火星は、この時期、一晩中観察することができます。きょう8日(木)は、今年最後の満月で、この月が火星に近づいて見えます。今夜は、九州や中国地方、四国、近畿の太平洋側、東海、関東を中心に晴れて、天体観測によい条件でしょう。

●火星が見頃

12月1日に地球に最接近した火星が、きょう8日に「衝(しょう)」となります。「衝」とは、太陽系の天体が、地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のことです。この頃の火星は、太陽が沈む頃に、東北東の空から昇って、日の出の頃に西北西の空に沈むので、一晩中観察することができる時期です。火星は、この衝の頃にマイナス2.0等と最も明るく輝いて見られます。

火星などの惑星は、太陽の周りを公転しているため、星座の中の位置を変えていきます。星座の中を惑星が西から東へと移動していくことを「順行」、東から西へと移動していくことを「逆行」といい、逆行は、太陽系の中で火星の内側を公転する地球が、火星を追い抜くように移動する際に、その移動する地球から見える現象です。

順行から逆行、または逆行から順行へと移動方向が変わる時には、惑星の移動が止まったように見えます。この現象のことを「留(りゅう)」といいます。2022年10月まで順行を続けていた火星は、10月30日の留を境に逆行へと転じています。その後、12月1日に地球に最接近、8日の衝を得て、2023年1月13日の留まで火星は逆行が続きます。その後、再び順行へと転じます。
このように火星が順行から逆行、そして再び順行となって見えるのは、地球と火星が太陽の周りを公転している証拠でもあります。

参照:
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2022/12-topics03.html

●今夜は今年最後の満月 月が火星に接近

今夜(8日)は、今年最後の満月です。この月が、火星に近づいて見えます。満月と衝は、地球から見た天体が太陽と反対側になるという意味で同じ現象です。

月と火星が最も近づくのは、日本では、きょう8日の正午過ぎで見ることができません。日本で最も近づいて見えるのは、8日夕方の月の出の直後です。その後、月と火星は、昇っていきながら少しずつ離れていきます。

●今夜の天気

今夜(8日)は、九州や中国地方、四国は晴れて、天体観察によい条件でしょう。近畿も太平洋側を中心に晴れる所がある見込みです。東海や関東も晴れるでしょう。

北陸は雨が降る所が多く、あいにくの天気になりそうです。東北や北海道も日本海側は雨雲や雪雲がかかるでしょう。ただ、太平洋側では晴れる所がある見込みです。沖縄は曇りや雨でしょう。

昼間は日差しに温もりを感じられる地域でも、日が沈むと、この時期らしく急にヒンヤリしてきそうです。天体観察は、暖かくしてお楽しみください。

情報提供元: tenki.jp日直予報士