WILLER EXPRESS JAPAN株式会社で2月7日、「IoTを活用した安全と健康の取り組み」に関する発表会が行なわれました。



取り組みの1つとして、乗務員の健康を考えた宿舎棟「新木場 BASE」を東京・新木場に新設。メディア向けに公開された宿舎棟やヘルシーメニューが食べられるカフェテリア、乗務員の点呼の様子を紹介します!




ざっくり、こんなメディアツアー



  • 営業所の通路が長いワケとは? 出発前の乗務員の点呼を見学

  • ホテルみたい! 乗務員宿舎は快適空間

  • 麻婆豆腐がおいしい…バランスのとれた食事がとれるカフェテリア







脳ドッグは全乗務員が受診! 「食・睡眠・脳ドッグ」で健康をサポート




WILLER EXPRESS JAPAN株式会社 代表取締役 平山幸司氏
発表会では、ウィラーの安全と健康への取り組みが大きく分けて2つ紹介されました。


1つめは「IoTを用いた安全機器の活用」。ウィラーでは、2016年から富士通株式会社が開発した運転者用眠気検知機器「FEELythm(フィーリズム)」を導入しています。

眠気の感じ方は、人によってバラバラです。フィーリズムに蓄積された眠気のデータを分析すると、一定の周期で眠気を感じる人もいれば、昼行便に比べ夜行便でより眠気が検知される人がいたりします。


そういった運転中の1人1人の体調管理を、機器を用いてサポートしているのです。





2つめは「健康経営の推進」

ウィラー乗務員336名(平均年齢43歳)を対象に実施された2017年の健康診断では、そのうち約6割が「肥満・脂質異常・糖尿病・高血圧」の高・中リスクがあるという結果になりました。



これをそのままにしておくと、動脈硬化を進行させ、重大事故の発生原因となる心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすことも。



そういった背景もあり、乗務員の睡眠や食事、出勤時のバイタルデータを取得し個人の体調を管理するなどして、最先端の健康マネジメントを実践しています。







東京銀座クリニック院長 医学博士 和久正明氏
ウィラーのアドバイザー医師である東京銀座クリニック院長 医学博士の和久正明氏によると、病気はなる前に治す「未病」が大切とのこと。

特にバスの運転士は、多くの乗客の命を預かる「緊張感」、分刻みのタイトルなスケジュールによる「ストレス」、長時間にわたる運行による「疲労感」、質の良い睡眠がとれないことで起こる「眠気」によって、事故発生率がほかの乗り物の運転士に比べると多いという結果が出ています。


乗務員が普段の生活を見直し、健康管理を徹底することで根本的に改善することが重要なのです。



ウィラーではこれまで3年に1度、40歳以上を対象に脳ドッグを行なっていましたが、2017年から東京銀座クリニックとの提携により、3年に1度、全乗務員対象に変更しました。




このような取り組みの開始によって、2017年は前年と比較し車両損傷額が74%削減できたそうです。

つまり、事故による車両の損傷が大きく減っているということ!




なぜ営業所の通路は長い? 健康・安全管理を徹底する点呼とは



メディアツアーでは、実際に乗務員の点呼の様子を見学させていただきました。



乗務員は入口から営業所の中へ。点呼場は事務所の奥の方にあります。

実は点呼場までのこの通路、運行管理者が運転士をチェックする場でもあるのです。そのため通路が長くなっているんですね。





足を引きずっていないか? 腰は痛そうじゃない? 顔色は? など運転士の健康チェックはここから始まっています。




そして運行管理者が見ている中、アルコールと免許証のチェック。アルコール検査器の隣にある機械に免許証を入れると、有効期限などをチェックしてくれるのだそう。








点呼場では服装や健康状態がチェックされ、運行便の配車・出発時刻、休憩ポイントが伝えられます。

本日の重点項目は「スタッドレスタイヤを過信しない」。ハキハキと大きな声でやり取りされる点呼の様子は、とてもかっこよかった!





乗車前の点呼では運行管理者の立ち会いのもと、下記のチェックが行なわれていました。



・アルコール、免許証の有効期限などのチェック

・服装、身だしなみの確認

・携行品の確認(免許証・名札・車内名札)

・健康状態の確認

・運行前点検の異常有無の報告

・スターフ確認(配車時刻・出発時刻)

・本日の重点項目唱和、個人目標宣誓





まるでホテルみたい! 乗務員の宿舎は快適空間



次は新設された乗務員用の宿舎棟「新木場 BASE」を見学。バス会社の宿泊棟には、初めて入りましたが、想像していた施設とはまったく違うものでした!





利用する際は、入口にあるポストから部屋の鍵を取り出します。

各ポストに番号が振られているので、担当する便と同じ番号の部屋を利用。





更衣室や喫煙室、洗濯機、シャワー室、浴室、リネン室は1階です。

シャワー室は10室、浴室は3室。洗濯機は2台ありましたが、基本1泊2日で利用する人が多いので、洗濯する人は少ないのだそう。




喫煙所


洗濯機





シャワー室と浴室


シャワー室にはシャンプーなどもあります



部屋を利用する際は、リネン室からシーツや枕カバーなどを持っていき自分でベッドメ―キングします。




リネン室



こちらがお部屋のある3階。廊下を見るとまるでホテルみたい!





部屋は3.7畳。各部屋にベッド、エアコン、テレビ、ミニ冷蔵庫、簡易デスク・イス、ハンガーフック、コンセントが2カ所、遮光カーテン、姿見などがありました。




部屋内はとってもきれい!


テレビや冷蔵庫まで!


新設されたばかりとあって、とても清潔で気持ちよかったです。



正直、バス会社の宿舎棟ってカプセルホテルみたいな感じじゃないの…? とあまり期待をしていなかったのですが、部屋内の充実ぶりにびっくり!




全80室ありますが、日々約8割程度は埋まるそうです。

うち4室は女性用部屋。メディアツアーでは女性専用エリアを見ることができませんでしたが、2階には女性しか入れないエリアがあるのだとか。シャワールーム、パウダールーム、談話室などもあるので、女性も過ごしやすそうな宿舎ですね。




試食してみた! カロリー500kcal台のヘルシーメニューが並ぶカフェテリア



乗務員の健康管理には「食事」によるサポートも欠かせません。

宿舎棟1階にはカフェテリアがあり、乗務員以外のウィラー社員もこちらを利用します。





カフェテリアの厨房


食券の券売機



テーブルやカウンターなど席数はたくさんあり、シックな木材を使用したおしゃれカフェという雰囲気。




木材のテーブルで落ち着く~



提供される食事はエネルギー:500kcal台、脂質:約22%/総カロリー、塩分:3g未満、野菜量:約230gを意識したヘルシーメニューです。

1食の料金も450円くらいとお手頃なので、日々利用しやすいですね。





本日のメニュー


週間のメニュー表


普段一般の方は利用できないのですが、メディアツアーでは特別にメニューを試食させていただきました。





麻婆豆腐は、野菜たっぷりなのでシャキシャキしておいしい! 塩分の制限があるので薄味かと思いきや、しっかり味がありました。

野菜好きにはたまらないメニューの数々。日替わりなので飽きずに食べられそうですね。






まとめ



今回のメディアツアーで安全に関する取り組み、乗務員の健康管理への徹底ぶりを知ることができました。ヘルシーご飯を日々食べられるウィラーエクスプレスジャパンの社員さんが羨ましい!



機会があれば、乗務員を目指している人や興味を持っている人向けにもぜひ開催してほしいですね。




情報提供元: バスとりっぷ
記事名:「 ウィラーの乗務員宿泊棟ってどんなとこ? 500kcal台ヘルシーメニューが食べられるカフェテリアまで!