北陸の1か月予報 暑熱順化がリセットされる? 梅雨入りは? 大雨への備えを万全に
この先、期間のはじめは気温は低い予想です。気温が再度上昇すると熱中症リスクが高まる可能性があり、十分な注意が必要です、また、28日の北陸地方は3県(西部)を中心に大雨となりました。本格的な雨の季節は目前まで迫っています。梅雨入りの速報発表の有無にかかわらず大雨への備えを万全にして下さい。
●1か月予報 1週目は暑熱順化がリセットされる?
5月30日、新潟地方気象台より、「北陸地方の向こう1か月の天候の見通し」が発表されました。
この先期間の1週目は、梅雨前線は南へ大きく下がる見込みです。オホーツク海高気圧が北から張り出して、北陸地方は冷涼な空気の影響を受けやすいため平均気温は平年より低いでしょう。
今シーズンは、福井市、金沢市、富山市で既に最高気温が30度以上の真夏日を記録、新潟市でも29度を超えて真夏日に迫る季節外れの暑さを観測しています。熱中症対策として、暑さに身体を慣らす暑熱順化を進めている方も多いと思いますが、1日から7日頃の気温は平年より低いでしょう。それまでに暑熱順化した体が、元に戻ってしまうこともありそうです。
ただ、その後は、気温は徐々に上昇に転じ、2週目以降は季節が進み、気温は徐々に上昇に転じるでしょう。1か月としてはほぼ平年並みの予想となっています。この先は、湿度も徐々に上がっていきますので、日々の天気や気温をいつも以上にチェックして体調管理に努めて下さい、普段運動不足の人は、暑熱順化を意識して、「軽い運動を継続的に行う」「入浴時はシャワーだけでなく湯舟にも浸かる」などを意識しましょう。
●5月28日 梅雨入り前でも既に短期集中の大雨 2年連続で5月の極値更新も
5月28日は、北陸西部を中心に短期集中の大雨となり、24時間降水量の5月の観測史上最大の更新が富山県を中心に複数ありました。福井県の九頭竜は154.0ミリ、石川県の白山白峰は134.0ミリ、富山県の富山は129.5ミリ、立山芦倉は147.0ミリ、猪谷は152.0ミリなどを観測した他、富山では2023年に続き2年連続で、5月の極値を更新しました。
これらの影響により、5月の1か月の日照時間は平年並みか平年よりやや多いにもかかわらず、降水量の平年比も平年より多くなることが確実です。
●梅雨入りは? 「速報値」の後に「確定値」で変更されることも
気象庁では、梅雨を「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる期間」と定義しており、季節が移り変わる中で現れる季節現象の一つとして捉えています。季節の歩みは行きつ戻りつ、ある日を境にドラスティックには変わりません。このため、梅雨入り・梅雨明け日の末尾には「・・ごろ」と付けています。
また、降水の要因は、梅雨前線に伴うものだけに限りません、寒冷前線など別系統の前線、気圧の谷や低気圧、台風や上空の寒気に伴うものなど様々あり、防災上の観点から、暖候期の雨の季節に関する注意喚起をするものとして、総合判断して梅雨の期間を検討しています。
梅雨入りや梅雨明けの発表方法は、現在までの天候経過と1週間先までの見通しをもとに、気象情報の一種の「梅雨の時期に関する気象情報」としてまず「速報値」を発表します。その後、春から夏にかけての天候経過を改めて振り返り、梅雨入りと明けの時季を確定させる作業を行い、9月初めにこれを「確定値」として改めて発表しています。
「速報値」の発表は経済を動かすトリガーとなりますが、「確定値」の発表時に変更されることはしばしばあります。近年は、温暖化の影響もあり梅雨入り前でも大雨の発生頻度が増える傾向にあり、梅雨入りの「速報値」の発表有無にとらわれることなく、大雨への備えを万全にするようにして下さい。