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2019年10月18日~23日、ベルギーの首都ブリュッセルでバスワールドが開催された。このイベントはこれまでベルギー西部の都市コルトライクで隔年開催を続けてきたが、回を追うごとに出展者の数が増え、展示面積不足がクローズアップされていた。
今回、より広いブリュッセルの展示会場EXPOを得たことで、床面積と出展者数、来場者数のすべてで先回を上回り、大成功のうちに幕を閉じた。出展者は511で、37カ国からの参加である。国別ではトルコ、ドイツ、中国がトップ3で、トルコがヨーロッパにおけるバス産業の重要な位置にあると同時に、いつの間にか中国のバスが世界のトップランナーに加わっているのがわかる。来場者数は143カ国から3万9,798人を数えた。
ヨーロッパで活躍するシティバスの台数の主力は依然としてディーゼル車だが、展示された車両のトレンドは圧倒的に電気バスまたは燃料電池バスである。日本からはシートメーカーの天龍工業が常連になったが、国産バスメーカーの出展は皆無であり、世界のバス業界との大きなギャップを感じざるを得なかった。
しかし日本のバス事業者の見学は着実に増えており、トヨタ自動車の燃料電池技術を搭載した欧州製のシティバスが登場するなど、これまでにない新しい兆しも感じさせた。バスラマでは12月発行のNo.177と、2月発行のNo.178の2回にわたり、バスワールドの出品バスをレポートした。
日本に導入されているスウェーデン車スカニアの路線バスは、ボデーがオーストラリア製だが、写真はスカニアオリジナルのスタイルを持つシティワイド。このたびボデーを一新して軽量化を図った。窓面積の大きさが特徴である。
写真は電気バス仕様のBEVで、パンタグラフによる急速充電システムを備え、一充電の航続距離は80~150kmという。
ポルトガルのカエターノは、かつてトヨタコースターにボデー架装したこともあるボデーメーカーで、近年は三井物産の資本により電気バスシャーシーの製造を始めた。バスワールドにはトヨタの燃料電池バスSORAの技術を活かした、イギリス向け右ハンドルの燃料電池バスが登場した。中扉から後方の通路はフルフラットでSORAよりも居住性が高いうえ、右ハンドルなので日本市場にも適しているのではなかろうか。
電気バスは中国製が世界市場の一翼を担っており、今年日本市場に導入される予定の電気バスもすべて中国製である。写真は初登場のユートンU12で、かつての中国製のイメージを払拭する斬新かつ個性的なスタイル。ただしスペックの詳細は明らかにされていない。
(バスラマインターナショナル)