裏話から車庫見学まで! 帝産観光バス・JR東海の「観光バスの“裏側”まるごと見せます」ツアー参加レポート
目次
そこまで話していいの? 爆笑裏話に努力と根性のガイド研修
今回参加したバスツアーは帝産観光バスとJR東海の共同開催。観光バスの裏側を見るバス好きにはたまらないマニアックなツアー。なんと関西からの参加者もいたんですよ。
ツアーは東京駅丸ノ内鍛冶橋駐車場から出発です。
まずは車窓から、2020年東京オリンピック・パラリンピック会場となった国立競技場や選手村があったHARUMI FLAGを見学。会期中は全国から2,000台のバスが東京に集合し、選手や関係者の輸送を行ったそうです。
今回乗車したバスは帝産観光バス70周年記念の特別仕様車。中2階なので見晴らしは抜群。特に首都高速湾岸線から見る都心のパノラマ絶景には感動! 今まで知らなかった東京を見られました。スタイリッシュで美しい街なのね。
そんな景色を眺めながら車内では、バスガイド歴20年弱のベテラン、櫻井さんの話す裏話にみんな興味津々! 今だから話せる失敗談、バス業界の秘密の暗号、この日のドライバーさんの苦手な道、おすすめの観光地やグルメなど、参加者からの質問にも答えてくれて大盛り上がり!
ほんのちょっと教えちゃいますね。
バスガイドの新人研修のときは、首都高を走って観光ガイドをするという試験があったそうです。最初の1周目をベテランバスガイドが行い、2週目から新人バスガイドが交代でアナウンスをするのですが、なんと合格をもらえるまで首都高を13周したとか! 笑って聞いてましたが、それだけ大変ということですよね。
バスガイドは仕事でおいしい物を食べて、温泉も入れていいわねと言われるそうですが、実は毎日勉強の日々なのだそうです。睡眠時間が3時間の時もあるのだとか。厳しい~。
ガイド精神が身についちゃっているので、プライベートの旅行でも、思わず安全確認をしたり、ツアーで説明がなかった場所は自分でガイドしてしまったりするそうで、家族から「やめて!」と言われるんですって。バスガイドあるある?
女性なら一度は着てみたいオシャレな制服は、みんなの投票で決まるそうですよ。今までで一番のお気に入りの制服はこちら。体のラインがとてもきれいに出るんですって。
おもしろい話と普段と違う東京の景色を楽しんでいたら、あっという間にランチの時間となりました。
月島でもんじゃランチ
ランチは人気観光地の月島。クーポンを受け取って、それぞれ好きなお店でいただきます。お店がオープンする11時ちょうどに出かけたので、ほとんど待ち時間なくランチを食べられました。
でも、11時半からは観光客も増え、食べ終える頃には大半のお店に行列が!
待たずに食べられて、1時間半のランチタイムをゆっくり過ごせたのは、プラン作りに慣れているプロが企画したツアーだからでしょう。
ランチを終えたら最終目的地、帝産観光バス東京支店へと向かいます。
途中、JR東海の車両基地群「大井車両基地」を車窓から見学。なんと、偶然にも新幹線のお医者さん「ドクターイエロー」を2編成も見られました。見ると幸せになれると言われているので、とってもラッキー! お天気も快晴! この日の参加者はきっと日頃の行いが良かったのでしょうね。
バス好きの聖地“車庫”で観光バスの裏側見学
バス好きの聖地といえば、なんといっても車庫。ツアーのメインともいえる観光バスの裏側を、帝産観光バス東京支店の車庫で、見学&体験してきました。
バスの裏側を見学・体験
帝産観光バス東京支店の車庫は、珍しい立体駐車場。しかも3段式。なんとバスに乗ったまま駐車体験しました。
まずは地下へ。その後地上2段目へ。スパイ映画かSF映画の世界のよう。頭の中にはサンダーバードの曲がグルグル。
今回はツアーなので特別ですが、通常は無人の状態で車庫へ駐車します。ドライバーさんにとっても貴重な体験だったかも。立体駐車場の地下って、真っ暗じゃないんですね。
お次は洗車体験。バスに乗ったまま巨大洗車機による洗車を体験します。大きなブラシが窓の外を過ぎていくのは圧巻。あっという間にバス全体がきれいになります。
ところが、洗車機を利用するドライバーは少ないのだとか。帝産観光バスでは、車両1台にドライバー1名と担当が決まっていて、みなさんバスに対する愛着があるので、手洗いする人が多いんですって。
数分で終わる機械洗車ではなく、1時間かけて手洗い。本当にバスへ愛情があるからできることですよね。そんなドライバーさんが運転するバスなら、信頼感も一層です。
整備工場も敷地内にあり、3カ月毎と1年毎の法定点検を行います。
運行前点検も見せていただきました。点検ハンマーでナットのゆるみや脱落をチェック、タイヤの空気圧や異物が刺さっていないかを確認します。
ツアー参加後、たまたま高速バスに乗る機会があったのですが、サービスエリアでの休憩中、そのバスのドライバーさんも点検ハンマーでタイヤチェックをしていました。今までなら見逃していたことに気付けるようになって嬉しい。バス会社はどこも安全に気を付けているんですね。
事務所内のため写真は撮れませんでしたが、運行管理システムや運行前の対面式点呼の様子なども見学しました。GPSでバスがどこを走っているかをリアルタイムで管理している様子や、アルコールチェッカーを実際に使用するなど、どれも初めて見ること体験することで、へ~とか、ほ~とか、そんな言葉しか出てこないくらい驚きの連続でした。
観光バスと綱引き!
今回のツアーの目玉、観光バスとの綱引き。事前に帝産観光バスの方たちが試行錯誤して、安全にチャレンジできるよう6名のグループに分かれて挑戦しました。
実はバスはギアがニュートラルの状態だと、意外と小人数で動かせるんです。今回は割り箸4本を前輪の前において綱引き。即席のグループでしたが、後ろの人はロープを腰に巻いたりと、その場で作戦を立てて挑み、一致団結、とても楽しそうでした。優勝グループには、あとから景品も授与されました。
観光バス乗り比べ!
帝産観光バスの車両4台と三菱ふそう車両1台を自由に見学でき、乗車して運転席に座ることもできました。
ニューメーティア
ツアーで実際に乗車したニューメーティア。70周年の特別仕様車で、バス側面には帝産観光バスのシンボルマークであるグレイハウンド犬がゴールド色で描かれており、見るからにゴージャス。
スターライナー
マニュアルの旧タイプとオートマの新タイプ、2種類のスターライナーを公開。どちらも補助席をあわせて53人乗りです。パッと見た感じは、そんなに変わりませんが、よく見ると新タイプの方には、網ポケットやドリンクホルダーがついて、シートの設備が充実しています。
旧タイプは現在企業の送迎などに使われているそうです。
スターライナー 〈リフト車〉
車椅子の人も観光が楽しめるリフト付きのスターライナーもあります。リフトには介助者が1名一緒に乗って、バスへ乗車します。こういうバスは、もっと増えて欲しいですね。年を取っても楽しみがあると思うと、年を取ることが怖くなくなります。
エアロキング(三菱ふそう所有)
三菱ふそうの2階建てバス・エアロキング。現在、運行は終了しているそうですが、特別に公開してくださいました。2階は3列シートで、ゆったりと座れます。高い位置にあるので景色も良さそう!
今は乗れないのが残念。
観光バスの魅力満載な1日
見学や体験を終え、バスは東京駅へと戻ります。車内ではお土産や綱引き優勝グループへの賞品の授与が行われました。お土産のトートバッグや付箋、かっこいい! 綱引き優勝チームの賞品は「エマージェンシーボトル5点セット」!
9時半から16時半まで、1日長いと思ったけれど、終わってみるとあっという間だったバスツアー。参加して、ますます観光バスツアーが好きになりました。
(さとちん)