北陸 記録的な少雨一転、6~7日頃は警報級の大雨のおそれ 前線が南下
北陸地方では、7月の月間降水量が平年の10%を下回る所があるなど、記録的な少雨が続き、水不足となっていますが、5日(火)からはこれまでの天気傾向からは一転、前線が北陸付近まで南下して、雨が降りやすくなるでしょう。農家の方にとっては恵みの雨となりそうですが、6日(水)~7日(木)は、前線の活動が活発化し、警報級の大雨となるおそれがあります。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水、道路の冠水などに十分に注意して下さい。
●6日~7日は新潟県と石川県で警報級の大雨のおそれ 前線南下型 北陸の大雨パターン
4日(月)までは北陸地方は高気圧に覆われますが、5日(火)には前線が日本海から北陸の沿岸まで南下してくるでしょう。早い所では5日(火)午後には雨が降り始めるでしょう。
6日(水)には、前線上の低気圧が日本海を進み、前線や低気圧に向かって暖かく湿った空気が入るため、前線の活動が活発となるでしょう。更に、7日(木)は前線が日本海から北陸地方を南下するでしょう。前線が日本海から北陸地方を南下する時は海上から活発な雨雲が直接入ってくるため、北陸地方で大雨となるパターンの一つとなります。新潟県と石川県では警報級の大雨となるおそれがあります。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水などに注意して下さい。
これまで記録的な少雨傾向が続いていたため、極端な気象変化となります。ハザードマップで危険な箇所の確認、側溝の掃除、非常用品の確認など、今一度、大雨への備えをしておきましょう。
●記録的少雨の北陸 恵みの雨の側面も
北陸地方は梅雨明け前から少雨傾向が続いており、梅雨明け後は晴天が続いたことにより、記録的な少雨となっています。7月4日~8月2日までの30日間の降水量は、北陸地方の広い範囲で平年の20%以下の領域が広がっています。
北陸地方の主要地点の7月の月間降水量を見ても、相川(新潟県佐渡市)では0.0mm、高田(新潟県上越市)も0.5mmと、いずれも平年比で0%と極端な少雨となっています。北陸西部でも輪島(石川県)で1.5mmと平年の1%しか雨が降っていません。その他、新潟を中心に7月として月間降水量が統計開始以来最も少なくなった所も多くなっています。
7月は本来は梅雨末期の時期で降水量が多くなる時期ですが、今年は太平洋高気圧が早い段階から強まり、梅雨明け前から夏空が広がった日が多くなったことで、極端な少雨傾向となりました。
この影響で、田んぼにひびが入るなど、稲作農家を中心に大きな影響が出ています。ダムやため池の貯水率も低下傾向となっているため、5日(火)以降の雨は恵みの雨という側面もあります。
●渇水後の大雨の注意点
今回は記録的な少雨から一転しての大雨ということで、極端な気象変化となりそうです。極端に乾燥した土壌は水を吸収しにくくなるという研究もあり、渇水後に大雨が降ると地表を雨水が流れ、河川の水位が急激に上昇するリスクが高まるおそれがあります。
特に前線が南下する7日(木)は短時間に強い雨のおそれがあるため、河川や用水路の急激な増水に十分な注意が必要です。大雨の際は田んぼや用水路の様子を見に行くことは危険ですので避けるようにしましょう。
その他、アンダーパスは水が集まりやすく、冠水のリスクが高い場所ですので、近づかない方がよいでしょう。土砂災害の可能性もあるので、危険な斜面やガケには近寄らないようにして下さい。