台風5号が関東へ接近しています。台風はこのあと次第に速度を上げながら北上し、明日15日の朝にかけて北海道を縦断するおそれがあります。東日本と北日本では非常に強い風が吹き、うねりを伴って大しけとなる所があるでしょう。暴風や高波に警戒し、土砂災害や低い土地の浸水、川の増水など、大雨による災害にも注意・警戒してください。

●台風5号は発達しながら北上 暴風域も

今日14日の10時現在、台風5号は銚子市の南南東約180kmの海上にあり、1時間に35kmの速さで北へ進んでいます。中心気圧は985hPa、中心付近の最大風速は25m/s、最大瞬間風速は35m/sです。

台風はこの後やや発達し、次第に暴風域を伴いながら東日本から北日本の太平洋側を北上する見込みです。また、徐々に移動速度が上がるため、いま晴れている所でも急に雨が降りだしたり、風が強まることが考えられます。飛ばされやすいものは固定したり、家の中へしまっておいたりするなど、早めの備えをお願いします。

なお、海上や沿岸部では波が高く、東日本では14日、北日本では15日にかけて、うねりを伴い大しけとなるでしょう。高波や越波による船舶、沿岸施設への被害に警戒してください。

●14日~15日 大雨にも注意・警戒

台風に向かって流れ込む暖かく湿った空気の影響で、大気の状態が不安定となる見込みです。東日本と北日本では、15日にかけて雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨の降る所があり、大雨となる所があるでしょう。

○14日に予想される1時間降水量(いずれも多い所)
東北太平洋側 50ミリ
関東地方北部 40ミリ
関東地方南部 40ミリ
甲信地方   40ミリ
伊豆諸島   30ミリ

○15日に予想される1時間降水量(いずれも多い所)
北海道側東部 40ミリ
関東地方北部 40ミリ
関東地方南部 40ミリ
甲信地方   40ミリ
伊豆諸島   30ミリ

大雨による土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒し、落雷や突風にも注意してください。なお、関東甲信地方では、その後16日にかけても大雨となるおそれがあります。

●高波に注意 海には近づかないで

台風が近づくと波が高くなり、台風の中心付近では、波の高さが10メートルを超えることもあります。沿岸部では、大雨や暴風だけでなく、高波にも警戒が必要です。

そこで、台風が近づいている時に、絶対にやってはいけないことは、海に近づくことです。海の様子を見に行ったり、サーフィンや釣りを楽しんだりすることは、高波にさらわれる恐れがありますので、とても危険です。

また、台風から離れていても、油断はできません。天気は穏やかなのに、台風から発生した「うねり」が届いて、急に高波が打ち寄せることもあります。波浪警報や波浪注意報が発表されている時には、むやみに海に近づかないでください。

●台風の大雨 土砂災害の前触れは

台風が接近すると、大雨のおそれがありますが、大雨によって土砂災害が発生する時には、前触れとなる現象があります。いざという時のために、ぜひ覚えておいてください。

1つめは、がけや地面にひび割れができることです。
2つめは、木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえたり、土のにおいがしたりすることです。
3つめは、井戸や川の水、湧き水が濁ることです。湧き水が止まる場合も、前触れの一つです。
4つめは、がけや斜面から水が湧き出たりすることです。

そのほか、小石がバラバラと落ちてくる、地鳴りや山鳴りがする、雨が降り続いているのに川の水位が下がる、樹木が傾く、などがあります。このような時は、土砂災害の危険が高まっています。すぐに周りの人に声をかけて、安全な所へ避難してください。

情報提供元: tenki.jp日直予報士