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京成バスは東京駅鍛冶橋駐車場〜成田空港間で運行する「有楽町シャトル」にダブルデッカー(2階建てバス)の新車両を導入。
3月29日の運用開始に先立ってお披露目試乗会が行なわれたので、ひと足先に乗り心地を体験してきました。
2階席からの眺めやバリアフリー対応の車内設備など、この新車両の注目すべきポイントを紹介します。
この日、京成バスの東雲車庫でお披露目されたダブルデッカー(2階建てバス)は、ベルギーとスウェーデンを拠点とするスカニア/バンホール製の「アストロメガ」という車種。
この車種が乗り合いバスとして運用されるのは日本初のことで、同社ではまず、バリアフリー実証運行路線としている「有楽町シャトル(東京駅鍛冶橋駐車場〜成田空港間)」にて運用を開始します。
事前募集の抽選で選ばれた約50名の一般客も待ちわびる中、ついにお披露目されたダブルデッカーはまさに「威容」というべき大きさ。全長11.98m、高さ3.78mの車体は、周囲に停車している他のバスと比べても明らかな巨大さを誇っています。
そして徐々に我々のそばに近づいてくると、現場は驚嘆の声とシャッター音の渦に包まれます。
その後のセレモニーの冒頭には京成バスの加藤浩一常務が挨拶に立ち、「今後のバリアフリー化を見据え、どのようなタイプのバスが望ましいかを社内で2年に渡って検討してきた」と今回の新車両導入の経緯を説明。
その上で「2年かかってようやくお披露目できた」と、この日を迎えられた感慨を述べました。
「エレガンス ダブルデッカー」という愛称が付けられたこのバスの一番のポイントは、バリアフリーに対応した設備の充実。
特に、内装を特注した1階フロアには車椅子用のスペースが設けられ、可搬式スロープによって車椅子のスムーズな乗り降りが可能になっています。
ほかにも、乗降口や階段に設けられた手すり、明度差を分かりやすくした配色など、さまざまな方の利用を想定した配慮がなされています。
1階フロアには車椅子用スペースやトイレに加えて、空港利用客にはうれしい広めの荷物置き場を確保。
2階フロアは乗車スペースになっており、計51席の4列シートが設けられています。
セレモニーに続いて車内見学と試乗会を実施。
試乗会では、東雲車庫を出てレインボーブリッジを渡り、築地市場の近くや勝どき橋を通過して東雲車庫に戻ってくるという約30分のルートを走ります。
乗降口すぐ右手にある階段から2階フロアに上がると、鮮やかな青いシートが目に飛び込んできます。
室内の高さは1.61mなので身長175cmの私が歩くにはちょっと窮屈さがありますが、席に着いてしまえば広々とした心地よさが感じられます。
前から2列目の席に着くと、周りのバスを俯瞰できる眺めで高さを実感。
間もなくして東雲車庫を出発すると、運転席のほぼ真上の席ということもあって、普段のバスにはないようなドライバー目線が味わえます。
出発からほどなくして、今日のルートのハイライトであるレインボーブリッジを通過。東京湾上にかかる橋上からの景色はさらに壮観で、空中散歩とまではいかなくともそれに通じるような感動があります。
きっと成田空港までの道のりでも、首都高の高架からこうした感覚を楽しめることでしょう。
肝心の座り心地はといえば、シートそのものはシンプルな造りながら、シートピッチは特筆すべき広さ。腰や膝などに余計な力が入ることなく、ゆったりと脚を伸ばせます。
なお、国産のバスに乗り慣れているとやや見つけづらいのですが、充電用のUSBポートは両座席の間の下部に付いています。従来の「有楽町シャトル」と同じように、もちろん車内Wi-Fiも使えます。
「車間距離保持機能付クルーズコントロール」や「衝突被害軽減ブレーキ」、「車線逸脱警報」など、安全に対するハイテク機能も多数搭載した最新のダブルデッカー。運転士さんに聞いたところによると、輸入車ならではの力強さも魅力なんだそう。
京成バスのダブルデッカーは、3月29日から東京駅鍛冶橋駐車場〜成田空港第2ターミナル間の「有楽町シャトル」で運行。
既存のバスとの入れ替え運行なので、必ずダブルデッカーのバスに乗れるというわけではないですが、成田空港に行く際には利用を検討してみてはいかがでしょう。