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東京都交通局は2018年度の新車としてスウェーデンのスカニア製ノンステップバス29台を導入した。スカニアはエンジンやシャーシーを担当し、ボデーは連節バスで日本向けの実績をもつオーストラリアのボルグレンが製作した(日本ではボデーのメーカーに関わらず、法的にはエンジンメーカーが車種名となるので、以下スカニア製と記載する)。
このスカニア製バスの何が特徴かというと、国産ノンステップバスとは異なり、中扉から車内後ろの段差がなく、車内後方までフルフラットな通路を備えていること。これにより、中扉から後方への移動が容易になり、ラッシュ時でも収容力が増えるとともに、段差による車内事故の可能性も低減するというわけだ。同局では「日本初のフルフラットバス」を謳う。
ただし、中扉から後ろに段差のないノンステップバスは、国産でも1997年から2004年頃まで作られていた。しかしこの種のノンステップバスは駆動系のコストが高く、また当時は少数派だったAT車しかなかったこともあり、車内段差があるもののコストが比較的低い現在のタイプに集約された経緯がある(ヨーロッパでは、段差のあるタイプは乗降口だけ低いことから『ローエントリー』と区別している)。だから「日本初」というのはやや誇大広告ではあるが、今回のスカニアは同じフルフラットバスでも通路の傾斜角度がかつての国産車よりも小さく、移動性・居住性に優れている。
都営バスのスカニアは巣鴨営業所や小滝橋営業所などに配置され稼働を始めている。バスラマではこれまでも国内のバスの早期フルフラット化を期待してきたが、今回の導入に対する東京都交通局の努力を評価して、同局に「第22回バスラマ賞」を贈呈した。
そのほかバスラマNo.172では、「豊鉄バス/豊鉄観光バス」への事業者訪問や第1回静鉄バスドライバーズコンテスト、バスツアーのオンリーワン クラブツーリズム“フアースト”、自動運転の試乗会なども取材・掲載している。
(バスラマインターナショナル)