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今年の成人の日は1月8日。20歳を迎える多くの新成人の方が成人式に参加したことと思います。
しかし、東京都内を中心に定期観光バスを運行する「はとバス」では、3連休中の成人の日は観光ツアーが目白押し。
同社の社員さんにも新成人の方がいますが、成人式といえどもお休みを取ることができません。
そのため、はとバスでは1963年から独自に社員向けの成人式を催しています。
2018年は、成人の日よりも一足早い1月5日に「はとバス成人式」が行われました。
今回は、その様子をレポートします。
今年は元日から晴天に恵まれていた東京ですが、5日だけは雲が目立つあいにくの天気。今冬一番の寒さにもなりました。
はとバス本社前、朝の7時半。
ようやく薄日が射してきたと感じる頃に、晴れやかな和服に身を包んだバスガイドさんたちが登場しました。
頬を撫でる風は刺すように冷たいのですが、今日の主役であるフレッシュな新成人のみなさんが集まると場の空気は一変。周囲は華やぎ、心なしか風も春めいたように感じられました。
後輩の晴れ姿を遠目に見守る先輩バスガイドさんや職員さんたちからは、思わず笑みがこぼれます。そして、みなさん一斉に手に持っていたスマホで写真を撮り始めました。
今回、成人式に臨むのはバスガイドさん22名と整備士の方1名の、総勢23名。
地元・東京や近県の千葉・神奈川出身の方もいますが、北海道や岩手県、山形県、愛媛県、鹿児島県など、地方出身者が多くを占めています。
23名の新成人は、全員が高校卒業直後に入社。現在は入社2年目ということもあって、そろそろ東京生活にも社会人生活にも慣れてきた頃でしょう。
そのためか、緊張した面持ちは感じられません。現代っ子らしく、成人式を人生の一イベントとして楽しんでいる様子も垣間見えます。
新成人の中で、紅一点ならぬ白一点の男子である矢澤優志(やざわゆうと)さん。
彼は整備士という仕事柄、バスガイドさんたちとは違ってお客様と接する機会はありません。
また、矢澤さんの職場は、はとバス本社ではなく港区にある都営バス港南支所。バスガイドさんたちと顔を合わせることもほとんどありません。
まるで女子高に紛れ込んでしまったかのような矢澤さんですが、特に気後れすることはなく、同僚女子から「一緒に写真撮ろう」と誘われて記念撮影を楽しむ様子も見受けられました。
その後、一同はバスに乗車しました。首都高を走り、参拝先の明治神宮へと向かいます。
移動中の車内から東京タワーが見えると、バスガイドらしく全員で東京タワーの案内を暗唱して盛り上がっていました。
そして、約30分で明治神宮に到着。拝殿に向かって砂利道の参道を歩きます。
スケジュールが詰まっているのでバスガイドさんたちは心なしか早足に。成人式で和服・草履と着飾っているので、いつものようにダッシュすることもままならないようです。
明治神宮の緑豊かな杜を抜け、ようやく拝殿前に到着。いったん気持ちを落ち着かせるために手水で手を清め、そして昇殿。御祈祷を受けます。
約10分の祈祷を受けた後、参道でみんな揃っての記念撮影タイム。
ほかの参拝者は、新年の参拝で明治神宮に足を運んでいる人がほとんど。そのため、はとバスの一足早い成人式はとても目立ちます。
なかには、美しい着物姿のガイドさんたちの写真を撮る人もいました。
記念撮影が終わると、次は絵馬奉納です。新成人のみなさんは、思い思いに自分たちの願いを書いていました。
同僚と一緒だとどうしても自分の目標を書くのが照れくさくなってしまうようですが、生き生きと未来に向けての願い事を書いたことでしょう。
品田千奈津(しなだちなつ)さんは、「2020年に東京五輪が開催されるので、東京は世界的に注目されています。観光客も増えているので、バスガイドとして案内をしっかりとできるようになりたい」と抱負を語ります。
また、高原奈留(たかはらなる)さんも「最近は外国からの観光客が増えているので、外国語の勉強をしたい。まずは、英語から」と決意を語ってくれました。
参拝が終わり、式典とパーティーが催される日の出桟橋に移動。ここでも同僚同士での記念撮影を楽しみます。
その後の式典とパーティーは関係者のみの参加で、報道陣には非公開です。
そのため、取材はここまで。
最後にインタビューに答えてくれた鈴木望さんは、「はとバスは誰もが知っているバス会社なので、プレッシャーも大きいです。でも、その分やりがいもあるので頑張ります!」と笑顔で話してくれました。
バスガイド&整備士23名のみなさん、成人おめでとうございます! バス業界の明日を担う、素敵な大人になってください。