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大阪の主要ターミナルと京都駅を経由して、早朝5時台に東京駅に到着できる、大阪バスの東京特急ニュースター号。本記事ではその魅力を紹介します。
シートの座り心地や車内設備、運行ルートなどをできるだけ詳しくレポートしていきますね!
大阪バス(東京バスグループ)と東京バスが共同運行する東京特急ニュースター号は、大阪~東京間を1日2往復しています。今回乗車した大阪方面発の便は、東大阪から大阪主要ターミナルと京都を経由して東京へ向かいます。
まずは気になる車内設備について紹介します。
安全と快適をモットーとする大阪バスの東京特急ニュースター号は、どの座席に座ってもプライベート空間を提供してくれます。3列独立シートのうえ、プライベートカーテンまで付いているのでどの座席に座ってもお一人様空間が得られます。
進行方向に向かって右側のD席と真ん中のB席の間はかなり広い間隔が設けられています。その反対側のA席とB席の間はやや間隔が狭いものの、しっかりとスペースが確保されています。これならアームレストに乗せた腕が隣座席の人に触れることはありません。
リクライニング角度は公開されていませんが、最大までシートを倒すと快適な睡眠姿勢が得られます。
就寝時に嬉しいと感じたのは、幅の広いフットレストと優しくふとももを支えてくれるレッグレスト。
就寝時、シート・レッグレスト・フットレストの3つが連携してシームレスに体をつつみ、快眠ポジションをキープしてくれます。
快眠のベストポジションには個人差があるので、ヘッドレスト(まくら)の位置は大切なポイントです。
可動式ヘッドレストがやや固めなので、その分走行中の振動で位置がずれにくいというメリットがあり、さらに「ヘッドレスト」そのものが取り外せるという機能も備えています。
朝気がつくと、前の座席に座っていた女性が外して休んでいました。もしヘッドレストの位置や高さが合わないという方はぜひ1度このバスを試してもらいたいです。
明るいバイオレットの備え付けブランケットは、ふわふわで優しい感触の肌触りが良いもの。まるでおろしたての清潔感があります。シートやプライベートカーテンは大阪バス独自の消臭・抗菌処理を施し、清潔に保たれています。
■その他の設備
<写真>コンセント「安心の電源環境」
・お手洗い完備(車両最後部)
・荷物棚(デイパックなど収納が可能)
・コンセント(スマートフォン充電用)
・収納式サイドテーブル
・プラズマクラスター搭載
東京特急ニュースター号は東大阪市にある布施駅からスタートします。
近畿圏以外の人には馴染みがない駅名かもしれませんが、私鉄で最長の営業距離を誇る近鉄日本鉄道(以下近鉄)の大阪線と奈良線が交わっており、1日乗降客数は約4万人にのぼる東大阪エリアの主要な駅のひとつです。
なぜこの駅が始発なのか? と訊ねてみたところ、大阪バスの本社が東大阪にあり、地元の人に利便性を提供するためにバスターミナルを設けているとのことでした。
さて近鉄布施駅には北口と南口の両方にバスターミナルがあるので、初めて利用する人には少々わかりにくいかもしれません。東京特急ニュースター号に乗車する際には南口側のバスターミナルに向かいましょう。ショッピングイオン布施駅前店を目印にすればわかりやすいです。
大阪バスの表記は東大阪布施駅ですが、近鉄布施駅と同じ駅です。
20:40東京特急ニュースター号(東1便)は定刻通り出発しました。ここから大阪市内の主要ターミナルを経由して乗客を乗せます。
21:00、大阪上本町駅に到着。
ここ上本町駅は近鉄線と大阪メトロ(2018年春から大阪市営地下鉄から名称が変更)が交差する大きな駅。飲食店が並ぶ「上本町ハイハイタウン」の1階にバスのりばがあります。
次に停車したのは、JR線天王寺駅。近鉄南大阪線の起点となる大阪阿部野橋駅常に道路を挟んで向かいの駅です。天王寺駅=阿部野橋駅と覚えてもらって大丈夫です。
天王寺駅を定刻21:15に出発。東大阪布施駅では多かった空席も天王寺駅から乗車した人たちで埋まりはじめました。
次に停車する大阪駅の乗り場はJR東海道線や大阪環状線が走る高架下にあります、最寄り改札口は桜橋口(西梅田側)を出てすぐの場所です。
西梅田商業施設ALBi(アルビ)前のバス乗り場には、日本のアウトドアブランドmont-bellの店舗を目印にすると便利です。
大阪駅21:40定刻に発車、ここから乗車する人が1番多く、座席のほとんどが大阪駅で埋まりました。
京都駅では、京都駅八条口G2のりばから乗車します。この乗り場は京都駅の南側にあります。八条通りを渡ってすぐのバスターミナルから乗車しましょう。他社のバスも数多く発車するのりばですが、係員もいるので迷う心配はありません。
22:45、京都駅で最後の乗客を乗せた東京特急ニュースター号は東京へ向かい出発します。
京都駅を出発したあと、乗務員の方が各座席まで巡回してくれて、座席周りの操作など不明な点をやさしくサポートしてくれました。シートに座ってしまうとわからない事があってもつい億劫になりがちで運転席まで聞きに行く事はしづらいので、これも嬉しいサービスです。
京都を出発して一度消灯した車内が今一度明るくなりました、休憩カ所の名神高速道路草津サービスエリア(滋賀県)に到着です。すでに休んでいる人もいるので控えめなアナウンスで乗り間違えのないようにバスのナンバープレートの番号が案内されます。
草津サービスエリアを出発すると次はもう東京です。
早朝の東京駅。まだ街が眠っている5:15にバスは八重洲口へ到着しました。新幹線ならまだ始発ののぞみ号が新大阪駅を出発する以前の時間です。
この日、東京ビッグサイトで取材があった私は、8時に会場へ到着しないといけない予定でしたが、朝食を摂る時間もふくめ、ゆったり仕事の準備をすることができました。
東京駅にとにかく早く到着したい(しなければいけない)人にはぜひオススメしたい高速夜行バスです。
東京バス・大阪バスでは社歌があります。その曲の作詞・作曲を手がけたのは、なんとあのつんく♂さん!
東京特急ニュースター号に乗る際に楽しんでほしい、もうひとつのお楽しみです。
(出雲義和)