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広島県にある安芸の宮島は誰もが一度は訪れたい人気の観光スポット。
でも、船でしか行くことができないため、船はどこから乗ればいいの? 広島駅からの行き方は? といった疑問を抱いているひともきっといるはず。
今回は広島駅から宮島までのアクセスルートを詳しく案内します。
(各ルートをクリックすると、詳細のアクセスへスキップします。)
もっともオーソドックスなルートは、JR山陽本線を利用してJR宮島口駅へと移動し、そこから徒歩5〜6分の距離にある宮島口フェリー乗り場に行って、連絡船に乗るというものです。
広島の玄関口JR広島駅は1日に約14万1,000人が利用する大きなターミナルです。地元の生活路線であるJR山陽本線には、通勤や通学に利用する人をはじめ、海外からの観光客の姿も多く目にします。
広島駅から宮島までJR山陽線とJR西日本宮島フェリー(以下JR宮島フェリー)を利用して移動する場合は、広島駅で連絡きっぷを購入しましょう。
また、交通系のICカード(SuicaやPASMO、ICOCAなど)が利用できるのできっぷレスでの利用も可能です。
広島駅から宮島口駅までは約30分。改札を出ると正面向こう側にフェリー乗り場が見えます。大人の足なら徒歩で5〜6分といったところ。少し距離はありますが、目視できるので道に迷う心配はありません。
道路を歩いてJR宮島フェリーの乗り場に移動するためには、国道2号線を渡らなければなりませんが、日中は交通量が多いため、地下の連絡道を利用しましょう。週末や観光シーズンなどには列車から降りた人が一斉にフェリー乗り場へ向かうこともあるようです。
フェリー乗り場からは、JR宮島フェリーと宮島松大汽船の2社が宮島までの定期船を出しています。料金はどちらも180円。JR広島駅から連絡きっぷを購入したので、JR宮島フェリーで向かうことにします。
JR宮島フェリーでは「みやじま丸」「ななうら丸」「みせん丸」が運航しています。この日乗ったのは、みせん丸でした。宮島までの所要時間は約10分。あっという間の到着です。
定員155名の船内には座席が配置されていますが、天気の良い日はデッキから穏やかな瀬戸内海の風景を楽しめるデッキ席がオススメです。
JR宮島フェリーは、毎日9:10発〜16:10発までの便(宮島行きのみ)を大鳥居便と名付けています。この便の特徴は、厳島神社の大鳥居に可能な限り接近すること。間近に立つ大鳥居を、海の上から望むことができます。
所要時間:約70分(乗車・乗り換え時間含む)
料金:JR広島駅〜 JR宮島口駅 410円、JR宮島フェリー 180円 合計590円
※2018年6月調べ
※時間帯や混雑状態によってこれより時間が掛かる場合もあります。
次は広電(ひろでん)の愛称で親しまれる「広島電鉄」の路面電車を利用します。JR線とはひと味違う、広島市内の街並みを楽しみながら宮島へと向かうルートです。
広島電鉄には広島駅を起点に9つの路線があり、市民の足としても観光客の交通手段としても欠かせない、広島を代表する街の顔になっています。
広電宮島口駅へ行くには路線番号2番に乗車。途中乗り換え不要なので、のんびり路面電車の旅が楽しめるルートです。
途中、広電西広島駅まではいくつかの路線と並行して走ります。街の風景もさることながら、広島電鉄が有する20種類以上の車両とすれ違うため、この光景は鉄道ファンにとっては嬉しい見所でしょう。
広電西広島駅からはJR山陽線と平行して走る区間があり、時折、路面電車らしからぬスピードでJR線と競争しているような気分になります。
JA広島総合病院駅を過ぎた頃、進行方向の左手に瀬戸内海が姿を見せます。終点の広電宮島口駅まではあと少し。
あっという間の路面電車の旅でした。
今度は、宮島松大汽船に乗船して宮島へ渡ります。広電宮島口駅の改札を出ると、宮島松大汽船の宮島行きフェリー乗り場はもうすぐ目の前。こちらのルートの方が、JR宮島口駅よりフェリー乗り場が近いのでちょっと得した気分です。
宮島松大汽船も隣を航行するJR宮島フェリーと同じ約10分の船旅。外観も船内の様子もよく似ていますが、私が乗船した「安芸丸」のカウンター席には充電用のUSB端子が設置されていました。
ちょうど海外からの旅行者がスマートフォンの充電に利用している光景を見て、わずかな時間でもニーズがあるのだと、ひとり納得した次第です。
フェリーが発着する宮島桟橋では、JR宮島フェリーと宮島松大汽船の改札口が仲良く並んでいるので、帰路に乗り間違えがないように。左の改札がJR宮島フェリーで、右側が宮島松大汽船の改札口です。
所要時間:約90分(乗車乗り換え時間含む)
料金:松大汽船 180円、広電広島駅〜広電宮島口駅 280円 合計460円
※2018年6月調べ
※時間帯や混雑状態によってこれより時間が掛かる場合もあります。
広島へ訪れたなら、一度は行ってみたい場所といえば平和公園・原爆ドームです。
広島電鉄ルートはJR線に比べると30分ほど余計に時間がかかりますが、広電広島駅から広電宮島口駅を結ぶ2番路線(宮島線)は「原爆ドーム前駅」を通るので、JR広島駅を経由するよりもこちらのルートの方が便利です。
さらに広島電鉄の魅力はバリエーション豊かな車両にあり、単車と呼ばれる1両編成から低床車で人気の1000形などが広島市内を走っています。鉄道ファンならずとも、ついカメラのフレームを向けたくなります。
グリーンムーバーマックスと呼ばれる5100形は、ブルーグリーンとホワイトを基調としたさわやかなイメージの車両が10両編成で市内を走ります。
800形のこの車両は広島電鉄では運行本数が多く、単車では唯一「回生ブレーキ」を採用している車両だと地元の鉄道ファンが教えてくれました。
グリーンムーバーLEX1000形は、ホワイトの車体にシルバーブルーとリーフグリーンのラインをあしらったスタイリッシュな車両です。
広島電鉄9路線すべての路線を走ることができる設計だそうですが、残念ながら宮島線の2番路線では運行されていないとのこと。
広電広島駅から広電宮島口駅まで280円とリーズナブルな料金。そのほか、市内観光に便利な電車一日乗車券と宮島松大汽船の乗船券がセットになった「一日乗車乗船券」も販売しています。
・電車一日乗車券(広島電鉄全線):おとな 600円、こども 300円
・一日乗車乗船券(広島電鉄全線+宮島口〜宮島航路):おとな 840円、こども 420円
広島電鉄広島駅、広電宮島口駅をはじめ、広島電鉄の路面電車車両内でも購入可能です。
平和公園(原爆ドーム)から乗り換えなしで宮島まで運んでくれる便がありました。高速船「アクアネット広島」が運行する「ひろしま世界遺産航路」は、広島市内を流れる本川から広島湾に出て宮島へと向かう45分の旅。
広島駅から広島電鉄の電車に乗って原爆ドーム前駅に移動する時間(約16分)や待ち時間などをあわせると、高速船を利用すれば広島駅から宮島まで約70分で移動できることになります。
高速船の総重量は13t。旅客定員は54人で、トイレなどの設備もついています。川と海の両方が楽しめるので、よくばりな旅行者にはうってつけてのルートといえるでしょう。料金はちょっと高めのおとな片道2,000円(往復3,600円)です。
所要時間:約70分
料金:広島電鉄 180円、高速船 2,000円 合計2,180円
※2018年6月調べ
※時間帯や混雑状態によってこれより時間が掛かる場合もあります。
観光案内所や地元の方にお話しを聞くと、広島駅を起点とした場合はJR線を利用して宮島を目指すのが1番ポピュラーなルートのようです。時間を優先する場合にはJRを利用しましょう。
広島市内観光と宮島も楽しもうという欲張りな方には、乗り降り自由な一日乗車券や一日乗車乗船券を利用して、気ままに途中下車を楽しむ広島電鉄のルートがおすすめです。
すでに宮島へ行ったことがある人は、新しい発見がありそうな高速船を利用してみるのもいいでしょう。楽しい思い出になるはずです。
意外だったのは、路線バスでは宮島(宮島口)まで行く便がないこと。ローカルバスファンにはちょっと残念ですね。
この情報が少しでもあなたの旅のお役に立てれば嬉しい限りです。
(出雲義和)