台風10号は九州北部をゆっくりと北上中。九州や四国、近畿など西日本を中心に、暴風や高波、線状降水帯の発生のおそれも。台風から離れている東海や関東にも活発な雨雲がかかり、局地的に非常に激しい雨も。今後の動向に厳重に警戒を。

●台風10号の今後の動向は?

台風10号は、今日30日午前5時現在、大分県由布市付近にあって、ゆっくりした速さで北東へ進んでいます。中心の気圧は992ヘクトパスカル、最大風速は23メートル、最大瞬間風速は35メートルで、中心から半径390キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いています。

このあと台風10号は、九州北部をゆっくりと横断し、明日31日には高知県安芸市付近へ、1日には和歌山県御坊市付近へ進む見込みです。その後、2日までに熱帯低気圧に変わり、近畿に達するでしょう。

●台風による影響は?

台風10号は、スピードがゆっくりなため、西日本を中心に長い時間にわたって、非常に強い風が吹いて大しけが続き、総雨量が多くなる見込みです。

このため、西日本や東日本では、明日31日にかけて線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があり、非常に強い風が吹き、大しけが続く見込みです。

既に西日本では、台風本体の発達した雨雲がかかり、激しい雨が降っている所があります。台風に近い九州だけでなく、東海や関東など、台風本体から離れた地域にも、台風周辺や太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が流れ込んでおり、断続的に雷を伴った非常に激しい雨や激しい雨が降っている所があります。

今日30日午前4時までの72時間降水量は、九州南部では800ミリ、九州北部では600ミリ、四国と東海では500ミリを超える記録的な大雨となっている所があります。

●非常に強い風や大しけ 大荒れの天気に

今日30日は、九州と中国・四国は風と雨が強まり、大荒れの天気となるでしょう。近畿、東海、関東、東北も雨で、局地的に非常に激しく降る見込みです。北陸と北海道、沖縄は晴れ間が出ますが、にわか雨や雷雨の所がある見込みです。

西日本や東日本では明日31日にかけて、非常に強い風が吹く所があるでしょう。四国や九州北部では、最大風速23メートル、最大瞬間風速35メートルの非常に強い風が予想されています。

また、九州から東海の沿岸部では、波の高さが5メートルから6メートルの波が予想され、うねりを伴って大しけとなる所がありそうです。暴風や高波に警戒をしてください。

●非常に激しい雨や猛烈な雨 線状降水帯が発生するおそれも

西日本や東日本では、明日31日にかけて、雷を伴った非常に激しい雨や猛烈な雨が降り、大雨となる所がある見込みです。また、その後も台風周辺や太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が流れ込むため、明後日9月1日にかけて総雨量が多くなる所があるでしょう。

今日30日午前6時から、明日31日午前6時までに予想される24時間降水量は多い所で、
関東甲信地方 150ミリ
東海地方   300ミリ
近畿地方   200ミリ
中国地方   180ミリ
四国地方   400ミリ
九州北部地方 180ミリ
九州南部   120ミリ

その後、明日31日午前6時から明後日9月1日午前6時までに予想される24時間降水量は多い所で、
北陸地方   150ミリ
関東甲信地方 200ミリ
東海地方   400ミリ
近畿地方   300ミリ
中国地方   150ミリ
四国地方   200ミリ

線状降水帯が発生した場合には、総雨量がさらに増える恐れがあります。

線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性のある地域と期間は、
九州北部(山口県、福岡県、佐賀県、熊本県、大分県)で30日日中にかけて
四国(徳島県、香川県、愛媛県、高知県)で31日午前中にかけて
近畿(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)で30日夜から31日午前中にかけて
東海(岐阜県、静岡県、愛知県、三重県)30日午前中にかけてです。

土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒し、暴風、高波に警戒し、また、高潮や高潮と重なり合った波浪による浸水などにも厳重に警戒してください。

情報提供元: tenki.jp日直予報士