台風7号は動きが遅いため土曜日も東北と関東甲信の山では強風が残るところがある見通しです。その後台風は日本から遠ざかりますが、台風の湿った空気が残ることや上空には寒気を伴った気圧の谷が居座ることから大気の状態が不安定になるでしょう。土曜日、日曜日ともに雷を伴った雨が降るところがあるため注意してください。

●土曜日 日中は台風7号の影響が残る

台風7号は土曜日の午前9時に福島県の東の海上に進み、東日本と北日本の一部はまだ強風域内にある見通しです。このため土曜日は東北と関東甲信で風が強い山岳が多いでしょう。また台風の吹き返しの風は北寄りの風となります。このため日本海から風が吹くと天気が崩れやすい谷川岳、立山、白山は雲がとれにくく曇り一時雨の予想です。さらに台風7号が離れた後も湿った空気が東日本に残るため、中部山岳や富士山では台風一過で晴れてきても午後は雷雨となる可能性があるため注意が必要です。

一方、西日本の上空高いところにはここしばらく寒気が居座っています。この週末も寒気はほとんど動かないため大気の状態が不安定になって、午前中は広い範囲で晴れますが、午後は雷を伴って雨が降るところがあるでしょう。九州では局地的な大雨になる可能性もあり、沢の増水等に注意してください。北海道大雪山は気圧の谷が接近して曇り後雨の予想です。

●日曜日 広い範囲で典型的な夏山の天気

日曜日は台風7号の影響から離れ、本州付近は日本海の高気圧に緩やかに覆われる見込みです。北海道大雪山で曇りとなっているほかは、各地とも晴れを予想しています。ただし台風に向かって流れ込んでいた湿った空気の影響や、西日本では上空寒気の影響が引き続き残っています。また、本州付近の気圧の傾きが弱いため日中気温が上がると内陸に向かって海風が吹き込んで、あちらこちらで雷雲が発生する見通しです。天気の急変に注意してください。

●来週は北の山で秋の気配か

これまで日本付近は非常に暖かい空気に覆われて高山帯のテント泊でもほとんど寒さを感じることがないほどでしたが、ようやくフェーズが変わってくる可能性があります。

昔から台風は季節を前に進めるといわれています。台風7号自身は北から秋の空気を引き込むことはない見通しですが、週間天気図で18日から20日に北から北海道に進んでくる高気圧は涼しい空気を持っており、上空3000mで0℃の寒気がサハリン付近まで降りてくる見通しです。このころから天気図上に季節を分ける停滞前線が現れるようになって前線の北側では比較的爽やかな空気に覆われます。涼しい空気がすぐに日本付近にやってくるかどうかを判断するには、今後の予報資料を待つ必要があります。

情報提供元: tenki.jp日直予報士