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毎日20本以上が運行している関東発岩手県行きの長距離バス。
その中でも、比較的早い早朝5時台に到着するのが、京浜急行バスと岩手県北バスが共同運行している「ビーム1(ワン)号」です。
コンセントとフリーWi-Fiが使える快適3列独立シートが、ビーム1号の魅力。
今回は浜松町バスターミナルからこの高速バスに乗り、県庁所在地の盛岡市まで移動しました!
※電源とフリーWi-Fiは岩手県北バスの車両のみ。京浜急行バスの車両は装備していません。
「ビーム1号」は京浜急行バスと岩手県北バスが共同運行している夜行高速バス。
横浜駅、品川バスターミナル、浜松町バスターミナルの3か所で乗客を乗せて高速道に入り、岩手県のJR盛岡駅、JR宮古駅に停車しながら終点の「道の駅やまだ」まで片道700km以上の道のりを走ります。
タイムスケジュールは下記の通り。
この日は浜松町バスターミナルで乗車して盛岡駅まで行く約7時間半の旅です。
浜松町バスターミナルは、JR浜松町駅、東京モノレール浜松町駅、都営地下鉄大門駅と直結した世界貿易センタービルの別館1階にあります。普段はバスタ新宿や東京駅鍛冶橋駐車場からの旅が多いので、ここに来るのは久しぶり。
オフィス街に近いこともあって、へべれけになったサラリーマンの一団とすれ違いながら夜のバスターミナルに向かいます。
22時前のバスターミナルは、バス会社の窓口の営業も終わった後で静まり返った感じ。飲料の自販機はありますが、コンビニなどの売店はないので事前の準備をしっかりと済ませてから向かいましょう。
ターミナルには1番から10番までの乗り場があり、「ビーム1号」が停車するのは8番乗り場。バスが到着するまで近くのベンチに座って待ちます。
やがて22時前にバスが到着すると、スタッフのアナウンスとともに乗り場の扉が開き、乗車が始まります。乗降口で座席番号を伝えられバスの中へ。すでに車内は横浜や品川から乗ってきたお客さんでほぼ満車の状態でした。
ビームサーベル、レーザービーム、セクシービーム……。
一定の年頃の男子たちならきっと心震わせるであろう「ビーム1(ワン)」というカッコいい名前は、そもそも岩手の宮古市が「本州で一番早く朝日(ビーム)が見られる場所」ということに由来しているそう。
車体は三菱ふそう製のエアロクイーンで、側面には「BEAM1」と大きく書かれています。
定員29人の車内は全席独立型の3列シート。リクライニングとフットレストでライフラットの状態にできるので、しっかり睡眠が取れそう。
階段の下にはトイレもあるので安心。また、各座席に電源用コンセントがあり、フリーWi-Fiも搭載。盛岡で到着後すぐ電源を取れる場所はないので、スマホの充電はここでしっかりしておきましょう。
バスはいつの間にか東北道に乗り、23時過ぎに栃木県の佐野サービスエリアに停車。ここで最初の休憩をとります。10分程度と短い休憩時間ですが、何か食べ物を買うならここが最後のポイントです。
車内は少し暗いので、外に出る場合は他のお客さんの迷惑にならないよう気をつけて。
佐野サービスエリアでは売店が営業中。ご当地名物の佐野ラーメンをはじめ、栃木県のお土産が勢ぞろいしています。
また、近くの壬生町は模型製造の工場が集まる「おもちゃのまち」として知られていることから、このSAの一角にも模型販売のコーナーが。
バスとりっぷでもおなじみの「ザ・バスコレクション」をはじめ、様々な乗り物の模型がディスプレイされていました。
カッコいい〜と見とれていると、腕時計の針は早くも出発の時間に……。
再びバスに乗り込むと、ざざっとカーテンを閉めて心置きなくアホ面の寝顔で就寝。
そして東北道を北上するバスは、4時半前に2度目の休憩場所である岩手県の紫波サービスエリアに到着します。
北陸を中心に北日本を猛烈な寒波が襲った2月中旬のこの日。カーテンで外が見えなかった車内から外に出ると、一気に視界は真っ白な銀世界に。
コートを座席に忘れてきたこともあり、一気に眠気を覚ますような寒さに襲われます。
雪に埋もれそうな朝5時前の紫波サービスエリアは、売店もすべてシャッターが閉まっていて静か。早めにトイレを済ませて、缶コーヒーで一時の暖をとります。
そして再びバスに乗り込もうとすると、運転手さんから「あと30分ちょっとで盛岡に着きますからね」と一言。きっと盛岡はこれ以上の雪なんだろうなぁ〜とちょっと不安に。
そこからは寝ることなく、予定より30分ほど早く盛岡駅西口バスターミナルに到着。荷物を受け取って、襲い来る寒波に震えながら去っていくビーム1号の背中を見送ります。
私の旅はここが終点ですが、ビーム1号はここからまだ3時間以上の道のり。朝日が顔を出す方向を目指して旅は続きます。
あのバスが往く山田町には何があるのだろうと思いスマホで検索すると、リアス式海岸の綺麗な景色が出てきました。
次は終点まで行ってみるのもいいかもしれないな……そう思いながら停留所を後にしたのでした。