台風通過後が危険 東海は線状降水帯で災害級大雨も 各地の警戒期間まとめ
台風5号が関東の東を北上中ですが、台風が通過した後も油断禁物で、関東甲信や東海など、雨の影響が長引く地域がある見込みです。特に、東海では今夜から明日15日の昼前にかけて線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まるおそれがあります。各地の大雨警戒期間をまとめました。
●14日(月) 夜間に線状降水帯発生のおそれ
台風5号は日本の東を北上中で、明日15日にかけて東日本と北日本に接近、上陸するおそれがあります。一方、熱帯低気圧が九州付近にあり、上空に寒気を伴う別の低気圧が日本海西部を北上しています。熱帯低気圧は今後不明瞭になりますが、熱帯由来の暖かく非常に湿った空気や上空の寒気の影響で、西日本と東日本では大気の非常に不安定な状態が続く見込みです。
これから明日15日は各地で雨が強まり、台風が近づく東日本と北日本では風も強まるでしょう。局地的にカミナリを伴った激しい雨や、非常に激しい雨の降るおそれがあります。今夜から明日15日の早朝にかけて、北海道から四国は大雨警報の可能性が[中]で、東海は大雨警報の可能性が[高]となっています。
なお、今夜から明日15日の昼前にかけて、東海では線状降水帯が発生し、大雨災害発生の危険度が急激に高まるおそれがあります。
・三重県 14日夜のはじめ頃から15日明け方にかけて
・愛知県 14日夜のはじめ頃から15日朝にかけて
・岐阜県 14日夜のはじめ頃から15日朝にかけて
・静岡県 14日夜遅くから15日昼前にかけて
線状降水帯が夜間の暗い時間帯に発生した場合、移動する方がかえって危険になる可能性があります。状況が悪化する前に安全を確保しておくに越したことはありませんが、垂直避難も視野に入れておきましょう。
●線状降水帯発生時にとるべき行動とは
自治体からの避難に関する情報を確認のうえ、早めの安全確保を心がけましょう。すでに避難することが危険な場合、家の中の、崖や川から離れたできるだけ高い所で身を守るようにしてください。(ただし、土石流が想定される箇所においては、危険な区域の外へ退避する、もしくは堅牢な建物の高層階に避難することが基本です。)
なお、土砂災害は、雨が弱まったり、止んだりした後でも、発生する場合があります。土砂災害の前兆は、斜面のひび割れ、異様な音・におい、湧き水が止まる、濁った水が噴き出すなどです。このような前兆を見つけた時には、すぐに、斜面から離れてください。
また、河川の増水・氾濫も大雨のピークが過ぎた後に発生する場合があります。雨が弱まっても川には絶対に近づかないでください。
●関東甲信・東海など その後も影響長引くおそれ
台風5号は足早に日本列島から遠ざかりますが、台風一過とはなりません。16日(水)は太平洋高気圧が日本の南へ張り出し、関東甲信や東海などへの暖かく湿った空気の流入が持続する見込みです。また、それだけではなく、気圧の傾きが大きくなる影響で、暖湿な空気の流入が強まることがポイントです。このため、16日(水)も関東甲信や東海を中心に雨が降り、総雨量がさらに増えるでしょう。東海では17日(木)にかけても大雨警報の可能性が[中]と、大雨による影響が長引く予想です。そのほかの地域でも太平洋側を中心に広の降る所が多く、雨脚が強まることもあるでしょう。
土砂災害や低い土地の浸水、川の増水や氾濫に注意・警戒するとともに、竜巻などの激しい突風や落雷、ひょうにも注意が必要です。
●大雨が発生 とるべき対応は
実際に大雨が発生したら、適切な対応ができるよう、事前に確認しておくことが大切です。安全を確保するために以下の点に注意してください。
① 河川や用水路には近づかないでください。普段は流れの遅い河川や用水路でも、大雨によって水かさが増したり、流れが速くなったりします。増水した用水路は道路との境目が分からなくなっていて、足を取られるおそれがあります。
② 運転の際は、アンダーパスなど低い道路は避けるようにしてください。低い道路には雨水が流れ込みやすいため、すぐに冠水してしまうおそれがあります。車が水没して故障したり、水圧によって、ドアが開かなくなったりして、車内に取り残されると、非常に危険です。無理をして通らず迂回するなどの対応をとってください。
③ 山などの急な斜面はいつ崩れるか分からないため、決して近づかず、斜面とは反対側に避難するようにしてください。土砂災害警戒情報や大雨警報の危険度分布を細かく確認して、状況を常に把握するようにしましょう。
④ 地下は浸水するおそれがあるため、雨漏りなど異変を感じたら地上に移動するようにしてください。地下では、危険を察知することが遅れてしまいがちです。こまめに気象情報を確認し、速やかに地上に移動できるようにしておきましょう。
⑤ 上流にダムのある河川の近くに住んでいる場合は、ダムの水位情報を確認するようにしましょう。大雨が長時間にわたって降り続くと、ダムは決壊を防ぐために放流を始める場合があります。