台風1号は29日(水)に強い勢力で沖縄県の大東島地方に接近するでしょう。本州付近に延びる前線に向かって、台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発化。沖縄や九州から関東甲信は警報級の大雨となる恐れがあります。

●「台風1号」 29日(水)頃に沖縄の大東島地方に接近

台風1号はフィリピンの東を発達しながら北上し、29日(水)は強い勢力になり、沖縄の大東島地方に接近するでしょう。そのあと31日(金)にかけて日本の南を進み、6月1日(土)には日本の東で温帯低気圧に変わる見込みです。

台風の影響で、沖縄の大東島地方では28日(火)から、うねりを伴って波が高くなるでしょう。29日(水)は次第に雨や風が強まり、しける見込みです。強風や高波に十分注意してください。台風の進路によっては、大しけや暴風となる恐れもあります。

●前線の活動が活発化 警報級の大雨の恐れ

台風から離れている本州付近でも27日(月)から29日(水)にかけて大雨に警戒が必要です。本州付近に延びる前線に向かって、台風1号周辺の暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発化するでしょう。

沖縄や九州から近畿は28日(火)頃にかけて、東海や関東甲信は29日(水)にかけて断続的に活発な雨雲がかかりそうです。太平洋側を中心に雷を伴った非常に激しい雨が降り、警報級の大雨となる恐れがあります。

●予想降水量

28日(火)6時までの24時間に予想される雨量は多い所で、
九州南部:180ミリ
九州北部地方:150ミリ
近畿地方、四国地方、沖縄地方:100ミリ

29日(水)6時までの24時間に予想される雨量は多い所で、
東海地方:200から300ミリ
近畿地方、四国地方:100から200ミリ
九州南部、沖縄地方:100から150ミリ
九州北部地方:50から100ミリ

関東甲信もまとまった雨量となるでしょう。

土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒が必要です。大気の状態が非常に不安定となるため、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意してください。

●大雨が発生 とるべき対応は

実際に大雨が発生したら、適切な対応ができるよう、事前に確認しておくことが大切です。安全を確保するために以下の点に注意してください。

① 河川や用水路には近づかないでください。普段は流れの遅い河川や用水路でも、大雨によって水かさが増したり、流れが速くなったりします。増水した用水路は道路との境目が分からなくなっていて、足を取られるおそれがあります。

② 運転の際は、アンダーパスなど低い道路は避けるようにしてください。低い道路には雨水が流れ込みやすいため、すぐに冠水してしまうおそれがあります。車が水没して故障したり、水圧によって、ドアが開かなくなったりして、車内に取り残されると、非常に危険です。無理をして通らず迂回するなどの対応をとってください。

③ 山などの急な斜面はいつ崩れるか分からないため、決して近づかず、斜面とは反対側に避難するようにしてください。土砂災害警戒情報や大雨警報の危険度分布を細かく確認して、状況を常に把握するようにしましょう。

④ 地下は浸水するおそれがあるため、雨漏りなど異変を感じたら地上に移動するようにしてください。地下では、危険を察知することが遅れてしまいがちです。こまめに気象情報を確認し、速やかに地上に移動できるようにしておきましょう。

⑤ 上流にダムのある河川の近くに住んでいる場合は、ダムの水位情報を確認するようにしましょう。大雨が長時間にわたって降り続くと、ダムは決壊を防ぐために放流を始める場合があります。

情報提供元: tenki.jp日直予報士