台風10号の接近前から大雨になっている所があり、今日29日(木)午前8時までに総雨量が700ミリを超えた所も。鹿児島県の枕崎では最大瞬間風速51.5メートルを観測。九州は暴風や高波、高潮、土砂災害などに最大級の警戒を。

●総雨量 宮崎県内で700ミリ超え

台風10号は、今日29日(木)午前8時頃、鹿児島県薩摩川内市付近に上陸しました。

今日29日(木)の未明から明け方にかけて、鹿児島県、宮崎県、大分県では線状降水帯が発生して、非常に激しい雨が降り続いています。九州から関東では、台風接近前から大雨になった所があり、太平洋側を中心に降水量が多くなっています。

27日(火)午前0時から今日29日(木)午前8時までの降水量は、宮崎県の神門で739.0ミリ、えびの高原で669.5ミリ、鹿児島県の田代で569.0ミリでした。雨の多い地域でも、わずか2日程度で8月平年ひと月分を超える降水量になっています。

●猛烈な風 枕崎で最大瞬間風速51.5メートル

風も強まっていて、29日(木)午前8時現在、九州は南部を中心に風速25メートル以上の暴風域に入っています。

鹿児島県の枕崎では、最大週間風速が51.5メートル(午前0時53分)と、走行中のトラックが横転するほどの猛烈な風が吹きました。鹿児島市は最大瞬間風速38.8メートル(午前4時53分)を観測し、市街地でも危険な暴風となっています。

鹿児島県南さつま市の加世田では、最大風速21.4メートル(午前3時12分)、最大瞬間風速37.3メートル(午前3時28分)と、観測史上1位となる非常に強い風が吹きました。

●台風の影響 長引く

九州は明日30日(金)にかけて台風本体の雨雲がかかり、九州南部を中心に総雨量が1000ミリを超える記録的な大雨となるおそれがあります。線状降水帯が発生した場合は、予想よりも雨量が増える可能性があり、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に最大級の警戒をしてください。四国や中国地方から関東も、台風の接近に伴って、さらに雨量が増えるでしょう。

線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性のある地域と期間
宮崎県と鹿児島県(奄美地方を除く):30日(金)午前中にかけて
山口県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県:30日(金)午後にかけて
徳島県・愛媛県・高知県:30日(金)夜にかけて

台風の動いが遅いことで、西日本を中心に影響が長引きそうです。台風情報や雨雲レーダーなど、最新の情報を確認してください。

情報提供元: tenki.jp日直予報士