットの多くは、指定席(主に事前予約制)です。土休日や連休中に乗りたい場合、発売当日にネット予約を試みてもなかなか取れないかもしれません。そんな時にはバスツアーがおすすめです。予約争奪戦に参加することなくSLに乗車でき、さらに観光スポットにも立ち寄ります。
今度の週末は、都会の喧騒から離れてみませんか? そしてSL乗車で楽しいひとときを!
(麻生のりこ)