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10月にSNSで話題になった「自動運転、手離し65秒で手動に 国交省が初の基準」のニュースをご存知ですか?
タイトルだけ見ると「そんなの全然自動運転じゃない!」「国土交通省は自動運転開発させる気がないのか」と思ってしまいますね。
Twitterでも「自動運転とはなんだったのか…」「機械の方が人間よりミスしないぞ!」など批判なツイートが多く見られ、炎上騒ぎになりました。
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日本で初めて導入された安全基準がこちら。
※日本経済新聞から抜粋
確かにこの基準は厳しいのでは? と思えてしまいます。完全な自動運転にすることは難しいのか…と、がっかりする人も多いはず。
しかし、詳しく調べてみると「自動運転」という言葉の解釈に違いがあることがわかりました。
安全基準が定められたのは、想像しているようなドライバー不要の完全自動運転車のことではありませんでした。
SAE(国際自動車技術会)における自動運転のレベルは、5つに分けられています。
今回話題に挙がっていたのは、レベル2について。
自動運転にはレベル別で、できることが違うのがわかりますね。
事故が起きた場合、レベル1・2はドライバーの責任が大きく、レベル3・4・5はシステムの責任が大きいのです。
今回、国際基準で決められたのはレベル2の準自動走行システムのルール。国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で策定されました。
ハンドルを握った状態での車線維持支援機能、補正操舵機能、自動駐車機能がある自動車は、手離し運転をすると65秒後に手動運転に切り替わるというものです。
そう、元々ハンドルから手を離してはいけない自動車についての基準なのです!
ハンドルから手を離した場合、65秒間でこのような警告がなされます。
※警報音はドライバーがハンドルを握るか、システムオフするまで継続
つまり、ハンドルから手を離し15秒以上運転すると、運転席に警報を表示。それでも手離し運転を続けると、50秒後に警報表示と警報音が鳴ります。
さらに警報音が30秒以上鳴り続けた場合、5秒以上の緊急信号でドライバーに警告し、システムがオフ。
警報表示と警報音で65秒知らせ続けた上で、自動オフするんですね。それにしても、勝手に手動に切り替わるとは恐ろしい…。
SNSでは「手動運転に切り替わるんじゃなくて、安全に停まってくれよ!」という意見もちらほら挙がっていました。
レベル1の車でさえ自動ブレーキシステムはあるので、それより上のレベル2の車にもできるはずですが、道端でいきなり停止してしまったら、それこそ事故になりかねません。
自分で判断して安全な場所に停められるか、というとまだまだ難しいようです…。
自動運転と言われると完全自動運転だけを思い浮かべがちですが、いろいろなレベルをひっくるめて「自動運転」なのですね。
「自動運転」のことを伝えるときには、レベル分類があることも合わせて伝えていかないといけませんね。
ちなみに、完全自動走行システムが搭載された車が市場化される時期は、2025年目途が期待されています。
バスの分野でも『自動運転バス』の開発が進んでいるようです。SBドライブ株式会社では、公道ではない敷地内での完全自動運転の実証実験を既に実施済み。
専門家に聞きました! 高速バスの自動運転は実現するの?
乗車できる日が楽しみですね!