高速バス分野の現状と今後予想されること
発表された高速バス分野の内容は以下の通り。
1)緊急事態フェーズ
感染拡大防止を優先。社会・経済活動を大幅に制約。外出、イベント、飲食店の営業など大幅に自粛。
高速バス分野の動向
・適切な供給量調整(夜行路線はおおむね運休。昼行路線は減便または運休)
・安全な運行(乗客、従業員の感染防止)。安心の提供(感染防止策の可視化)
・雇用維持(集中的な教育研修。雇用調整助成金活用。路線バス事業とのワークシェア。副業容認や貨物などへの出向)
・復興フェーズの需要喚起策を要請(高速バス運賃補助を「Go Toキャンペーン」の対象に)
2)制御フェーズ
一定の制約下で経済活動を再開。大型イベントや一部業種での自粛は続くが、大型店舗やテーマパーク再開。通勤通学、出張、帰省需要は一定の範囲で回復。旅行需要は海外や遠方を敬遠し近場から回復。
感染の再拡大により再び「緊急事態」に戻るリスクも考慮
高速バス分野の動向
・運行再開(短・中距離の昼行路線から。長距離夜行路線のうち不採算のものはそのまま廃止も選択肢)
・ 安全な運行(乗客、従業員の感染防止)。安心の提供(感染防止策の可視化)
→座席間カーテン、車内常備用マスク、相席防止、完全予約制(感染者追跡のため)なども選択肢
・需要は不安定。本来の「地方の人の都市への足」需要(コンサートなど都市型消費や出張)は一時的に減退? 大都市発の旅行需要は反動増?
→刻々と変化する需要に柔軟な対応を
・ 高速ツアーバスからの「移行事業者」の一部は事業再開困難?
→M&Aによる路線網拡大も選択肢
3)新常態フェーズ
治療薬など安定供給により当面の危機を回避。
社会・経済活動や消費者心理は平常に戻るも、テレワークや時差通勤、濃厚接触回避など生活習慣の変化が定着。収束を完了した国家・地域間では国際的な人の移動も回復
高速バス分野の動向
・市場の変化に敏感に対応できる「柔軟さ」と、急激な環境変化に耐えうる「体力」作りを
→精緻な需要予測とそれに応じた柔軟な続行便設定や運賃変動(レベニュー・マネジメント)。常連客囲い込み(CRM)
→路線バスや貸切バスと相互補完できる事業ポートフォリオ
・長期的にはインバウンド需要は回復し、さらにFIT化進む(「コロナ前」の2019年訪日外国人数は、タイにまだ18%も負けている。伸びる余地は大きい)
→ウェブ上や現場接客における多言語対応。観光需要(内外の個人自由旅行)に対応した商品づくり
路線バスや貸切バスの分野については、以下で確認できる。
「新型コロナウイルス感染症」危機以降のバス事業ロードマップ
(バスとりっぷ編集部)
情報提供元: バスとりっぷ