北陸の12月 気温が平年より高いのに降雪量は約2倍にも 今後も短時間強雪には注意
12月の実況を北陸平均でみると、平均気温平年差は「+0.8度」で平年より高い一方、降雪量平年比は「194%」にもなりました。「気温が平年より高いのに降雪量が平年より多い」という一見矛盾していると思われる事象が現実のこととなりました。今後も天気は短い周期で変わりますが、冬型の気圧配置となり、短時間強雪となる可能性はまだあります。令和六年能登半島地震の影響で、路面の融雪装置の機能が十分発揮されない所も石川県能登地方を中心にあり、引き続き最新の天気予報に注意、大雪への備えを万全にするようにして下さい。
●気象台発表の1か月予報
本日11日、新潟地方気象台から、北陸西部の福井・石川・富山と北陸東部の新潟の4県を対象とした「北陸地方の向こう1か月の天候の見通し」が発表されました。
そのポイントは、「寒気の影響を受けにくいため、向こう1か月の気温は高い」、また、「冬型の気圧配置が長続きしないため、向こう1か月の降雪量は平年並か少ない」ということです。
また同日、気象庁大気海洋部から、エルニーニョ監視速報(No376)が発表されました。
「12月の実況はエルニーニョ現象が続いており、引き続き冬の期間はエルニーニョ現象が続くとみられる」。「今後、春の終わりにかけてエルニーニョ現象が続く可能性もある(40%)が、平常の状態になる可能性の方がより高い(60%)」旨の発表がありました。
エルニーニョ現象の影響等により、上空の偏西風は日本付近で蛇行し、平年より北を流れやすい見込みです。日本付近では冬型の気圧配置が長続きせず、引き続き平均的には寒気の影響を受けにくいと考えられます。
●12月の輪島 月平均気温は平年並みでも月降雪量は平年よりかなり多かった
日降雪量が48センチで12月の観測史上1位を22日に記録した輪島の単独地点で見てみましょう。月平均気温は6.5度で平年並み(5.6度<平年並みの範囲≦6.5度)にとどまった一方、月降雪量は62センチで平年よりかなり多く(34センチ<平年よりかなり多い範囲)なりました。
一般に、地上気温が6.5度で雪が降るにはかなりハードルが高くなっています。図は北陸全体を示していますが、昨年12月の17日~23日頃は寒波襲来となり、この期間は平均気温は平年を大きく下回りました。輪島では22日の1日で1か月の月降雪量の約8割近い雪が降る短時間強雪となり、この影響で1か月平均でみても、平均気温は平年並みの範囲で最も高い気温でも、月降雪量は平年よりかなり多くなったと考えられます。
●天気は短い周期で変化 13日頃と16日頃は冬型 大荒れや大雪の可能性も
この先も短い周期で天気は変わるでしょう。14日と17日は、気象の分野で北陸西部とされる北陸3県を中心に日差しが届きますが、天気は全般にぐずつく見込みです。
13日頃と16日頃は冬型の気圧配置となるでしょう。特に16日頃は強い冬型の気圧配置となり、大荒れや大しけ、大雪となる可能性があります。この前後を中心に、凍える寒さとなりそうです。体調を崩さないようにできる限り暖かくしてお過ごしください。