週末の山は青空が出るところが多いですが、大気の状態が不安定になります。積乱雲が発生して局地的に雷雨や激しい雨が降る可能性が高いため、雨雲レーダーをこまめに確認して雨雲の接近に注意してください。昔から「梅雨明け十日」といって梅雨明けしてからしばらくは太平洋高気圧に大きく覆われて夏らしい晴天が安定して続くといわれていますが、今年は梅雨明け十日が当てはまらないため注意が必要です。

●土曜日 西日本と東日本で激しい雷雨に注意

土曜日は梅雨前線が日本海の沿岸に近いところから北日本にかけて停滞する予想です。このため九州北部、中国地方、近畿、北陸、東北は曇りや雨のところが多く、まだ梅雨明けしていない理由になっていると考えられます。一方、すでに梅雨明けしている九州南部、四国、東海、関東甲信では晴れ間がでますが、本州付近には太平洋高気圧の縁を回って非常に湿った空気が流れ込んでいます。この空気が日中温められて大気の状態が非常に不安定になるため、昼頃から積乱雲が発生して局地的に雷雨や激しい雨が降る所があるでしょう。剣山、富士山などで晴れ後雨を予想しています。北岳、赤岳、那須岳なども一時雨の予想です。北海道はやや雲が広がりやすいですが、大雪山では晴れ間が出る見込みです。

20日0時から21日0時にかけての24時間で降る雨量の予想です。ところどころまばらに雨量が多くなっているのは大気の状態が不安定になっているときに発生する積乱雲による雨の特徴です。わずかなきっかけがあればどこでも雨雲が発生するため雨が予想されていないところでも天気の変化に気を付けてください。関東は湿った空気に加え、東風と南風が収束することで特に発達した雨雲が発生しやすいと考えれます。筑波山や関東山地では、午後は局地的な大雨や落雷に十分注意してください。

●日曜日 西日本と東日本は夏空広がる

日曜日は太平洋高気圧が勢力を強めるため西日本と東日本で晴れるところが多い見込みです。典型的な夏山の天気でご来光が期待できるところも多いですが、標高3000m付近では10メートル程度の西風が吹いて寒い可能性がありますので風を防げる防寒着は入念に用意するといいでしょう。一方、本州付近を覆っている空気は大変湿っています。日射の影響が加わることで午後は大気の状態が不安定になるため、日曜日も引き続き急な雷雨に気を付けてください。北日本には低気圧が接近して次第に雨が降るでしょう。

21時0時から22日0時にかけての24時間で降る雨量の予想です。東北と北海道では広い範囲で雨が降るでしょう。関東甲信にも雨が予想されていますが、こちらは午後の不安定によるものです。夏山期間中は空気自体が非常に湿っているため基本的にほぼ毎日夕立があることを想定して常に雨具を携行することを推奨します。

情報提供元: tenki.jp日直予報士