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夜行バスで寝られないことに定評のあるぼくが今回乗車するのは、横浜→広島行きの夜行バス「メープルハーバー」(中国バス)。
その乗車時間は、なんと約12時間。
ぐっすり寝られれば朝まで一瞬かもしれませんが、過去に一睡もできなかった実績を持つぼくにとってはおそるべき夜行バスです。
ビビりながら、出発地の横浜へ向かいました。
乗車バス概要
バス会社 | 中国バス |
---|---|
シートタイプ | 3列独立シート×24席 |
運行体制 | 2人 |
乗車時刻 | 横浜駅19:50 |
到着時刻 | 広島駅8:20 |
普通運賃 | 1万1000円(閑散期価格)~ |
今回の乗り場は、横浜スカイビルYCAT。
JR横浜駅の東口を出たら、地下街ポルタへ。「スカイビル」の案内表示の方向に進んでいくと、大きく「バスターミナル」と矢印の書かれた階段に到着。
ここを上がっていくとバス乗り場です。
場所を知っていればすぐにたどりつけますが、初めて行く場合は少し迷ってしまうかも。
電車で向かう場合は、横浜駅に出発の30分前に到着するぐらいの余裕を持っておくのがおすすめです。
ちなみにこの階段を上がってすぐのところにセブンイレブンがあるので、乗車前に飲み物や軽食などを買いたい場合、ここを利用するのが便利です。駅から地下街ポルタを通ってここまで、他にコンビニはないはず。
スカイビルの中まで入ると、1階奥にローソンもあります。
14番乗り場でしばらく待っていると、「メープルハーバー」が到着しました。
星がキラキラしたポップで派手なデザインの車両。この「ハーバー」という名前やマリンカラーのデザインは、港町である横浜をイメージして付けられたものだそうです。
ド平日ということもあって、ここから乗車するのは4~5人程度。
さっそく乗ってみます。
ぼくは、3列独立シートに乗るのは今回が初。
結論から言うと、座席周りのスペースの広さと、ゆったり寝転べるシートの快適さは想像以上で、驚きました。
さらに、シート以外にも便利な設備が満載。
ざっと挙げると、以下が「メープルハーバー」の装備です↓
詳しく見ていきましょう。
独立シートが24席並ぶ車内は、パッと見は圧迫感があるものの、シートまわりのスペースはかなりゆとりがあります。
特にシートの前方、足元はひろびろ。ぼくは身長178cmとまあまあ大きいので通常の4列シートだと狭く感じてしまうけど、それがしっかり足を伸ばせて余裕で足を組めてしまうほどです。
シートは、リクライニングの角度はそこまで深くはないものの、レッグレスト付きなので足を伸ばしてゆったり寝転べます。独立シートなら隣の人を気にせず、横向き寝もできてしまいます。
各座席には、ほぼ360度を囲めるカーテンが。閉めれば、かなりプライバシー性の高い個室空間が出来上がります。
このカーテンは遮光性が高くて、マップランプや頭上の読書灯を付けていても外にはほとんど明かりが漏れず、気になりません。
アナウンスでも、「消灯後に明かりが必要な方は、読書灯やマップランプを使ってください」とありました。
各座席にはコンセントが付いています。12時間も乗車していればスマホのバッテリーもだいぶ減ってしまうはず。充電ケーブルは忘れず持参しましょう。
Wi-Fiはドコモユーザーであれば無料で利用が可能です。
ちょっと珍しいのが、メープルハーバーは3点式のシートベルトを装備していること。通常は、2点式が多いですよね。肩から斜めにかけるシートベルトで、上半身がしっかり固定されます。
さらに、各座席のひじ掛けの下にはSOSボタンが。体調が悪くなったときなど緊急時に乗務員の方に知らせることができます。
車両の最後部には、左右に別れてトイレとパウダールームが。決して広いスペースではないものの、清潔感があります。
パウダールームには折り畳み式のイスとその向かいに鏡、そしてドライヤーまで用意されています。あまり長時間使うのはあれですが、女性はここで簡単にメイクもできそうですね。
さて、「メープルハーバー」は、19:50定刻に横浜駅を出発。
終点の広島駅には、翌日8:20に到着予定です。
以下が、「メープルハーバー」の出発から終点の広島駅までの行程(停車地)。車内にトイレがあるため、途中サービスエリアでの休憩は1回のみです。
出発から約2時間。22時過ぎに静岡県の足柄サービスエリアで約15分の休憩がありました。
中のフードコートのお店はすでに閉まっているので、買い物する場合はコンビニで。
トイレでコンタクトレンズを外して、寝る準備をしました。
足柄サービスエリアを出発して、まもなく車内は消灯となりました。
とはいえ、22時台でまだ眠れそうになかったので、カーテンを閉め切り読書灯をつけて読書。
念のためカーテンの外に出て確認してみましたが、カーテンの中はここまで明るくても遮光カーテンのおかげで外にはほとんど明かりが漏れていませんでした。
なかなか眠たくならなかったけど、24時を過ぎた頃、さすがに電気を消して眠ることに。
後ろには人もいなかったのでリクライニングを全開で倒し、横向きになって、ブランケットを被ります。
気が付くと、いつのまにか眠っていました。
途中で目を覚ます瞬間はあったものの、そこから朝までぐっすり。早朝、福山駅などの停車地で降りる人もいましたが、それもほとんど覚えていないぐらいの熟睡。
夜行バスでこれだけしっかり眠れたのは初めてでした。
これまで、夜行バスで眠れないのは揺れや音のせいだと思っていましたが、リクライニングの角度や足元のスペースの広さ、プライバシー性も大きく影響していたのかも。
ぼくと同じように夜行バスではしっかり眠れたことがないという人には、ぜひいちど3列独立シートを試してみてほしいです。
そして予定時間よりも少し早く、8時ちょうどに広島駅新幹線口に到着。
合計約12時間乗っていたけど、しっかり眠れたおかげでその長さを感じない乗車でした。
ちなみにこのメープルハーバー号では、乗車時にポイントカードがもらえます。
片道乗車1回につき1スタンプで、10個たまれば乗車が1回無料に。有効期限もなく、繰り返し乗車するとお得になるので、帰省などでこの区間を定期的に利用する人におすすめです。
座席前方スペースの広さ
上の写真にある通り、足を思いきり伸ばせるほど足元のスペースに余裕があります。足を曲げながら寝るのと比べれば、快適性は大きく違います。
足元が広いおかげでリクライニングを倒しやすく、またフットレストもあるため、極端に言えば体が真っすぐに近い状態になります。
普通に座っている状態よりも寝やすくなるのは当然かもしれません。
周りが気にならないプライバシー性
通常の夜行バスって、眠れないときでも消灯後は本を読むこともスマホを見ることも難しいですよね。どうしても明かりが周りに漏れてしまうので。
それがこの車両の場合、座席を囲む遮光カーテンを閉めれば個室に近い空間が出来上がります。読書灯をつけても明かりが漏れることはほとんどありません。
もちろん音には気を使う必要があるものの、カーテンを閉めて読書灯やマップランプを使う分には問題ありませんでした。
眠れないときでも無理に寝ようとする必要がないっていうのは、個人的には嬉しいポイントでした。無理に寝ようとすると逆に寝られなくなってしまうタイプなので。
2+1に近い3列独立シート?
3列独立シートとはいうものの、2+1に近い形だと思います。接してはいないですが、片側の2席はわりと距離が近いですね。
今回は乗車人数が少なかったこともあって全く問題ありませんでしたが、満席になると2+1の2の方の窓側席の人はちょっと外に出づらく、通路の狭さを感じるかもしれません。とはいえ通常の4列シートに比べればかなり快適だと思いますが。
1席の方であれば、完全に独立した状態でかなり快適なので、座席指定できる場合はこちら側を選びましょう。
トイレの天井の低さ
トイレは天井が少し低めで、普通に立っていると頭が天井に当たりました。
なので男性も座って用を足すのをおすすめします。というか、走行中は揺れるし本来座るものなのかもしれません。
「メープルハーバー」は、ぼくがそうだったように夜行バスでは眠れないという人に、ぜひいちど乗ってみてほしい高速バスですね。
あとは、ドライヤー付きのパウダールームがあり、また安全性能も高いのでそのあたりがちょっと心配な女性にもおすすめです。
今回感じたのは、バス車両によって寝やすさや快適性、翌日の疲れっぷりは大きく変わるということ。乗車時間が長い区間であれば、特にバス選びは重要だと思います。
(タナベセイジ)