この先3か月(1月~3月)の見通しです。冬型の気圧配置は平年より弱く、寒気の影響を受けにくいでしょう。暖冬傾向で、春の訪れも早くなりそうです。日本海側の雪も少ないでしょう。ただし、一時的に強い寒気が流れ込む可能性はあり、日本海の海面水温は高いため、急な大雪となる恐れはあります。気温が急降下する可能性もあり、寒暖差にも注意が必要です。

●エルニーニョ現象続く

この先も地球温暖化の影響などにより、全球で大気全体の温度が高いでしょう。

正のインド洋ダイポールモード現象の影響が残ることと、エルニーニョ現象の影響により、積乱雲の発生はインド洋熱帯域の西部で多く、南東部からフィリピン付近にかけて少なく、日付変更線付近で多いでしょう。このため、上空の偏西風が日本付近で蛇行し、平年より北を流れやすい見込みです。

偏西風の蛇行の影響などで、日本付近では冬型の気圧配置が平年より弱く、寒気の影響を受けにくいでしょう。

●1月~2月も暖冬続く 春の訪れも早い

寒気の影響が弱く、1月から2月の平均気温は北日本で平年並みか高い、東日本や西日本、沖縄・奄美で平年より高いでしょう。平年に比べ暖かい日が多い見込みですが、油断はできません。一時的に強い寒気が流れ込む可能性はあり、寒気が流れ込めば、急に厳しい寒さとなり、日々の寒暖差が大きくなりそうです。

3月の平均気温も北日本で平年並みか高く、東日本や西日本、沖縄・奄美で平年より高い予想です。春の訪れは早くなるでしょう。

●冬型の気圧配置になりにくい

冬型の気圧配置になりにくいため、この先3か月の北日本や東日本、西日本の日本海側の降雪量は平年より少ないでしょう。ただ、急なドカ雪には注意が必要です。日本海の海面水温は、まだ平年より高くなっています。海面水温が高いところに、一時的でも強い寒気が流れ込めば、雪雲が発達しやすく、急な大雪となる恐れがあります。

また、冬型の気圧配置が続かないため、1月・2月は日本付近を低気圧が通りやすくなるでしょう。東日本の太平洋側や西日本、沖縄や奄美では低気圧の影響を受けやすく、降水量が平年並みか多くなる予想です。南岸低気圧がくれば、時に関東の平野部など太平洋側にも積雪をもらたし、交通機関の乱れなど大きな影響を与えることもあります。

この先も体調管理や、日本海側の急な大雪、太平洋側の雪には注意が必要です。

・北日本(北海道・東北)
・東日本(関東甲信・東海・北陸)
・西日本(近畿・中国地方・四国・九州)

●エルニーニョ現象とは?

「エルニーニョ現象」が発生するのは、太平洋赤道域です。このあたりは貿易風と呼ばれる東風が吹いているため、通常、暖かい海水は西側のインドネシア付近に吹き寄せられる一方、東側の南米沖では、海の深い所から冷たい海水がわき上がっています。

ただ、何らかの原因で東風が弱まると、西側の暖かい海水が東側へ広がるとともに、東側にわき上がる冷たい海水の勢いが弱まり、南米沖の海面水温が通常より高くなります。このように、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象を「エルニーニョ現象」と呼びます。

「エルニーニョ現象」は海で起こる現象ですが、発生すると大気にも影響を及ぼし、世界各地で気圧配置などがいつもとは違った状態になります。雨や雪の降りやすい場所や、風の吹き方、気温などが変わってくるのです。「エルニーニョ現象」発生時の日本は、暖冬になりやすいと言われています。

情報提供元: tenki.jp日直予報士