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2018年のまとめ、と言われるとにわかに感じる年末感。今年もたくさん乗ったなあ…と思い起こすのはバスだけにあらず。実は私、バスに限らず電車も飛行機も船も好き。青春18きっぷは毎期欠かさず購入している、乗り物好きなのです。
昼便・夜便、仕事・プライベートも含めて、今年の高速バスの乗車回数は約20回ほど。私の記憶力がおトーフ並なため、もう詳細を思い出しきれないバスもありますが、おトーフにもしっかり印象付けてくれたバスもあり。
今回はその中でも特に印象に残った3つ、「2018年に乗った高速バス・ベスト3」をお届けします!
ドロロロロロロ…(ドラムロール)。
発表します。
3位は、平成エンタープライズが運行する「VIPライナー5便(グランシア)」!
「お前あれだけ3列シートバスに感動する乗車記書いてたくせに、3位が4列シートかよ!」なんて心の中で自分ツッコミ。いえもちろん他の3列シートが駄目なわけじゃないのです。
感動したバスは他にもいろいろあったのです。ただこの「VIPライナー5便(グランシア)」が快適すぎまして! この「電動バックシェル型シート」が!
リクライニングを倒しても後部座席に倒れていかないバックシェル型シート。つまり前座席も倒れてこないということ。そうするとどうなるかと言うと、体感スペースがすごく広くなるんです!
後ろの人への声掛けなしで気楽に倒せる! 前の人が先にリクライニングを倒した時でも、前の人の頭のてっぺんを見ちゃわなくていい!(なんかスミマセン…って気分になりませんか? 私だけ?)
前座席の背もたれの後ろにドリンクを置けたらラクだけど、リクライニングが倒れたらこぼれるよね…との事情から、足元や手元に設置されがちなカップホルダーも、ちゃんとこの位置。ちょっと一口飲みたいなと思う度に足元に身を屈めなくていい、手元でうっかりこぼさないよう注意しなくてもいい!
しかもモニターつきで、映画見放題。個人的な事情ですが、ちょうど観たかった『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』がやっていたのがまた嬉しい。
しかし、無念にも映画はまさかの鑑賞ならず。何故か。寝たからですな。バックシェル型シートの心地よさのお陰で気持ちよく熟睡してしまったのでした。しかも4列シートでも個別にカーテンで区切れるため、隣の席が気になることがなかったのも大きな要因。
ほんの末席とは言え旅行ライターに名を連ねる身が、車内機能を遊び尽くす前にSA休憩も全素通りで寝てしまうとは…。バス取材で初めての体験でした。
いやある意味「VIPライナー5便(グランシア)」のくつろがせの威力を体感したと言うべきか。4列シートでここまで寝かせるか…と感服させられた、こちらのバスが2018年第3位です。
第2位はこちら。行先は杜の都・仙台、夜間12時間乗車の「フォレスト号」!
近鉄バスが運行する、この高速バスが私の初めての12時間乗車旅でした。乗車前に「今度12時間の夜行バスに乗るよー」と人に話すと、もれなく「大変だね」「辛そう」「身体大丈夫なの?」「何それ苦行?」などのお言葉が返ってきたものですが。でもこれ実は、私が自分で12時間乗りっぱなしになれるバスを探したのです。
「せっかく乗るなら長く乗りたい! 5、6時間で到着して寝入りばなを起こされるのヤダ! 目覚ましをかけずに好きなだけ寝て寝たおして、それでも起きたらまだ走ってるバスがいい!」(←乗り物オタクの主張)
そんな乗り物オタクに頭を冷やせと言うかのよう、取材当日は電車が止まるほどの豪雨。もちろんちっともめげず、個人的に雨のバスの必須アイテムである「あったか靴下」を持参して乗り込みましたよ。
あったか靴下と、雨の日は足ふきタオル。車内が3割増し快適になるおすすめアイテムです。靴下がぶ厚いと靴が履けませんが、車内ではスリッパなので問題なし。それに消灯するんだから、よそ様の視線も気にしない。
更には空席だった隣座席の分の毛布も借り、毛布2枚使いでゆったりくつろいだのでした。なお毛布2枚使いの場合、1枚は丸めたり畳んだりして腰後ろに入れるのがコツですよ。身体とシートの隙間が埋まると身体がめっちゃラクですからね。
空席の分の毛布を借りるなんてと遠慮してしまう人も多いですが、遠慮するくらいなら乗務員さんに一言聞いてみてください。私がこれまで聞いてみたところ、後からその座席に乗る予定の人がいるのでない限り、回答は100%「どうぞどうぞ、ぜひご自由に」でしたよ。
そして到着後の仙台グルメも美味しかった!
またあのタマゴかけご飯食べたいなー、仙台クッキーも良かったなー、でも次行ったら牛タンもいいなー、と夢が膨らむ仙台旅。次回もまた使いたい、フォレスト号が2018年のバス第2位です。
2018年、ライター陽月よつかの乗車した高速バス・ベスト3、栄えある第1位は!
(私ごときのセレクトで栄えがあるかはおいといて)
ぷっくりしもぶくれのお顔が可愛い「北陸道グラン昼特急大阪号・特別便」!
君はほっぺがぽってり余っちゃった3歳児か、それともオデコの広いこぶとりじいさんか。周囲に同意を得られることはないながら、私にはだいぶ可愛く見えて仕方ない車体・グラン昼特急。中でも大阪から北陸をトコトコ走り和倉温泉まで連れてってくれる、西日本JRバスの「北陸道グラン昼特急大阪号・特別便」が1位です!
普段は大阪・京都と金沢を結ぶ「北陸道グラン昼特急大阪号」ですが、私が乗車したのは土日祝と繁忙期だけの特別便。大阪から金沢を経由し、和倉温泉まで一本で行けるのです。
しかも需要が多いのは、ほぼ大阪・京都~金沢区間のため、取材日に金沢~和倉温泉区間も乗車した客は私しかおらず、広い車内を独り占め状態!
金沢~和倉温泉間を利用する乗客のみの特典「千里浜なぎさドライブウェイ」観光と「氣多大社(けたたいしゃ)」の厄除けお祓いもずーっと貸切! 一人ゆうゆうVIP旅!
しかも、車内座席がハイグレード。ふかふかで座りやすく、夜行便でぐっすり眠らせてくれる3列クレイドルシートを、昼間使いしちゃってるわけですからね。
そこまで楽しんだ挙句にですね、到着するのが温泉なわけですよ。開湯1200年を誇る“海の温泉”、傷ついた白鷺が身体を癒やしたのが始まりという、名湯・和倉温泉に。しかも到着時刻は、夕食までまだまだ遊べる16時過ぎ!
バス旅自体が1つのレジャー。到着してからも癒やし旅。しかも添乗員さんのいるバスツアーとは違い、観光を楽しもうがひたすら車内でくつろいでいようが、次の日ゆっくりしようがさっさと帰ろうが、ぜーんぶ自分次第。その自由さがとても気持ちいいのです。
ただでさえ私は昼間の高速バスがお気に入り。夜と違ってSAでお土産売り場やご当地グルメを楽しめるし、明るいので窓の外の景色も楽しめるのが好きなのです。その上この便はシートも上質、特別観光までついた上に到着地が温泉! 一度の乗車ですっかりファンになった「北陸道グラン昼特急大阪号・特別便」が、私の2018年ベストバスに決定です。
2018年は台風や地震などが多々発生した年でしたね。旅行予定を泣く泣くキャンセルした方や、旅行先を行きたかったのと違う土地へ変更した方も多かったのではないでしょうか?
2019年はどうぞ、皆さまが好きな場所へ好きなように遊びに行ける年でありますように。当記事が少しでも、楽しい旅行のお役に立てれば嬉しく思います。
年末にお読みくださる方もそうでない方も、良いお年をお過ごしくださいね。
(陽月よつか)