台風10号による道路への影響は長時間・広範囲 経験したことのない暴風や大雨に
台風10号は非常に強い勢力を保ったまま、明日29日(木)は九州に上陸か。鹿児島県に暴風特別警報と波浪特別警報・高潮特別警報が発表されるなど、経験したことのないような暴風や高波、高潮、大雨になるおそれ。台風による交通への影響も長時間・広範囲に及びそう。できる限りの対策を。
●経験したことのないような暴風・高波・高潮・大雨のおそれ
非常に強い台風10号は、今日28日(水)はさらに発達しながら屋久島の南をゆっくり北上し、明日29日(木)にかけて非常に強い勢力を保ったまま九州南部に接近。その後、九州に上陸する可能性が高くなっています。
今日28日(水)午後1時、鹿児島県の薩摩、大隅、種子島・屋久島地方に暴風特別警報、波浪特別警報が発表。午後4時20分には鹿児島県の薩摩地方に高潮特別警報が発表されました。非常に強い台風10号の接近によって、これまでに経験したことのないような暴風や高波、高潮となるおそれがあります。また、宮崎県を中心に総雨量が1000ミリを超えるような、経験したことのない大雨になることが考えられます。
台風接近前から大雨となっている静岡県など、四国から東海にかけては明日29日(木)以降、台風接近に伴って暴風や高波、大雨災害に厳重な警戒が必要です。
●九州から近畿 台風による道路への影響は
台風の動きが遅いため、九州から近畿は警戒期間が前後するものの、週末にかけて広い範囲で列車や飛行機の運休など、交通への影響が出るでしょう。
予想される最大週間風速は、明日29日(木)にかけて、九州南部で70メートルと、一部の住宅が倒壊するほどの猛烈な風です。また、九州北部や四国では29日(木)から20日(金)にかけて、走行中のトラックが横転するほどの風が吹く所があるでしょう。猛烈な雨が降ると、見通しがきかなくなるため、車の運転は危険です。
台風が離れても、土砂崩れや倒木などで通行止めになることも考えられます。予定の変更や、あらゆることを想定して迂回ルートや代替ルートも検討してください。また、海は猛烈なしけや大しけで、離島では船での輸送が困難になるため、物流への影響も長引く可能性があります。
●東海から北海道
東海や関東など、太平洋側の地域では台風接近前から大雨になっている所があります。今日28日(水)午後4時までの72時間降水量は、静岡県の浜松で397.0ミリと、観測史上1位となる雨量を観測しました。平年8月ひと月分の3倍以上となる大雨です。すでに地盤が緩んでいる所に、雨や風が強まるでしょう。台風の動向によっては、9月1日(日)頃まで道路への影響が大きくなる可能性があります。
東北は、前線による大雨の影響が29日(木)にかけて出るでしょう。その後、31日(土)日中以降は、道路の気象影響リスクが高まりそうです。最新の情報を確認してください。
●荒天時 生活への影響
①交通機関の乱れ
雨や風が強まることにより、航空機や船舶の欠航、新幹線など列車の運休、高速道路など道路の通行止めの可能性があります。欠航は、大荒れのピーク時だけでなく、ピークの前後、数日間に及ぶこともあり、また、大雨になる前でも、事前の気象情報などにより、計画運休を行う場合もあります。お出かけの際は、予定の変更も視野に入れて、計画を見直してください。
②物流のストップ
道路の通行止めなどにより物流がストップすると、宅配便の受け入れが停止されることもあります。また、コンビニやスーパー、デパートなどが臨時休業し、食糧などが供給されなくなる場合もあります。事前に食料や飲み物などを準備しておくと安心です。
③停電や通信障害
大気の状態が不安定になると雷雲が発達しますが、落雷により、電気を送るための設備が損傷すると停電が発生します。また、落雷が原因で通信障害が発生することもあります。乾電池を準備しておく、携帯電話のバッテリーを充電しておくなど、事前の対策を心がけてください。