11日、日本気象協会は「2021年桜開花予想(第5回)」を発表。広島と愛媛県宇和島市では、開花まで秒読みの段階です。3月下旬には、九州から関東、北陸で満開になるところが多いでしょう。

●2021年 開花予想日・満開予想日(主な地点)

●開花と満開の傾向

桜の開花は全国的に平年より早くなるでしょう。多くのところで平年より10日前後早く開花し、長野県などでは15日以上早まるところもある見込みです。記録的な早さとなるところもあるでしょう。
10日に、高知県宿毛市の桜が日本気象協会の予想地点で最も早く開花しました。また、すでに数輪の花が開いていることが確認できている愛媛県宇和島市と広島では、開花まで秒読みの段階となっています。本日11日に開花すると、広島では2004年の3月19日の最早記録を8日更新することになります。その他の地点でも、ここ数日の20度に迫る太陽の日差しを浴びて急激に生長を続けており、13日に福岡、14日には熊本や宮崎、松山、高知、15日には大分、長崎、佐賀で開花するでしょう。16日には岡山と東京、17日には鹿児島、京都、和歌山、名古屋、岐阜、横浜で開花し、この先1週間は桜の開花ラッシュとなる見込みです。3月末までには九州から関東、北陸にかけて広く開花し、29日には仙台まで桜前線が到達するでしょう。桜前線は速いペースで進み、4月中旬には青森まで北上し、4月下旬に津軽海峡を渡る見込みです。函館では4月25日、札幌は26日に開花するでしょう。
この冬(12月~2月)は、たびたび強い寒気が流れ込み、全国的に厳しい寒さの日がありました。このため、桜の花芽の休眠打破は、順調に行われたと見られます。一方、1月半ばごろからは平年を上回る暖かさの日も増えてきました。この先4月にかけても、全国的に気温は平年並みか高く、花芽の生長が促されると見込まれるため、開花予想日、満開予想日ともに全国的に平年より早いでしょう。

満開日は、おおむね開花日の1週間から10日くらい後で、九州や近畿、関東、北陸、東北では平年より10日以上も早いところが多いでしょう。予想満開日が最も早いのは宇和島の3月20日で、平年と比べ1週間早くなりそうです。3月下旬には九州から関東、北陸で満開になるところが多いでしょう。東京は3月23日、名古屋は25日、大阪は26日に満開となる見込みです。
※ 桜の開花・満開の統計開始は1953年
※ 気温の統計開始は1946/47年
※ 休眠打破:前年の夏に形成され休眠に入った花芽が、冬になり一定期間の低温にさらされて目覚めること
※ 気温が高い場合、元々温暖な地域は現在より開花が遅れ、元々寒冷な地域は現在より開花が早まる傾向があります

●言葉の説明

平年:1981~2010年の平均値
かなり早い :平年より7日以上早い
早い :平年より3日から6日早い
平年並 :平年との差が2日以内
遅い :平年より3日から6日遅い
かなり遅い :平年より7日以上遅い

●11日 広島の標本木

11日午前中、広島の標本木は、数輪の花が開いていました。

情報提供元: tenki.jp日直予報士