染みわたる♪ 17km踏破後の生ビールを求めて! 季節限定運行・関越交通「尾瀬号」の夜行バスでハイキングに行ってみた
ざっくり、こんな移動
- 関越交通「尾瀬号」なら、日帰りで尾瀬ハイキングに行ける
- 尾瀬ヶ原では、雄大な景色と湿地帯ならではの植物が見られる
- ハイキングのあとの生ビールが美味すぎる!
山歩きで疲れた後に、冷た〜い生ビールを飲むのが最高の幸せ。
そんな僕が、今回は関越交通の「尾瀬号」に乗って、ずっと行ってみたかった尾瀬への「0泊2日の弾丸ハイキング旅行」にチャレンジしてきました。
“最高の一杯”を期待して、バスタ新宿を出発!
まさかの豪雨の中、バスタ新宿から「尾瀬号」が出発!
バシャバシャバシャ…。
マジかー、出発前の新宿は文字どおり、地面を叩くような土砂降り……。それでも明日の尾瀬の予報は「曇り時々晴れ」と出ているので、どうにか天気が崩れぬことを祈るばかり。
新宿ー尾瀬間を運行している関越交通の「尾瀬号」は、5月中旬から10月中旬までの季節限定のバス。6時台・7時台の朝便と、22時台の深夜便の1日3便が運行されています。
今回乗った深夜便は22時ちょうどにバスタ新宿を出発。
練馬区役所前と川越駅で追加の乗客を乗せたところで消灯し、関越道を経由して尾瀬へ。途中、「三芳SA」と「道の駅こもち」の2か所で休憩を挟む、という運行ルートです。
バスは、白い車体に赤いラインの入ったシンプルなカラーリング。
車内は2席×2列の配置のオーソドックスな4列シート。シンプルな造りのシートですが快適です。
なお、車内にトイレはないので、乗る前にしっかり済ませておきましょう。
この日はお盆連休の終わり頃とあって、席の埋まり具合はまばら。
休憩中に運転手さんに尋ねてみると、「名物のミズバショウが見頃の5月~6月と、紅葉シーズンの9月中旬からが混み合いますね」とのこと。
2度目の休憩地である「道の駅こみち」は、もちろん深夜なので閉まっていましたが、近くにコンビニのセーブオンを発見。
実はバスタ新宿で朝食と行動食を買おうと思っていたのですが、ファミマの行列に並んでる間に出発時間が…。
「こりゃ朝メシ抜きだ(泣)」と覚悟を決めていたのですが、ここでパンとカロリーメイトを購入し、事なきを得ました。
関越道を降りると停車所がいくつかありますが、ほとんどの人が尾瀬の玄関口である「大清水」と「尾瀬戸倉」のどちらかで降ります。
尾瀬ヶ原に行く場合は「尾瀬戸倉」、尾瀬沼に行く場合は「大清水」で降りるのが便利。
今回の僕の目的は尾瀬ヶ原ハイキングなので、シートを倒して十分な睡眠をとりながら「尾瀬戸倉」まで向かいます。
バスは3時30分に尾瀬戸倉に着くのですが、ここから尾瀬国立公園の入り口である鳩待峠に行くには、さらにミニバスへの乗り換えが必要。
そのミニバスの始発は4時40分なので「まさかこんな深夜に1時間以上も待ちぼうけ !?」と心配していたのですが、車内アナウンスで「大清水(3時50分着)まで一旦行き、そこからもう一度尾瀬戸倉に戻ってきますので、このままバスに乗っていてください」と案内され、ひと安心。
尾瀬号は、4時20分に再び尾瀬戸倉に到着しました。
まだ薄暗い中、尾瀬国立公園にゲートイン!
尾瀬戸倉のターミナルに降り立ったものの、まだ夜明け前なので周辺は真っ暗。
しばらくやることもないので、ここでハイキングに備えて準備体操。
そうして、窓口でチケット(980円)を買い、ミニバスで鳩待峠に向かいます。
ミニバスの中で、ようやく車窓の景色も朝ぼらけ〜な感じになってきました。
鳩待峠に到着したのは朝5時過ぎ。帰りの「尾瀬号」新宿行きの出発時刻は15時10分で、14時30分のミニバスで鳩待峠を出発したいので、国立公園に滞在できるのは9時間ほど。
途中に休憩も挟むと、ちょっとハイペースで尾瀬ヶ原を一周できるくらいのスケジュール。長い距離を歩くので、服装も靴もガチの登山モードです。
尾瀬ハイキング(トレッキング)スタート!
今回は、鳩待峠→山ノ鼻→牛首分岐→竜宮十字路→見晴→ヨッピ吊橋→牛首分岐→山ノ鼻→鳩待峠という、合計約17kmのコースを歩きます。
ちなみに、入園口の掲示板には「鳩待峠〜山ノ鼻でクマの目撃情報が増えています」の表示。
「ゲッ、熊鈴忘れた…」と思っていましたが、しばらくするとチリンチリンと鈴を鳴らしたファミリー御一行の姿が。
「すみません、便乗させていただきます」と心の中でつぶやきつつ、尾瀬国立公園にゲートイン!
まだ朝もやが漂うなか、1時間ほど山林の中に敷かれた木道を歩きます。
そしてビジターセンターのある山ノ鼻から先が、尾瀬ヶ原。
標高1400mの高地にあり、湿地帯の多彩な植物が見られる尾瀬ヶ原周辺は、初心者ハイキングの大人気コースです。
真っ青な青空とはいきませんでしたが、不安だった雨が降ることもなく、まずまずのハイキング日和。
きれいな景色は、言葉による説明は不要。ぜひ、写真でご覧ください。
独りぼっちのハイキングは、集中して淡々と歩くのもいいけれど、ベンチで一緒になった人たちと話をするのもおすすめです。
「どこから来たんですか?」や「きれいな場所ですよね」のようなとりとめない内容ばかりですが、「あそこの山が綺麗だったよ」なんて山好き同士のリアルな情報が得られることも。
普段接点のないような人と気軽にコミュニケーションが取れるのも、山歩きの楽しみのひとつ。
山小屋の集まっている見晴で折り返し、帰りは尾瀬ヶ原の北側を歩きながら山の鼻へ戻り、そして鳩待峠へ。
入園時は易しい下り道だったところも、帰りはちょっと厳しい登り道に。
15km以上歩いた膝はもう重いし、足の裏も痛い…。
それでも、「負けないで」と「サライ」を頭の中でループさせながら、ラストスパートをどうにか乗り切りました!
ついにお待ちかねの“最高の乾杯”!
さて、疲労困憊の体にエナジーを注入ということで、ついにお楽しみの乾杯(一人だけど…)の時間がやってきました♪
ぷはーーー、染みわたるぅ〜!
帰りは新宿まで直行なので、こんなんできちゃうのもバス旅のいいところです!
鳩待峠から尾瀬戸倉まではミニバスのほかに乗り合いタクシーも運行。峠の売店で買えるチケットはバス・タクシー共通。
15時10分の尾瀬号に乗るには14時30分のミニバスに乗るのが確実ですが、乗り合いタクシーも定員9人が集まったところで随時出発しています。
ビールでいい気分になったところで、帰りのバスでは乗車後すぐに睡魔が…。
19時30分にバスタ新宿に帰ってくるまで、ずーっと爆睡。
到着後、おぼろげなまま席を立ち上がろうとすると、キーンと早くもやってきた筋肉痛…。
足を引きづりながら、バスを降りたのでした。
尾瀬号の運行路線
「バス比較なび」にて、詳しい停留所と料金が確認できます。リンク先のページでは必要に応じて「逆区間」のボタンをご利用ください。
※取材協力/関越交通
(鈴木翔)