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言わずと知れた大分県の別府。千年以上も昔より噴気・熱泥・熱湯などが噴出していたことから「地獄」と称される不思議な景観は、一生に一度は訪れてみたい人気の観光スポットです。
別府にはさまざまな地獄がありますが、特に「別府地獄めぐり」と言えば、「海地獄」「鬼石坊主地獄」「かまど地獄」「鬼山地獄」「白池地獄」「血の池地獄」「龍巻地獄」の7つを巡る観光コースのこと。これら7つの地獄を巡る、おすすめルートと移動のコツ、7つの地獄の見どころや楽しみ方までをご紹介します!
別府地獄めぐりの地獄は7つ。どこの地獄も入場料は大人400円、7つの地獄全てに入れる共通観覧券は2,000円です。つまり6つ以上の地獄を巡るなら共通観覧券がおトク。
共通観覧券はどの地獄でも購入可能。各地獄への入場は1回ずつですが、チケット自体は2日間使うことができます。また、バスのフリーきっぷや地獄めぐり公式HPのクーポンを提示すると割引価格で購入が可能です。
なお営業(開園)時間はすべての地獄で共通、毎日8:00~17:00です。
別府の地獄めぐりは、ざっくりと次の2つのエリアに分けられます。
・海地獄エリア(海地獄・鬼石坊主地獄・かまど地獄・鬼山地獄・白池地獄の5つ)
・血の池地獄エリア(血の池地獄・龍巻地獄の2つ)
それぞれエリア内の地獄は徒歩圏内ですが、2エリア間は約3㎞の距離。エリア内を徒歩で、エリア間をバスか車で移動する形でルートを作るのがおすすめです。
【観光つきバスで周る場合】
別府地獄めぐりをするのに、一番ラクチンなのは観光つきバス! 予約不要で毎日運行、一日2便出ています。約3時間で全ての地獄を巡り、バスガイドさんによる七五調・名調子の観光案内つき、地獄観覧料(全地獄観覧2,000円)も全て込みで大人3,650円。
各地獄でゆっくり名物を食べたりお土産を見たり、自分のペースで楽しみたいなら個人巡りの方がおすすめ。ガイドさんの説明を聞きたい、バス待ちをせずラクに周りたい人は観光つきバスがおすすめですよ。
【車で周る場合】
全地獄に無料の駐車場があるので、駐車場所の心配はありません。2つのエリアはどちらから周ってもOKですが、「海地獄エリア」内は坂道があるので以下のようなルートがおすすめ。
・海地獄エリア
1.「海地獄」駐車場に停めて「海地獄」「鬼石坊主地獄」を見る
2.「かまど地獄」へは車で移動し、「かまど地獄」「鬼山地獄」「白池地獄」を見る
・血の池地獄エリア
「血の池地獄」へ車で移動し「血の池地獄」「龍巻地獄」を見る
【路線バスで周る場合】
路線バスに乗って地獄めぐりへ出発するなら、おすすめは亀の井バスの「MyべっぷFree ミニフリー乗車券」900円。これ一つで地獄めぐりに便利なバス停を全て巡ることができます。またミニフリー乗車券を見せると、別府地獄めぐりの共通観覧券が1割引に。
なおフリー切符を使わない場合、別府駅~海地獄前330円、鉄輪~血の池地獄前190円、地の池地獄前~別府駅390円でバス代の合計は910円。地獄めぐりにだけ使う場合でもお得なのです。
バスで地獄めぐりへ出発する場合、海地獄エリアでのルートのコツは、坂の上から坂の下へと徒歩で順番に周れるようにすること。詳しいおすすめルートをご紹介します!
個人で自由に巡る場合のおすすめルートはこちら。別府駅発着・バスで巡るルートです。所要時間の目安も併せて参考にしてくださいね。
お隣なのでどちらから行っても良し。
すぐ隣なので、次の間欠泉(かんけつせん)の時間次第で順番を決めるのがおすすめ。
※間欠泉(かんけつせん)…一定周期で水蒸気や熱湯を噴出する温泉のこと
全て巡ると約3時間半!
なお所要時間は、「せっかくだから園内を全部見て周ろう」という場合を基準に見積もっています。急げばもっと早く周れますよ。逆にもっとお土産をじっくり見たい、名物を食べたい、足湯でくつろぎたい人は、各場所で5分10分を足すくらいが目安です。
次のページで7つの地獄の見どころと絶景ポイントを紹介!
最初に行くのにおすすめなのが海地獄。「次はその名も 珍しき 山の中なる 海地獄…」とは地獄めぐりバスツアーの七五調案内の一節ですが、まさにその通り。山の中に、白い湯気のモウモウと漂う海の色の熱い池が出現します。国指定名勝にもなっている、パワフルで美しい幻想的な光景は必見!
海地獄は7つの地獄の中でも一際広く、見どころたくさん。日本一の大鬼蓮あり、温室あり、足湯あり、海地獄の他に赤い地獄もあるんです。またライトアップとプロジェクションマッピングで夜の海地獄を楽しめる期間限定イベント「夜の海地獄2018」など、さまざまなイベントが行われる場合も。
また、温泉グルメやお土産も楽しめるのが海地獄の魅力。名物の温泉たまごがゆでたまごなのは海地獄だけ、他の地獄(かまど・鬼山)の温泉たまごは地獄の噴気で蒸しています。また人気の「地獄蒸しプリン」は常温で1時間しか持たないので、この場でいただくのがおすすめ。
山の中なのに「海」だった海地獄の次は、「地獄」なのに「坊主」の鬼石坊主地獄。2つの地獄は隣り合っています。見どころが盛りだくさんだった海地獄と一転して、鬼石坊主地獄はサクっと周れる小振りな地獄。
じっくりと不思議な地獄の風景を眺めることができます。
鬼石坊主地獄は約99度もある灰色の泥。絶え間なくポコポコポコッと湧き上がっていて、一時も同じ姿に留まることはありません。なんだこれだけか…と思いつつも、ついつい見入ってしまう不思議な魅力の地獄です。
かまど地獄はかまど一丁目に始まり六丁目まで、全て違う特徴の地獄を楽しめる、まるで地獄のご町内めぐりです。一つ一つの地獄に説明書きがあり、スタッフが実演で説明もしてくれるので、地獄の面白さを楽しく学びながら巡ることができますよ。
名前の由来は、古来より氏神の大祭に地獄の噴気で御供飯を炊いていたことから。
かまど地獄は6つの地獄のほか、身体に良い極楽もあり。蒸気温浴や蒸気の岩盤浴など、実際に体験して癒されることができますよ。また砂蒸し足湯やグルメコーナーもあります。「地獄ソフト」や「赤鬼ソフト」はかまど地獄だけの名物です。
目安は20分とは言うものの、ワニが苦手なら5分で充分、ワニが好きなら一日いられる。ワニ愛が滞在時間を大きく左右する地獄、それが「鬼山地獄」です。
「ワニ地獄」「鬼山ワニ地獄」とも呼ばれるここは、日本で一番最初に温泉の熱を利用したワニ飼育を始めた場所。現在は約70頭のワニが飼育されています。
鬼山地獄ではワニの詳しい説明ボードのほか、フレンドリーなワニ紹介ボードなどもあり。たくさんのワニを見比べるうちに、自然と詳しくなれますよ。また、時間が合えばワニの餌付けを見ることもできます。(水曜 10:00~ / 土・日曜 10:00~・14:30~ / 毎週)
白池地獄は優れた景勝地として、国指定名勝にもなっている優雅な地獄。7つある地獄の中では小振りな方です。地獄のお湯は噴出時は無色透明の熱湯ですが、温度と圧力の低下により自然と青みを帯びた白色に染まってくるのだそう。園内には真白な温泉の結晶も展示されています。
白池地獄では温泉熱を利用して熱帯魚の飼育も行なっています。それなら飼育されているのはさぞかし優雅な、赤や青のキレイな熱帯魚? いえいえ、なんとこちらで飼育されているのは人食い魚!
美しい地獄景色とピラニア館・ピラルク館のギャップ、郷土美術が展示されている「二豊南画堂」もあり、キレイなだけでは終わらない奥深さが白池地獄の魅力です。
地の池地獄は日本最古の天然地獄。大きな赤い熱泥の池が広がる絶景は国指定名勝に数えられています。地の池地獄はずいぶん大きく、約1,300平方メートル(420坪・840畳)もの広さ。後ろへと回り込む形で展望台を登ってみるのがおすすめです。
地の池地獄の園内の地獄は1つ。ですが園内には100坪ものお土産売り場があり、限定土産や名物「血の池軟膏」があり、足湯でのんびりできる上にあちこちに遊び心もいっぱいで、つい長居したくなる楽しい地獄です。飲食は隣接する「極楽亭」でどうぞ。名物「血の池地獄バーガー」もありますよ。
龍巻地獄は血の池地獄の隣。どちらを先に見るかは間欠泉噴出しの時間次第にするのが効率よく周る方法ですが、この迫力はやっぱり大トリで楽しむのがおすすめです! 間欠泉の噴出し時間は龍巻地獄の受付で確かめることができます。この龍巻地獄も国指定名勝に選ばれています。こちらも地獄の数は1つです。
お土産売場とジュース・ジェラートスタンドはありますが、ほとんどが龍巻地獄の噴出時間を待つ間のためという感じです。噴出周期の短さで世界的にも貴重な間欠泉、圧倒的な迫力の龍巻地獄をがっつり体感しましょう!
以上、全7つの地獄をご紹介しました。なお地獄名物やオリジナル土産はどこも地獄内でのみの販売です。一度出たら買いに戻ることができないのでご注意くださいね。
ではでは皆さま、楽しい別府地獄めぐりを!
(陽月よつか)