2022年3月を振り返りますと、キーワードは「今年初」。黄砂、春一番、暖かさ・暑さ、寒の戻り、雪、大雨、桜の開花・満開など、様々な出来事があり、「何年ぶり」という現象も多くなりました。あすから4月ですが、天気や気温は、どうなるのでしょうか。

●黄砂が飛来 関東など春一番

2022年3月を振り返りますと、様々な出来事や現象がありました。キーワードは「今年初」です。
5日、春の風物詩とも呼ばれる「黄砂」が、高松市と広島市、福岡市、鹿児島市で観測されました。日本で黄砂が観測されたのは、「今年初」でした。
翌6日、那覇市でも「黄砂」を観測。那覇市で3月に黄砂を観測したのは、10年ぶりのことでした。
さらに、17日、27日と28日、福岡市で「黄砂」の観測が続きました。
また、全国で「今年初」の黄砂が観測された5日、関東や東海では、南よりの風が強まり、「春一番」を観測しました。18日には九州南部・奄美でも、「春一番」が吹きました。
ただ、近畿、中国、四国、九州北部では、2022年は「春一番」の観測はありませんでした。「春一番」の観測がなかったのは、近畿は2020年以来2年ぶり、中国地方は2008年以来14年ぶり、四国は2011年以来11年ぶり、九州北部は2016年以来6年ぶりのことでした。(なお、北陸では、2022年の「春一番」は、2月15日に観測しています。)

●季節先取りの暖かさ・暑さ 寒の戻りも

3月は、春めいてくる時期で、各地で「今年初」の気温を観測しました。
5日、徳島市、高知市、大分市、宮崎市、鹿児島市などで「今年初」最高気温20℃以上、福島市、長野市、金沢市、大阪市などで、「今年初」最高気温15℃以上となりました。大阪市で、その年初の最高気温15℃以上が、3月にずれ込んだのは、10年ぶりのことでした。
12日、東京都心で、最高気温が21.8℃と、「今年初」の20℃以上を観測しました。
13日、那覇市では、最高気温が25.7℃と、「今年初」の夏日(最高気温25℃以上)となりました。那覇市で、初の夏日が3月にずれ込んだのは、4年ぶりのことでした。
14日は、本州でも暑いくらいになった所もありました。千葉県横芝光町では、最高気温が25.2℃と、本州で「今年初」の夏日(最高気温25℃以上)になりました。本州で、年明け後、3月中旬までに夏日になったのは、9年ぶりのことでした。
さらに、寒の戻りもありました。東京都心の最高気温は、17日は21.0℃まで上がりました。一転して、翌18日は10.3℃と、前日より10℃以上、低くなりました。

●関東でも雪・みぞれ 沖縄や鹿児島で大雨

3月は、気象庁の区分では「春」ですが、季節外れの雪となった所もありました。
19日、北日本で大雪となりました。盛岡市の日降雪量は27センチと、3月中旬以降に、日降雪量20センチ以上を観測したのは、22年ぶりのことでした。
22日、関東の平地でも、雪やみぞれが降りました。東京都心では、みぞれを観測。水戸市の日降雪量は3センチと、3月下旬以降に、日降雪量が3センチ以上を観測したのは、36年ぶりのことでした。
そして、大雨にも見舞われました。
18日、沖縄県を中心に、雨雲が発達しました。伊是名島や名護市、粟国空港などで、1時間に50ミリ以上の「非常に激しい雨」を観測しました。全国のアメダスで、1時間降水量50ミリ以上を観測したのは「今年初」でした。
26日、鹿児島県屋久島町南部付近で、猛烈な雨が降ったとみられ、「記録的短時間大雨情報」が2回、発表されました。

●全国的に平年より早く 桜が開花・満開

3月は、桜前線がスタートする時期でもあります。
17日、全国の気象官署で「今年初」、福岡で桜(ソメイヨシノ)が開花しました。平年より5日早く、福岡の桜開花が、全国で一番乗りだったのは、6年ぶりのことです。
20日、東京都心で桜が開花。平年より4日早く、桜のシーズンを迎えました。関東の桜開花は、2007年から15年連続で、東京が一番乗りです。(横浜と同日の年も含めて)
3月下旬は、九州~関東で、桜開花ラッシュとなりました。すでに開花を観測した標本木では、つぼみがどんどん膨らみ、27日、全国の気象官署で「今年初」、福岡・東京・高知で、桜が満開になりました。
31日正午現在、今年の桜(ソメイヨシノ)の観測は、開花・満開とも、平年より早い所が多くなっています。

●4月はどうなる?

さて、あすから4月。気象庁が発表した最新の1か月予報によりますと、この先1か月全体の平均気温は、北・東日本で「平年より高い」、西日本で「平年並みか高い」、沖縄・奄美で「ほぼ平年並み」の予想です。北ほど高温傾向なので、まだつぼみの桜は、平年より早く開花する所が多いでしょう。
ただ、1か月全体の「平均気温」は高温傾向でも、細かくみると、春は気温の変化が大きい時期です。日ごとに気温の変化が大きくなったり、一時的な寒の戻りとなることもあるでしょう。また、良く晴れる所ほど、朝晩と日中との寒暖差が大きくなります。気温の変化で、体調を崩さないよう、ご注意ください。
【北日本】北海道・東北地方
【東日本】関東甲信・北陸・東海地方
【西日本】近畿・中国・四国・九州北部地方・九州南部
【沖縄・奄美】鹿児島県奄美地方・沖縄地方

情報提供元: tenki.jp日直予報士