この1週間で、九州~東北は続々と梅雨入りしましたが、沖縄・奄美では「梅雨明け」が見えてきました。沖縄・奄美では、来週前半から夏の高気圧に覆われる日が多く、梅雨明けのタイミングを迎える可能性があります。ただ、梅雨明けを前に「梅雨末期の大雨」には、注意が必要です。

●沖縄・奄美 梅雨を振り返ると

今年の梅雨を振り返ると、沖縄の梅雨入りは5月4日ごろと、平年より6日早く、昨年より1日早くなりました。一方、奄美では、5月11日ごろに梅雨入りを迎え、平年より1日早く、昨年より6日遅く、長雨の季節を迎えました。

そんな中、沖縄・奄美では、いつもの年より「雨の量が多かった」というのがポイントです。

那覇市では、5月31日に、1時間に65.5ミリの「非常に激しい雨」を観測。5月28日には、沖縄県宮古島市伊良部付近で1時間に120ミリ以上、平良付近では約120ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、「記録的短時間大雨情報」が発表されました。また、31日には、南城市玉城付近と佐敷付近で、1時間に約110ミリの大雨が降ったとみられ、「記録的短時間大雨情報」が発表されました。

また、5月17日~6月15日の降水量は、那覇市で783.5ミリと平年比256%、石垣市登野城で475.5ミリと平年比194%、宮古島市平良で725.5ミリと平年比285%、鹿児島県奄美市名瀬は560.0ミリと平年比143%でした。

●沖縄・奄美 来週前半には「梅雨明け」か

その沖縄・奄美では、いよいよ「梅雨明け」が見えてきました。

週間予報を見ますと、那覇市や名瀬市では、週明けにかけて曇りや雨の日が続きますが、来週前半からは、いよいよ夏の高気圧に覆われるでしょう。22日水曜ころからは、晴れマークが並び、来週前半には「梅雨明け」となりそうです。

平年ですと、沖縄の梅雨明けは6月21日ごろ、奄美の梅雨明けは6月29日ごろですが、今年の梅雨明けは、奄美では平年より早まる可能性があります。

●梅雨末期の大雨に注意

ただ、梅雨明けを前に「梅雨末期の大雨」に注意が必要です。

16日木曜12時の雨雲レーダーを見ますと、梅雨前線の影響で、沖縄や奄美付近のあちらこちらに、活発な雨雲がかかっています。梅雨前線は17日金曜にかけて、沖縄・奄美付近に停滞するでしょう。

沖縄本島地方では、これまでに降った雨により、地盤の緩んでいる所があり、16日木曜昼過ぎにかけて、多い所で1時間に40ミリの激しい雨が降る見込みです。沖縄本島南部では、16日夕方にかけて土砂災害に警戒が必要です。また、沖縄本島地方では、16日木曜夕方にかけて土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に十分ご注意ください。

奄美でも、大気の状態が非常に不安定となっていて、17日金曜にかけて落雷や竜巻などの激しい突風の発生するおそれがあります。特に、十島村では、これまでの大雨で地盤が緩んでいる所がありますので、土砂災害にお気をつけください。

情報提供元: tenki.jp日直予報士