- 週間ランキング
2018年5月25日(金)に開催された「2018バステクフォーラム」に行ってきました。 会場となった大阪府の舞洲スポーツアイランドには、各社自慢の車両がずらりと並んでいましたよ!
展示されたバス車両はなんと13車種! 大阪では9回目となる本イベントでの車両展示や、実演の様子をレポートしていきます。
イベント当日は雲一つない晴天に恵まれ、ずらりと並んだバスたちもキラキラと輝いていました。車両はすべて常時展示されており、車内を見学したりシートに座ってみたり、最新のバスを思う存分堪能できます。
バスの大前提は、“安心・安全”。乗客の安全への配慮はもちろんですが、今回のイベントで強く感じたのは「運転士への配慮」です。長い時間運転することの多い運転士にスポットを当てることで、乗客の安全性向上にも繋がっているのですね。
また、バリアフリー機能も発展し続けています。今や「車椅子も乗れるか」ではなく「車椅子でも乗りやすいか」を考える時代。あらゆる状況を想定した最新技術の数々を見ることができました。
さっそく、それらを踏まえて各車両をご紹介していきます。
日野セレガと兄弟車である、いすゞ自動車の「ガーラHD-9(ハイデッカーナイン)」。9メートルの全長はガーラシリーズのなかでもっとも短く、事業者が「中型観光車」に分類するクラスの車両で、少人数の貸切バスとしても適しています。
ボディには4気筒エンジンを搭載、トランスミッションは自動変速の7速AMTを採用。
車内後部には2列回転シートが採用されているため、サロン仕様に設定することもでき、また車椅子リフト仕様の車両も用意されています。さらに、衝突被害軽減ブレーキシステムにより安全性を追求したセーフティシステムが実現しました。
車椅子でも安心して乗車できる、リフト付の「ハイデッカ」。乗車時は、リフト部のシート2列を折りたたむことで、十分なスペースを確保します。
またプラットフォームは床下格納式なので、必要なときにだけリフトを取り出すことができるのも特徴。人力では不安に感じがちな車椅子の乗降車も安全に、かつスムーズに行うことができます。
新型の8速AMTを搭載した「エアロエース」。制御機能により、走行状況に応じた最適なギヤ段を自動選択してくれます。
また、この車両は車内に車椅子用のエレベーターを備えています。スロープを使って車内に入ってから、エレベーターで座席部分へ上がる仕組みになっているので、高い場所が苦手な方も安心して乗車できます。雨の日に濡れる心配がないのも嬉しいですね。
2016年の排出ガス規制に適合した、最新の「ユニバース」。展示車はMTですが、2018年にはZF製6速を搭載したAT車が追加発売されました。
従来よりもダウンサイジングした、排気量9.96リットルのエンジンを搭載し、最高出力は430PS。国内の安全基準に沿った衝突被害軽減ブレーキ「AEBS」や車線逸脱警報装置「LDWS」、車両安定性制御装置「VDC」を標準装備しています。
岐阜県高山地方の名鉄グループ、濃飛乗合自動車が山間路線に使用する小型四輪駆動バス。7メートル級小型バスでは唯一の四輪駆動車である「ローザ 4WD」をベースにしています。
路線バス仕様に改造したのは、ふそうバスの二次架装・改造に豊富な経験を持つエムビーエムサービス。オリジナルデザインを盛り込んだ行先表示器のほか、合理的なワンマン機器の搭載、スタイリングなどなど、機能性・快適性に配慮した造りになっています。
2017年1月に発売された日野新型リエッセⅡをベースにした「マルチユースマイクロバス」。車椅子での乗車に対応させたほか、会議室レイアウトにできる機能を追加するなど、もとの車両に複数の機能を追加した二次架装車です。
シートピッチ調節のできる座席にくわえ、対面レイアウトも可能。状況に合わせてカスタマイズでき、様々なニーズへの対応が可能になりました。
"国産バスにはない魅力を感じさせる"がテーマの「ONOEN STAR(オノエンスター)」。さらに現代を"バスにも個性が求められる時代"と定義し、車体から内装まで自由にカスタマイズできるという特徴を謳っています。
今回展示されていたバスの車内には黒いレザーシートが並べられ、床には赤色のカーペットが敷かれていました。
一水製作所が出品する「車内自動券売機」を搭載した、都市間高速路線バス「ガーラ ハイデッカー」。操作方法の面では現行と大きく違いはありませんが、使用できるボタンのみを表示させることで従来よりもさらに見やすくなり、操作性の向上を実現しました。
さらに、非接触ICカードによるチャージ・引き落としにも対応。領収書の発行も可能になり、利用者の利便性が大きく高まりました。
運転士教育の充実のため、近鉄バスが採用した安全運転訓練車。輸送の安全性向上・接客向上・燃費削減などを目的としています。
車内に搭載されたアイマークレコーダーで記録した運転士の視線などのデータをもとに、後日、運転士が自身の運転方法を確認。さらに乗客に見立てたフラグ、メスシリンダー型燃料流量計、赤外線足元カメラ、教官用補助ブレーキ・サイドミラーなど多くの教育用機器を搭載しています。
貸切バスのトップレジンとして日本交通が導入した「Gliscelto(グリシェルト)」。乗客定員は14名で、片側1列、シートピッチ1,155ミリのハイグレードシートを装備しています。
フットレスト付シートの座り心地は高級そのもの。車内奥に大型化粧室を供えた豪華なバスに仕上がっています。荷物棚は、圧迫感を軽減するためにあえて設置されていません。モダンテイストに統一された車内で優雅な旅のひとときを楽しめそうですね。
大人数の貸切に適した「スーパーハイデッカー」。乗車定員53名の大きな車内空間に、2色のカラフルなシートがずらりと並んでいるのが特徴的です。
こちらのバスは「ハイデッカー」よりも座席が20センチ高い位置に設計されているので、一段高い位置からの景色を楽しむことができます。
2018年4月から、東京ディズニーリゾート・東京駅~大阪・神戸線に導入された「アストロメガ」。全部で59のシートを備えた2階建てバスです。
車椅子での乗車も可能で、長い乗車時間を想定した車内にはトイレや乗務員用仮眠スペースが備わっています。
また、勾配の度合いにかかわらず一定の速度を維持する「車間距離保持機能付きクルーズコントロールシステム」を採用することで、乗客のみならず運転士の負担を減らす手助けにもなりました。
"ドリーム号史上、最上のくつろぎ"を謳う「ドリームRelier(ルリエ)」。西日本JRバス・JRバス関東の2社によって2017年3月から大阪~東京間に導入されました。
日野セレガハイデッカをベースにした増備車(内外装改装車)で、前方2列6席にプレミアムシート「プレシャスクラス」、3列目以降10席には、ゆりかご型リクライニングシートの新型クレイドルシートを採用した「アドバンスクラス」を配置。
さらに全席にタブレット端末を備え、フリーWi-Fiにも対応するという至れり尽くせりっぷりです。
以上が「2018バステクフォーラム」で展示された全13車種です。最新のバスたちを、一度にこれだけ見られる機会もそうありませんよね。乗るチャンスの少ない高級バスや、普段まじまじち見れない運転席をじっくり見られるのもイベントの魅力です。
各企業担当者の方の情熱を感じ、バス旅行欲が沸々と湧いてきました。定期的に開催されるバスイベントなので、機会があればぜひ参加してみてください!
(琴井とらを)