北陸 5月から既に大雨 2日も警報級か 梅雨入り発表の有無にかかわらず大雨に警戒
2日の北陸地方は、西部の福井・石川・富山を中心に激しい雨や雷雨となりそうです。昼頃から夜遅くにかけて土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に十分注意・警戒してください。
●「台風2号周辺の強い暖湿気+梅雨前線」の危険な組み合わせ
このあと梅雨前線は西から北上し、2日(金)は北陸地方を通過する見込みです。前線に向かって、台風周辺からの非常に暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発となるでしょう。北陸地方では2日(金)昼前から昼過ぎにかけて1時間に最大40ミリ以上の激しい雨が降り警報級の大雨となる所がある見込みです。バケツをひっくり返したように降ったり、道路が川のようになる可能性もあります。2日昼前から夜遅くにかけては低い土地の浸水、河川の増水、土砂災害に十分に注意・警戒してください。
●5月は日照時間が多いのに降水量も多い極端な天気 既に大雨シーズン到来
5月の北陸地方は、気温は平年並み、日照時間と降水量は平年より多くなりました。日照時間が多いのに降水量も多く、上旬と下旬を中心に短期的な大雨があり、北陸4県ともに大雨警報が発表された地域がありました。
特に、7日は梅雨の末期に相当する湿った空気が前線に流れ込んだ影響で、富山・金沢ともに、日降水量が100mmを超えて5月の観測史上1位を更新しました。この他、24時間や48時間等の最大降水量の記録も複数地点で更新があり、わずか2日程度で1か月分の降水量となった所もありました。
●梅雨入りや梅雨明けの確定値 「実は既に梅雨入りしていた」or「実はまだ梅雨明けしていなかった」年も
梅雨入りや梅雨明けの発表は、気象庁が現在までの天候経過と1週間先までの見通しをもとに、気象情報の一種の「梅雨の時期に関する気象情報」として速報的に発表するものです。近年は大雨による豪雨災害が多発しており、速報の発表は本格的な大雨の季節到来を改めて広く周知し、防災や減災行動につなげる目的があります。
その後の9月には、春から夏にかけての天候経過を改めて振り返り、梅雨入りと明けの時季を確定させる作業を行い、これを「確定値」として発表しています。
梅雨入りに関しては、2021年や2022年のように2年連続で、9月の確定値発表時に速報の日が前倒しされており、「実は既に速報日より早く梅雨入りしていた」ケースが発生しています。
反対に梅雨明けに関しては、2012年、2013年、2015年のように、9月の確定値発表時に速報の日が後ろ倒しされており、「実はあの時まだ梅雨は明けていなかった」という事例が複数確認されています。また、2022年は確定値で梅雨明けは特定できず、大雨による災害が頻発しました。
歴史にifはナンセンス。速報レベルの報道が実体経済を動かすトリガーになることは致し方ありません。
ただ、近年は大雨による豪雨災害が多発しており、防災上の観点から見れば、5月頃からは「梅雨入り速報の発表が無くても油断は禁物」、秋が深まるまでは「梅雨明け速報の発表があっても油断は禁物」を意識するのが良さそうです。