近畿地方では、今週末は各地とも4月並みの暖かさになる見込みです。積雪の多い地域では雪解けが進むため、なだれに注意をしてください。また、スギ花粉が本格的に飛び始めるでしょう。

●寒暖差大 今週末は20℃予想も なだれ・屋根からの落雪などに注意

真冬並みの寒さが続いていましたが、今週末にかけては一気に春らしくなりそうです。日曜日にかけて、昼間の気温はグングンと上がるでしょう。今週末は各地とも4月並みの暖かさになり、最高気温が20℃に届く所もある見込みです。積雪の多い地域では急速に雪解けが進みますので、なだれや屋根からの落雪に注意をしてください。

ただ、暖かさは長続きせず、週明けには寒の戻りがある見込みです。日曜日から月曜日にかけては、昼間の気温が8℃前後も下がるでしょう。向こう一週間は日々の気温の変動に加えて、一日の寒暖差が大きい日もありますので、服装選びや体調管理にお気を付けください。

●急な雪解け 注意点は?

暖かくなることで心配されるのが雪解けによる災害や事故です。積雪が多く残る所では、次の3つの点に注意が必要です。

① 雪解けによって「全層なだれ」が発生しやすくなります。山に積もった雪が全て滑り落ちる現象で、気温の上昇や雨の後などに多く発生します。過去になだれが発生した斜面や積雪に亀裂が入っている所では、特に注意が必要です。

② 気温の上昇によって積もった雪が滑り、「屋根からの落雪」が起こりやすくなります。軒先で作業する際は頭上の状況を確認するなど注意が必要です。また、除雪作業を行う場合は、命綱とヘルメットを装着し、できるだけ複数人で実施するなど、安全を確保するようにしてください。

③ 雪が多く積もった道路で、気温が上昇したり、雨が降ったりすると、「冠水」のおそれがあります。路肩に集められた雪によって排水が悪くなったり、雪の塊が排水溝を塞いだりしてしまうことがあるためです。大雪のあとの雨は、たとえ大雨でなくても、道路の冠水に十分ご注意ください。

●スギ花粉が続々と飛散開始へ いきなり本格的な飛散も

ここ一週間ほど、近畿地方では厳しい寒さが続いたため、スギ花粉の飛散が確認された地点はごくわずかです。ただ、この先の気温の上昇で、まだ飛散開始を迎えていない所でも続々と花粉が飛び出すでしょう。

中部と南部では「多い」予想の日もあるなど、ひとたび飛散が始まると、程なくして本格的に飛散する恐れがあります。花粉症の方は、この先はしっかりと対策をなさってください。

また、今シーズン全体でみると、花粉の飛散量は例年より多くなる予想です。花粉症の症状がない方でも、新たに症状が出始めるかもしれません。花粉が多く飛ぶと予想される日は、対策をしておくと良さそうです。

●花粉の飛散開始日とは?

花粉の飛散開始がいつなのか、気になる方も大勢いらっしゃると思います。

「花粉の飛散開始日」とは、スギの花の開花日ではありません。1月以降、1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を、2日連続して観測した最初の日を、その観測地点の「花粉の飛散開始日」としています。

(上の図にある花粉飛散開始例の3日目や6日目のように、1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を観測しても連続していなければ飛散開始とはなりません。この場合、2日連続して観測した最初の日である9日目が「飛散開始日」となります。)

そのため、「花粉の飛散開始日」よりも前でも、気温の高い日などは、1平方センチメートルあたり1個未満という少量の花粉が飛び始めていることもあります。敏感な方は、わずかな花粉でも、症状がでることがありますので、注意が必要です。
「花粉の飛散開始日」前だから、と油断しないで、早めに対策を、心がけてください。

情報提供元: tenki.jp日直予報士