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以下では、旧車両をメインに紹介しています。一部、設備などの設置場所が写真と異なる可能性があります。
ざっくり、こんな内容
目次
西鉄バスが運行する福岡・北九州~東京(新宿)線「はかた号」は、運行距離約1,100kmを誇る日本最長クラスの夜行高速バスです。1990(平成2)年10月12日に運行を開始し、まもなく30周年を迎える老舗路線でもあります。
古くからバスファンの間では有名な路線でしたが、「はかた号」の名が知られるようになったのは、あの北海道のローカルバラエティ番組「水曜どうでしょう」(北海道テレビ)で登場したのがきっかけではないでしょうか。
同番組が全国各地で放送されると、「はかた号」は「キング・オブ・深夜バス」として一躍有名に。今や「はかた号」は、番組ファンの間で伝説の夜行バスとして語り継がれており、実際に乗車するファンも少なくないといいます。
現在の「はかた号」は、「ビジネスシート」と「プレミアムシート」の2クラス制。外観は、パールホワイトの車体にゴールドのアクセントが入った、シンプルながらも気品の高さが感じられるカラーリングが特徴です。
側面の「Line connecting Hakata with Tokyo」のロゴが、「はかた号」専用車であることの証です。
なお、繁忙期には、「どんたく号」(福岡・北九州~名古屋)や「ペガサス号」(福岡・北九州~倉敷・岡山)で使用される3列独立シート車が、「ビジネスシート」の続行便(2号車以降)として運行される場合があります。
この場合、続行便の東京側発着場所はバスタ新宿ではなく、新宿駅西口26番のりばになりますので、続行便利用の際は注意しましょう。
「はかた号」で一番座席数が多いのが、3列独立シートのビジネスシートです。
ビジネスシートは、車内中央部から後方部にかけて18席設置されています。
このうち、最後部3席は、女性専用席として割り当てられています。後ろを気にせずにシートを倒すことができるため、人気が高い席の1つです。
※西鉄運行便の「女性専用席」は 2020年8月1日で終了します
シートは本革タイプを採用し、シート幅は46cm、最大リクライニング角度は143度、シートピッチは95cmを誇ります。全席3点式シートベルトを採用するなど、安全・安心を売りにしているのが特長です。
シートをフルリクライニングすると、このようになります。
前席下には大型フットレスト(足置き台)が設置されています。足先が空洞になっているため、ゆったりと足を伸ばすことができます。
周りを気にせずに休めると好評のフェイスカーテンは、全席に設置されています。フェイスカーテンは消灯前に乗務員がセットします。
座席前後のカーテンの端をフックにかけると、簡易個室に早変わりです。
プレミアムシートは、2列配列の個室タイプ。車内最前部に4席設けられています。通路と座席の間がパーテーションで仕切られており、プライベート空間を楽しめるのが特長。上質なリラクゼーションと快適な眠りを作り出す充実した機能が満載の人気シートです。
シートは、電動式の本革リクライニングシートを採用。シート幅約50cm、最大リクライニング角度150度、シートピッチ135cmを誇り、ゆったりとした座り心地が特長です。
新車両のシート幅は約56cmになりプラス6cm、背もたれはプラス19cmになり、座り心地が向上しています。
プレミアムシートをフルリクライニングすると、このようになります。
通路側壁面に取り付けられているシートリモコンです。シート操作は、全てこちらのリモコンで行います。リクライニング・オットマンの角度調整はもとより、シートヒーター・マッサージ機能・座面送風機能が搭載されており、好みの角度、状態でゆったりとくつろぐことができます。
同じく、通路側壁面に取り付けられている照明スイッチです。シート操作と照明のON/OFF・光量調整はこちらで行います。個室内の照明の明るさは、無段階で調整することができます。
窓側下部には、小型のごみ箱と専用の空気清浄機が設置されています。
新車両の空気清浄機は、座席後方の照明横にあります。
また、新車両では新たにワイヤレス携帯充電器が設置されました。
プレミアムシートと通路の間は、カーテンで仕切られるようになっています。
このほか、プレミアムシート利用者には、ビオレさらさらシートが提供されます。翌朝さっぱりしたいときに重宝します。
パーテーションとカーテンで区切られたプライベート空間と充実した車内設備は、まさしく「動くネットカフェ」という表現がぴったり。福岡~新宿間約14時間半の移動も快適に過ごすことができます。
コンセント・USBポートは、シートによって設置場所が異なります。
<コンセント>※新車両はUSBポートのみ
ビジネスシート:ひじ掛け下(1口)
プレミアムシート:左右ひじ掛け先端(各1口)
<USBポート>
ビジネスシート:前席シート背面上部またはひじ掛け下(1口)
プレミアムシート:窓側ひじ掛け先端(1口)
新車両では設置場所が変わりました。
ビジネスシート:ひじ掛け下(1口)
プレミアムシート:通路側ひじ掛け下(2口)
読書灯も、シートによって設置場所が異なります。
ビジネスシート:エアコン吹き出し口付近と前席シート背面(各1カ所)
プレミアムシート:エアコン吹き出し口付近と座席(各1カ所)
※新車両のプレミアムシートでは廃止
ひじ掛けには小型テーブルが収納されています。ひじ掛けのふたを開き、引き出して使用します。
各座席には、SOSボタンが設置されています。車内で犯罪に巻き込まれたり、体調が悪化したりなど緊急事態にのみに使用します。ボタン押下時は、どの席でボタンが押されたかが運転席でわかるようになっています。
車内中央部の階段を下りた突きあたりに設置されています。内側から鍵をかけると、換気扇とトイレ使用中ランプが連動する仕組みになっています。
通路天井にプラズマクラスターイオン発生機を設置しているため、きれいな空気を車内に提供します。
※プラズマクラスターマーク及びプラズマクラスター、Plasmaclusterはシャープ株式会社の商標です
車内ではWi-Fiサービスも提供されています。設定方法は、シートポケットに入っているリーフレットに記載されています。
各座席は毛布(ブランケット)と使い捨てスリッパが備えられています。また、発車後には、交代乗務員からホットアイマスクが提供されます。
なお、使い捨てスリッパとホットアイマスクは持ち帰ることができますが、毛布は車内装備品のため持ち帰ることができませんのでご注意を。
朝の休憩停車時には、パック式のお茶が交代乗務員から提供されます。
シート別の車内設備を一覧にしました。ご利用の際の参考にぜひどうぞ。(2020年7月現在)
共通の設備:トイレ、レッグレスト、フットレスト、USBポート、Wi-Fi、ドリンクサービス、毛布、使い捨てスリッパ、ホットアイマスク
ビジネスシート(3列独立) | プレミアムシート(2列個室タイプ) | |
---|---|---|
リクライニングシート | 〇 | 〇(電動式) |
フェイスカーテン | 〇 | × |
パーテーション | × | 〇 |
シートリモコン | × | 〇 |
照明スイッチ | × | 〇 | 読書灯 | ◯ | × |
小型ごみ箱・空気清浄機 | × | ○ |
ビオレさらさらシート | × | ○ |
西鉄バス「はかた号」の運行距離(約1,100km)と所要時間(約14時間)は、文句なしの日本トップクラス。にもかかわらず、長時間移動を感じさせない工夫が随所に見られ、実際に乗車してみると想像以上に快適であることがわかるはずです。
そして、「はかた号」のもう1つの売りは、ずばり「安心感」ではないでしょうか。高速バスの運行で長年の実績がある会社が運行し、なおかつ、担当する乗務員も超ベテランの精鋭ぞろいですので、安心・信頼して利用できます。
西鉄バスが数十年積み重ねて築き上げたサービスと安心・信頼の集大成である「はかた号」は、「キング」の名にふさわしい、日本でもトップクラスの夜行高速バスといえるのではないでしょうか。
はかた号
福岡まで、はかた号(西日本鉄道)の個室型プレミアムシートで豪華快適な長距離バス旅
日本一長い距離を走る豪華高速バス! 西鉄バスの「はかた号」ビジネスシートで東京から博多へ
みんなの憧れ! 東京~博多豪華夜行バス「はかた号」に乗車! ビジネスシート最後尾の女性専用席はシートが倒しやすーーい
(須田浩司)