気象庁は、明日29日(木)に高知県と愛媛県・徳島県で線状降水帯が発生するおそれがあると発表しました。台風10号の接近に伴い、台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込んで、大気の非常に不安定な状態が続く見込みです。線状降水帯が発生すると、災害発生の危険度が急激に高まるおそれがありますので、雨の降り方に警戒してください。

●明日29日(木)は高知県・愛媛県・徳島県で線状降水帯発生のおそれ

四国では今日28日(水)も、台風からの暖かく湿った空気の影響で断続的に雨が降り、太平洋側を中心に発達した雨雲がかかって激しく降っている所もあります。
今後も暖かく湿った空気の流れ込みが続き、明日29日(木)は大気の状態が非常に不安定となり、高知県・愛媛県・徳島県で線状降水帯が発生するおそれがある、と気象庁より発表されました。

●線状降水帯とは

線状降水帯とは、活発な積乱雲が列をなして次々と同じところにかかり続ける現象です。線状降水帯が発生すると、大雨により土砂災害や洪水などの災害発生危険度が急激に高まるおそれがあります。
気象庁では令和4年から、この線状降水帯の発生が予想された場合、半日程度前に情報を発表しています。これまで地方単位で発表されていましたが、今年の5月27日より府県単位で発表されるようになり、5月28日には、四国でも高知県と徳島県に発表されました。府県単位で出すことで、より自分のこととして危機感を持ち、避難など早めの行動につながることが目的です。危険が迫る前に、今のうちから早めに対策をはじめてください。

●大雨に備えて

常に最新の気象情報を確認し、いざという時に適切な行動がとれるように準備をしておきましょう。
またハザードマップや避難場所の確認も必要です。ハザードマップは随時更新されますので、定期的に確認してください。夜間に大雨になることも多いため、避難経路は昼間だけでなく、夜間にも確認しておきましょう。
万が一に備えた非常用グッズもまとめておきましょう。断水に備えて、飲料水やトイレなどの生活用水も確保しておいてください。
側溝や雨どいにゴミなどが溜まっていると雨水がうまく流れないため、無理のない範囲で対応してください。

●台風の影響長引く 31日18時までの72時間予想雨量800ミリ超え 記録的な大雨となるおそれも

台風の動きは遅く、四国では長期間にわたって雨が降る見込みです。31日(土)18時までの72時間予想積算雨量は、太平洋側の南東に開けた地域を中心に多い所で800ミリを超え、記録的な大雨となるおそれがあります。また台風の動きが遅く、雨の時間が予想よりも長引いたり、線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。

なお、すでに太平洋側の海上では、うねりを伴って波が高くなり、しけています。29日(木)から30日(金)にかけては大しけとなるため、高波に警戒してください。
また、30日(金)から31日(土)頃は、台風の接近に伴って潮位が高くなりますので、沿岸部では高潮にも警戒が必要です。

情報提供元: tenki.jp日直予報士