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ドリームルリエは、2018年4月に新車両が運行を開始したことに伴い、2017年型ルリエをリニューアルしました。リニューアルが完了した2017年型は、2018年7月に再デビューしています。
そこで、西日本JRバスでドリームルリエの改修車両について話を伺いました。2017年型から新しく改修されたルリエの違いを徹底チェック!
現在運行中のドリームルリエについてちょっとおさらいしてみましょう。
ドリームルリエは2017年春に、「ドリーム号」史上最もグレードの高い夜行高速バスとしてデビュー。西日本JRバスとJRバス関東との共同運行便です。
1台の車両に「プレシャスクラス」と「アドバンスクラス」の2つのクラスが設けられ、ドリーム号では初めての個室型シートをプレシャスクラスに導入しています。
その2017年型(初期型)の車両をグレードアップさせた新車両が、2018年4月27日から東京〜大阪間で登場しました。そして2018年7月には初期型が改修され、1日2便へと増便になったのです。
これまでにドリームルリエでは、3種類の車両を運行しています。
現在はBとCの2つの車両が存在します。
Bのドリームルリエ新車両の詳細は、下記の記事を参考にしてください。
ドリームルリエの運行開始からわずか1年で登場したルリエ新車両は、車内に設置されているタブレット(iPadmini4)のアンケートページに寄せられたユーザーからの要望にいち早く対応した車両です。
それに伴い、ルリエ初期型を約1ヶ月かけて新車両に準じる仕様に改修した車両が、2018年7月から再デビューしたのです。
以下、本記事ではBをルリエ新車両、Cをルリエ改と呼称します。
■荷物棚を設置
ルリエ初期型では、大きな荷物をトランクルームへ、貴重品を収納ボックス兼用のフットレストに納めていましたが、デイパックなどのトランクルームへ預けるほどではない荷物を納めるスペースはありませんでした。
そこで、ルリエ改ではプレシャスクラスとアドバンスクラスの両方に新しく荷物棚が設置されました。
プレシャスクラスに設置された荷物棚は、従来の夜行バスとは形体が異なります。ネットで荷物を覆いフックで固定する仕様になっているので走行中でも荷物がズレ落ちる事がなく、安心して載せることができます。
私が取材で使用しているカメラ用のリュックも余裕で収納できるキャパシティがあります。荷物が少ない旅行者なら、トランクルームに預ける事なくすべての荷物を車内へ持ち込めそうです。
アドバンスクラスにも、プレシャスクラスと同様のネットで荷物を覆うタイプの荷物棚が採用されています。
従来型の夜行高速バスでは窓側席の上にしかなかった荷物棚が、中央座席の上にも設置され、座席毎に自分の荷物スペースが確保されています。
プレシャスクラスではA席B席ともに同じ収納スペースですが、アドバンスクラスでは座席によって荷物棚の形体が異なります。通気ダクトが走っているA席では車両の構造上、同じ形状にはできなかったようですが、どの荷物棚でも小型のカバンやカメラバックなどは問題なく収納できました。
■プライベートカーテンを新設
ルリエ初期型では、アドバンスクラスのA席B席の間に座席を仕切るパーティーションがあります。これは、ドリーム号シリーズで初めて導入されたものです。
座席に座っている状態では、隣の人がほぼ見えない仕様でしたが、新たに設けられたプライベートカーテンによって、さらに個室感が得られるようになりました。
■下車ボタンなど座席まわりの配置にひと工夫
ルリエ初期型では、アドバンスクラスのパーテーションに読書灯やタブレットが設けられ、座席の膝元に降車ボタンやドリンクホルダーが配置されていました。
しかし、このような配置では、うっかり膝元の降車ボタンを押してしまうといったトラブルが起こりかねません。ルリエ改では操作系がパーテーションにまとめられ、膝元がスッキリしました。
■パーテーションはもはや別物!?
操作系の配置をまとめたこと以外にも、ルリエ改のパーテーションには大きな進化がありました。
初期型のパーテーションは木製だったため、長距離を走る夜行高速バスのハードな環境では車両の振動から軋み音が生じていました。これを改善するためルリエ改では、パーテーションの材質を金属製に交換し、支柱との接合部分も見直されました。
厚みも4cmから2cmへ。薄くなったことで座席の空間が広くなりました。
東京~大阪間を1日2便で定期運行するようになったドリームルリエ。ルリエ新車両とルリエ改の大きな違いは座席数です。
プレシャスクラス | アドバンスクラス | 合計 | |
---|---|---|---|
ルリエ新車両 | 6席 | 10席 | 16席 |
ルリエ改 | 4席 | 14席 | 18席 |
プレシャスクラスではあまり差がありませんが、アドバンスクラスではシートピッチが異なり、新車両の方が若干広くなります。この座席数を除けば、ほぼ同じクオリティに改修されているので、どちらの車両に乗車してもドリーム号史上最高の乗車体験を味わえます。
また運行ダイヤでは、ルリエ新車両とルリエ改で発車時間や経由するバスターミナルが異なります。
夜遅くに出発したい人には23時台に発車するルリエ改(東京発1号/大阪発は2号)、早く目的に到着したい人や京都駅を利用したい人にはルリエ新車両(東京発101号/大阪発102号)が便利です。
便名 | 東京駅日本橋口 | バスタ新宿 | 京都駅烏丸口 | 大阪駅JR高速バスターミナル |
---|---|---|---|---|
ドリームルリエ 101号 | 21:30 | 22:10 | 5:29 | 6:41 |
ドリームルリエ 1号 | 23:10 | 23:50 | → | 7:50 |
便名 | 大阪駅JR高速バスターミナル | 京都駅烏丸口 | バスタ新宿 | 東京駅日本橋口 |
---|---|---|---|---|
ドリームルリエ 102号 | 21:40 | 22:50 | 6:12 | 6:37 |
ドリームルリエ 2号 | 23:00 | → | 6:59 | 7:24 |
設備がぐっとよくなったドリームルリエ号ですが、外観からルリエ新車両とルリエ改を見分ける方法があります。ナンバープレート? それもありですが、一々覚えるのも面倒なので瞬時で見分ける方法をこっそり紹介。
参考までにルリエ新車両は、東京オリンピック協賛ナンバープレートで「20-20」です。
■フロントにプリントされている星マークの数
フロントにプリントされている星の数が違うため、そこを注意してみればどちらの車両かすぐにわかります。
ルリエ新車両の星は6つ、ルリエ改の星は5つプリントされています。
■行き先を表示する電光板
ルリエ新車両に設けられた行き先を表示するLED電光板はカラー対応のもの。この電光板を採用するのは、JRバスで初めての試みなのだとか。今後、他の車両への導入も予定されているようですよ!
一方、ルリエ改の電光板は単色のものです。もし、深夜のサービスエリアでドリームルリエ号を見かけたらぜひチェックしてみてください。
これであなたもルリエ通ですね!
(出雲義和)