東北で月末にかけてさらに大雨 台風由来の暖湿空気が流入 土砂災害など拡大の恐れ
秋田県や山形県など、梅雨末期の大雨で甚大な被害が出る中、今月末にかけて、さらに大雨となる恐れがあります。土砂災害や低い土地の浸水、川の増水や氾濫など、新たな災害が発生する恐れがあり、引き続き厳重な警戒が必要です。
●台風3号 熱帯低気圧に変わっても油断厳禁
活発な梅雨前線の影響で、東北地方では記録的な大雨となり、これまでに経験がないような大雨となった所もあります。土砂崩れによる家屋の倒壊、堤防の決壊や河川の氾濫、犠牲者や行方不明者が出るなど、すでに大きな被害が出ています。
こうした中、前線の活動はいったん弱まっているものの、台風3号が中国大陸をゆっくりと北上しています。台風は28日(日)には熱帯低気圧に変わる見込みですが、台風を起源とする暖かく非常に湿った空気が太平洋高気圧の縁を大きく回り込み、東北付近へと流れ込むでしょう。このため、梅雨前線の活動が再び活発になり、さらに大雨となる恐れがあります。
●再び大雨の恐れ 土砂災害・川の氾濫などに厳重警戒
26日(金)の日中、東北地方の雨は小康状態となっている所が多いですが、27日(土)は再び断続的に雨が降り、雷を伴って激しく降る所があるでしょう。
28日(日)以降も雨の降る日が多く、雨の量がさらに増える見込みです。特に、台風由来の非常に暖湿な空気が流れ込む30日(火)頃は雨脚が強まり、再び大雨となる恐れがあります。
すでにこれまでの大雨で土砂災害、川の氾濫などが発生していますが、月末にかけての大雨でさらに被害が拡大する恐れがあります。雨が降ることによって道路や川の状況が変化することは見た目で判断できたとしても、地盤の緩みや堤防の損傷具合などは判断が難しいです。
今回の大雨は長期戦となりそうですので、雨の降り方が弱く、身動きが取れるうちに避難するなど、少しでも安全と思われる場所でお過ごしください。
●土砂災害の前触れは
大雨によって土砂災害が発生する時には、前触れとなる現象があります。いざという時のために、ぜひ覚えておいてください。
1つめは、がけや地面にひび割れができることです。
2つめは、木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえたり、土のにおいがしたりすることです。
3つめは、井戸や川の水、湧き水が濁ることです。湧き水が止まる場合も、前触れの一つです。
4つめは、がけや斜面から水が湧き出たりすることです。
そのほか、小石がバラバラと落ちてくる、地鳴りや山鳴りがする、雨が降り続いているのに川の水位が下がる、樹木が傾く、などがあります。このような時は、土砂災害の危険が高まっています。すぐに周りの人に声をかけて、安全な所へ避難してください。
●川の氾濫が発生 避難時の注意点は
いざ、川の氾濫が発生してしまった場合、避難する際に注意すべき点は、次の3つです。
① できるだけ早く、川から離れましょう。その際、氾濫した水は、茶色く濁っているので、水路と道路の境や、ふたが開いているマンホールの穴が、確認できません。やむを得ず、氾濫した水の中を歩いて避難する時は、棒や傘などで、足下を確認しながら移動しましょう。
② 氾濫した水の流れは、勢いが強いので、あっという間に浸水してしまいます。水の深さが50センチくらい(大人の膝程度)だと、歩くのが困難になりますし、50センチ以上になると、車で避難した場合、車ごと流されてしまう危険性があります。状況が悪化する前に、早めの避難行動を心がけてください。
③ 家の周辺が冠水してしまった場合は、外に出る方がかえって危険です。また、離れた避難所に行くことが困難な場合は、緊急避難として、近くにある、高い堅牢な建物にとどまることも、選択肢の一つです。
自治体からの避難情報や、災害情報、気象情報を確認し、安全確保を第一に考え、なるべくリスクを少なくする行動をとってください。