年末年始はあまり寒くない? 寒波ではなく「年越し暖波」襲来か
真冬の寒さから一転、年末年始は冬らしからぬ高温となる所もありそうです。この先2週間は全国的に寒気の影響を受けにくく、気温が平年よりかなり高くなる日が多いでしょう。雪が多く積もっている所では、雪解けによる災害に注意が必要です。
●先週はようやく「寒波」襲来
今年は12月になっても気温の高い日が続いていましたが、先週は今季これまでで一番強い寒気が流れ込み、九州など普段、雪の少ない地方も雪景色に変わりました。全国的に朝は冷え込みが強まり、東京都心や大阪など関東以西の市街地でもあちらこちらで初氷を観測。日中も寒さが厳しく、日差しの届いた太平洋側でも震えるような寒さになりました。
今日25日(月)も各地で冬らしい冷え込みと寒さが続きましたが、年末年始は一転して暖かい空気が流れ込みます。冬とは思えないような暖かさとなる所もあるでしょう。
●この先は一転 「暖波」襲来
この先2週間の気温予想を見てみますと、奄美地方や九州北部は28日(木)頃から、九州南部や中国、四国から関東甲信は29日(金)頃から、北陸や東北は31日(日)頃から、気温が平年よりかなり高くなる予想です。北海道も年明け2日(火)からは平年を上回る高温予想で、新年はじめの1週間くらいは全国の広い範囲で気温が高い状態が続くでしょう。
今のところ極端な高温予想ではないものの、気温の高い日が長く続くことがポイントです。
例えば東京都心では年末年始の最高気温の平年が10℃くらいですが、14℃前後の日が続き、15℃を超えるような日も出てくるでしょう。昼間、日の当たる部屋では暖房いらずだったり、コートなしでも過ごせる時間があったりしそうです。
また、内陸部など例年なら氷点下の冷え込みが続く所でも、冷え込みが緩んでプラスの気温となったり、日ごろ、最高気温が5℃に届かないような所で10℃以上となる日が続いたりと、「あまり寒くない」と感じることが多くなるかもしれません。
●急な雪解け 注意点は?
例年よりも気温の高い日が続くことで注意したいのは、雪解けによる災害です。積雪が多く残る所では、次の3つの点に注意が必要です。
① 雪解けによって「全層なだれ」が発生しやすくなります。山に積もった雪が全て滑り落ちる現象で、気温の上昇や雨の後などに多く発生します。過去になだれが発生した斜面や積雪に亀裂が入っている所では、特に注意が必要です。
② 気温の上昇によって積もった雪が滑り、「屋根からの落雪」が起こりやすくなります。軒先で作業する際は頭上の状況を確認するなど注意が必要です。また、除雪作業を行う場合は、命綱とヘルメットを装着し、できるだけ複数人で実施するなど、安全を確保するようにしてください。
③ 雪が多く積もった道路で、気温が上昇したり、雨が降ったりすると、「冠水」のおそれがあります。路肩に集められた雪によって排水が悪くなったり、雪の塊が排水溝を塞いだりしてしまうことがあるためです。大雪のあとの雨は、たとえ大雨でなくても、道路の冠水に十分ご注意ください。