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2018年9月、ちょっと遅めの夏休みをチェコで過ごしました。その際に、近隣諸国への移動や観光地へのアクセスに役立ったのが、おなじみ高速バス。
今回はスタイリッシュで高級感あふれる漆黒のバス「LEO EXPRESS」のビジネスクラスに乗車したので、乗り心地や設備などを詳しくレポートしていきます!
「LEO EXPRESS」はチェコのプラハに本社を置く、公共交通サービスを提供する企業です。
チェコを起点として、ドイツ、ハンガリー、スロバキア、オーストリア、ウクライナ、ポーランドといった近隣6カ国、約100都市に電車とバスの交通ネットワークを展開しています。
同社の鉄道路線が運行する一部の都市では、駅までミニバンでの送迎があったり、全ての路線で無料のミネラルウォーターが付くなど、便利なサービスがあります。
今回は「LEO EXPRESS」のバス路線であるチェコの首都プラハから世界遺産の街チェスキー・クルムロフまで移動しました。
チェスキー・クルムロフ行きのバスは、プラハ中央駅前のバス停 (Praha, hl.n.BUS) 4番から出発します。アクセス方法はチケットにも記載されているのですが、駅を出て道路を一本隔てた場所にあり、初めての方にはわかりにくいかもしれません。
そこで、まずはプラハ中央駅からバス停までのアクセスをご紹介します。
プラハ中央駅に到着したら、電車の発着が表示される電光掲示板に向かって進みます。
このフロアにはATMやビアバー、本屋などがありますので、必要に応じて利用してください。
ゆるいエスカレーターに乗って、中2階に進みます。
こちらはプラハ中央駅の地図です。中2階についたら左手にあるベーカリーカフェのBrioche Dorée(ブリオッシュドーレ)を左折し、突き当りにある車寄せまで出たら、さらに左折します。
上記の地図の、WC横にある階段を使って地上に出ます。
バス停に到着しました!
プラハ中央駅の駅舎はパステルカラーで、可愛らしい雰囲気です。
バス停には、白いYシャツを着て乗客の質問に答えているおじ様がいらっしゃいましたが、乗客からチップを集めるとどこかへと立ち去っていきました…。
バス停のスタッフではなかったようです…。
7:40 チェスキー・クルムロフ行きのバスが到着しました!
チケットを運転手に見せると、エコノミークラスの乗客はミネラルウォーターを1本、ビジネスクラスの乗客は紙袋(後のお楽しみです!)を渡されます。荷物がある方は同乗するスチュワードがトランクに収納してくれます。
こちらが座席の全貌。青いビニール袋はゴミ袋のようですね。
中央右側の黒いボックスのような物はエスプレッソマシンです。紙カップも完備しています。
そしてこちらが、私が乗車するビジネスクラスの座席!
豪華なレザーシートに足元の広いスペースが特徴的なこのシートは、53席中8席しかない選ばれし者(?) のための席です! シート下にACコンセントがあるのが見えるでしょうか?
USBは対応していないのでCタイプの電源プラグを持参しましょう。
ビジネスクラス、エコノミークラス共にフットレストが付いています。
こちらはエコノミーシート。布張りで足元のスペースは狭めです。LCCのシートより狭いかも?
一方、こちらはビジネスクラスの足元スペース。隣には180cmを超える長身の男性が座っていましたが、足元に荷物を置いてもこの通り。十分なスペースがあります。
テーブルを引き出しても、こんなにゆったりした空間を確保できます。157cmの私ですと、テーブルに手を伸ばすために前のめりになる必要があるくらいです。
乗車時に渡された紙袋を開けてみると、左からベリー風味の炭酸飲料、ミネラルウォーター、ポテトチップス(塩味)、クッキーが入っていました!
7:50 そうこうしているうちに、バスは定刻通りプラハ中央駅を出発しました。
乗務員は運転士とスチュワードの2名体制です。車内はWi-Fiを完備していますが、車内モニターによるTVや映画などの車内エンターテイメントはありません。
8:20 プラハ市街を抜け、30分も走るとこんな田園風景が広がります。
しばらく外を眺めていたのですが、ふとお菓子の事を思い出して食べてみました。クッキーは、上にねっとりとしたキャラメル風味のヌガーがかかっており、あまり甘い物を食べない私にはちょっと甘すぎました。
口直しに何か飲み物をと思い、セルフサービスのエスプレッソマシンを使用してみたところ動きません…。スチュワードに使い方を聞いてみたところ、壊れているので使えないとのこと。なんてこったい!
せっかく席を立ったので、トイレに行ってみます。
トイレはバスの前方に向かって右側の中央寄り階段下にあり、簡単な洗面スペースがあります。
トイレのフラッシュボタンと手洗いのお水は、ドア寄りに縦に並んでいました。
席に戻り、改めて感じたのは足元が広いというのは想像以上に解放感があるな、ということです。
私にとっては足元のスペースが広すぎて、フットレストまで足が届かないのがたまに傷ですが、大柄な男性にはありがたいサービスかも!
9:30 高速道路が整備されているのか、あまり揺れを感じず大変快適で眠りを誘います。うとうとした後に目が覚めると、下道で道路工事に引っかかっていました。
10:20 定刻より20分遅れでチェスキー・クルムロフのシュピチャークバス停に到着しました。
バス停からチェスキー・クルムロフの街までは徒歩で約10分。ここからは簡単に街の歴史と風景をご案内しますね。
チェスキー・クルムロフは1992年に世界文化遺産に登録された、南ボヘミアの小さな街。街を抱くようにS字に屈曲するブルタヴァ(モルダウ)川沿岸に発達した古都です。
「世界で一番美しい街」とも謳われるこの街は、13世紀に築かれたお城を中心にルネサンス様式の建築物が多く残っており、まるで絵ハガキに描かれるような中世の街並みが広がっています。
実はビール大国であるチェコ。ここチェスキー・クルムロフでは地ビールのエッゲンベルグを味わえたり、6月の薔薇祭りには中世の衣装を纏った人々が街を練り歩くなど、魅力沢山です!
プラハから長距離バスを利用して、ぜひ訪れてほしい街です。
乗車中にエスプレッソマシンを使用できなかったのは唯一の心残りですが、目的地到着までの約2時間半、非常に快適なバス旅を楽しめました。
これからチェコを拠点に周辺諸国を旅してみたい方は、ぜひ「LEO EXPRESS」の利用を選択肢に入れてみてくださいね。
(為平千寿香)